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蔑ろにされる令嬢は豹変しました ~ パワハラする婚約者も幼馴染みも要りません!~  作者: mimiaizu


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第11話


そして、その嫌な予感は的中する。



「実は先日、私はユミーと婚約した。この王宮でな」


「「な、なんですって!?」」


「……ッ!?」


「ユミーは決して気が弱い女性ではなくて芯の強い女性だと、婚約破棄の件でよく分かったものでね。好意を抑えられず友人のバグタスとも相談して決意したんだ。彼女は私の思いを受け入れてくれたわけさ」



ロミュドは誇らしげに語るが、ガソマ達三人は『私はユミーと婚約した』というロミュドの発言で呆然として耳に入ってこなかった。それはつまり、当初の計画が不可能になったも同然なのだから。



(ユミーがロミュド殿下と婚約!? そんな馬鹿な!?)


(なんであんな女が王子様と婚約するのよ!?)


(こんなこと……計画は無理だ!)



「――君たち、私の話を聞いているかい?」


「「「はっ、はいっ!」」」



王族の婚約者となったとなれば、ガソマはユミーとよりを戻そうと動くなどできない。王族に睨まれるようなことになれば貴族社会で大きな顔ができなくなるからだ。ただでさえ婚約破棄を受けている身に追い打ちをかけるようなものだ。



「それで、ガソマ殿はユミーに、」


「いいえ! よりを戻そうなんてとんでもない! それは二ベスの方です!」


「な、何!?」


「なんだって?」


「本当は二ベスの方からユミーを奪おうと言っていたんです!」


「「「「「っっ!?」」」」」



ロミュドに詰め寄られたガソマは極度の動揺のあまり、二ベスになすりつける判断をした。そして、ロミュドの言葉を遮ってまで、ややこしいことを口にしてしまう。勿論、矛先を向けられるようにされた二ベスは顔を真っ青に変わった。



「な、ななな何を言うんだ! お、俺はガソマにユミーとよりを戻せるかもと言っただけで、」


「二ベスが言ったんじゃないか! 僕から上手いことを言えばユミーを取り戻せるって!」


「可能性の話だ! そもそもアンタのことなんだからこっちに振るなよ!」



王族に睨まれたくなくて、パーティーの最中だというのに顔を真っ赤に染めて言い争いを始めるガソマと二ベス。そんな二人の様子を周りの貴族たちは呆れた様子で眺めていた。ただ一人、ガソマの婚約者のノウヴァだけは青ざめた顔で眺めるしかなかった。自分たちがこれから笑いものになるのは間違いないものになったのだから。


ユミー達もまた予想を斜め上を行く展開に呆れを通り越して困惑さえしてしまった。



「……こ、こんな展開になるとは思っていませんでした」


「ユミーとよりを戻す目的は会ったと思うが、互いになすりつけ合うなんて……」


「これは……貴族、いや、人としては幼稚で醜悪だな……」



ガソマと二ベスは互いに言い争いをしていく中で、パーティーに来た目的を白状していく。自分たちの立場が悪くなる言葉を勝手に口に出しはじめた。



「お前が『ユミーの婚約者は大した男じゃない』って言ったんだぞ! それがどうだ! 王子だったじゃないか!」


「アンタも『僕より立場の上の男と婚約なんてできるもんか』って自信満々だっただろ! 『公爵令息であるこの僕が下手に出て言い寄ればユミーも頭を下げてよりを戻すに違いない』だって? そんなわけがあるかよ!」


「それならパーティーに出席しようなんて言うな! わざわざ一緒についてきやがって!」



互いにストレスが溜まっていたのか沸点が低い二人。今にも殴り合いが始まりそうな雰囲気になってきたため、周囲の貴族が離れていく。このままではパーティーそのものが中断されるかもしれない。



「不味い、今にも暴れだしそうだな。焚き付けた私にも責任がある」


「殿下が前に出ることありません。ここは、」


「私が止めます」


「「ユミー!?」」



ロミュドとバグタスが仲裁に入ろうとしたが、ユミーが自分が止めると言いだしてガソマと二ベスに近づいていった。ロミュドとバグタスはユミーを止めようとしたが、その直後にユミーがガソマと二ベスに声を張り上げた。



「いい加減にしなさい!」


「「っ!?」」


「貴方達は何をしているのですか! 上級貴族の令息ともあろうものがこんな場所で言い争うとは何事ですか! 恥を知りなさい!」


「「ゆ、ユミー……!」」


「貴方達はいつもそうでした。都合の悪いことは人に押し付けるばかりで自分で責任を持とうとしない。婚約破棄されるだけのことをしておいて、なおも誰かに縋ろうなど情けない限りではないですか! 周りをご覧なさい!」


「「はっ!?」」



ガソマと二ベスは今になって気づいた。自分たち二人だけが周りの貴族から冷ややかな目で注目を浴びていることに。それは間違いなく侮蔑と嘲笑を意味している。

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