ジャック
「…」
「なぁ、何を言ってるんだ?ノア。誰も居ないだろ」
「こっちから呼んだ方がいいのかな?ねぇ?クロウくん、いや、狂虎のジャック・ザ・リッパーよ」
パチパチパチパチパチ
「いやぁ〜お見事っすね。何故俺の正体が?」
「君は情報を隠しすぎるあまり違和感がありすぎたんだよ」
「っすか。それは盲点でしたね」
「で、君はジャック君を勧誘しに来たのかな?それとも殺しに来たのかな?」
「どっちもっす、従えば見逃す、逆らえば殺す…あぁ、貴方はもちろん殺しますよ」
「そんなに殺気を僕に向けないでくれ、君も優雅にティータイムを楽しまないか?」
「よくいうっすよ。貴方はここまでの展開を読んで来たんでしょう?」
「さぁてね」
「貴方はジャック…俺じゃなくてそこのっすよ。その被害者がジャックの元恋人に顔が似ている共通点を見つけ、待ち伏せた。その貴方が俺の事を想定していない筈がない」
「ノア、お前…一体どこまで知ってたんだ」
「さぁて、ね」
「まぁ、いいっす。貴方に用事は無いのでここで死んでもらいます」
「それは困るなぁ、僕としてもジャックには罪を償ってもらいたいのでね」
さて、とはいえどうするかな。ひとまず話して時間を稼ぐしかないか。
「それに僕としてもエマ君の母親、ジャックの恋人を殺した君には少なからず恨みはあるしね」
「おい、ノア!それはどういう事だ」
「…すぅー」
やっちまった、そうだジャックはこの事を知らないんだった。いやはや、僕とした事が。
「今そこの探偵が言ったまんまっすよ。そして俺を殺したければ狂虎に入るしかないっすよ。さぁ、どうするんすかジャック?」
「そうか、お前が…」
「そんな安い挑発に乗るなよジャック!」
「わかってるよノア。俺はこれ以上罪を重ねる気はないし、何より今ある罪を精算して償う時なんだ」
「そうっすか。じゃあ死ぬっす」
「やっぱ一つ訂正だノア。こいつ一人今更殺したところで罪は変わらねぇんだ。俺はこれでも伊達に警察やってねぇんだ、警察として凶悪犯を見逃す訳にはいかねぇからな」
「そうか、それじゃあ僕は警察でも呼んでくるかな」
「俺が逃がす様なあまちゃんだと思ってるんすか?」
別に彼を舐めている訳じゃないんだが…
「お前程度で僕を止められるとでも?」
「探偵ごときがお前程度っすか」
「伊達に長年裏で生きてないよ」
「そっすか。じゃあやってみればいいっす!」
ガキィッン!
「ありがとうジャック」
「こっちもナイフの使い方は慣れてるんでな!」
タッタッタッ
「チッ」
「おいおい俺がいるのを忘れるなよ?こっちも決着を付けるとしようか!」
「あーもうっ。めんどいっすねぇ!」――
――「ノアさん!大丈夫ですか?」
「おや、君は。無事に逃げられたのか」
「はい、ノアさんに隠れろと言われて隠れてたので声が聞こえて何とか」
「そうか、じゃあ君に一つお願いをしてもいいかな?」
「なんでもどうぞ」
「それ以上僕に近付くな」
「え?な、なんでですか?」
「残念だよ、君が両親を殺したのは事故だと、そう信じていたのに」
「え?え?何の話ですか?」
「とぼけるんじゃないよ。前々から疑ってはいたが…あいつが…ジャック・ザ・リッパーが一般人をそう易々と逃がす訳が無いだろう」
「…流石ですね、バレたなら仕方ないか、死んでくださいノアさん」
パァンッ…




