10,幸せな花嫁。不幸な…。
共犯者もついに最終回です。
ついにと言っても更新が遅いだけで、たったの10話ですけど(笑)
とにかく…読んで下さい。
それが私の答え。
共犯者であるあなたに対する精一杯の応え。
10,幸せな花嫁。不幸な…。
「受け取ってくれないか?」
一樹は真剣な顔で言った。
差し出されたのは小ぶりなダイヤのついたシンプルな指輪。
「冗談言わないで…。」
わけがわからない。
だって一樹は綾と結婚するんだと言ったではないか?
1番は綾だと言ったではないか?
「冗談じゃない!舞子が言いたい事はわかるよ。今ここで綾の事見捨てるのは…社会的に見て最悪だ。でも、許して貰えるならどんな事をしてでも償う。そして…舞子と一緒にいたい。」
そんなの…
「そんなのおかしいよ!一樹が言ったんだよ?綾が1番だって…。」
先に裏切ったのは一樹でしょ?
もう…信じられないよ。
「俺は…舞子と一緒にいたいって、あの時…綾とやり直す前に言っただろ?結局最初から最後まで…欲しいのは舞子だけなんだ。」
言った…。確かに昔、一樹は私に付き合おうと言った。
断ったのは私だ。先に裏切ったのは…私だ。
「でも…。」
言葉が繋がらない。
だって、一樹の気持ちが嬉しくて。
ずっと想っててくれた気持ちが嬉しくてたまらない。
「あの時…舞子は周りを敵にしてまで俺を守ってくれただろ?今度は俺が守る。約束する。何があっても俺が舞子を守るから、ただ傍にいてくれ。この指輪…受け取ってくれないか?」
一樹が指輪をケースから取りだして、反対の手で私の左手を持ち上げた…。
私は…幸せになれるのかな?
「「おめでとう」」
「「おめでとう」」
あちらこちらから聞こえてくる祝福の声。
こういうのを…幸せって言うのかな?
好きな人と一生一緒にいるって決める事。
それをみんなが祝ってくれる事。
そっか…これが幸せなんだ。
空を舞う花びら。
ふと…チャペルを振り返る。
白のドレスはキラキラしていて…
「舞子…?」
ふと、我に帰ると目の前にはウェディングドレスに身を包んだ綾がいた。
「綾…おめでとう。」
そう。今日は一樹と綾の結婚式だ。
「ありがとう。舞子が来てくれるなんて驚いた!中学の卒業以来だよね?」
笑顔の綾。幸せな綾。
中学時代の事など忘れたのか…。
それとも、これが結婚した女の余裕と言う事なのか…。
ちらりと見える結婚指輪は先ほどチャペルで交換したばかりの指輪だ。
「幸せになってね?」
最後の強がり。
幸せになってね?
指輪も、ドレスも、みんなからの祝福も…幸せになりたいと思う勇気さえ私は持っていないから…だから、私の分も幸せになってね?
「指輪は…貰えない。」
私は一樹の手から自分の左手をどけた。
「それは…どういう意味?」
「ごめんなさい。一樹の傍にはいれない。私は…ずっと一樹に裏切られたと思ってた。でも本当は…私が一樹を信じなかっただけ。一樹は何も悪くないよ?全部私のワガママなのに付き合わすわけにはいかない。」
「違う。舞子のワガママなんかじゃない…全部俺の…」
「それが…無理なの。私は一樹を裏切ったと後悔し続けて、一樹は私を傷付けたと後悔し続ける。私は…一樹とじゃ幸せになれない。」
それが本当に最後の私達の会話。
一樹は一言も喋らずに店を出て行ったんだ。
私が彼を裏切らない限り…。彼が私を裏切らない限り…私達は共犯者。
だからあり得た『好き』と言う関係。
じゃあ、それを壊したのはどっち?
信じなかったのは…?
逃げ出したのは…?
裏切り者はどっち?
終わってしまいました。
この話は私自身が体験した恋を元に小説を書いたものです。
終わり方が…ってのもあると思いますが、やっぱりこの小説はハッピーエンドじゃ書けないです。ご理解いただけると嬉しいです。
最後になりましたが、ここまでお付き合い頂きありがとうございます!感想なども大募集中なので、お願いします。




