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めぐり逢う月と暁  作者: 我亦恋
前世編
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7/12

約束

陽だまりの庭を、月乃は走っていた。



『暁人、待って!』



 振り返った少年が、少し困ったように笑う。



『月乃様、走ると危ないです』



「“様”いらないって言ったのに」



 月乃が頬を膨らませると、暁人は少しだけ目を細めた。



 春の庭。


 柔らかな風。



 少し年上の暁人は、いつも月乃の後ろを静かについてくる。



 転ばないように。


 危なくないように。



 それが当たり前みたいだった。



『暁人』


『はい』



『ずっと一緒にいようね』



 幼い月乃は、何の疑いもなく笑った。



 暁人は一瞬だけ目を見開く。



 それから。


 どこか困ったように、優しく笑った。



『……そうですね』



 優しい返事だった。


 けれど


 その笑顔が少し寂しそうだったことを。


 あの頃の月乃は、まだ知らない。

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