新クラスは不安ばかり
次の話から視点が戻ります。
扉を開いて現れたのは、黒い軍服に白い髪赤い目の少年だ。
そう、同じなのだ。帝国騎士団第六席セイの容姿と。改めてみると本当にちっちゃいな。教卓の裏にある段差は改めてみるとあの身長えおカバーするためだったのかと思う。
「皆、初めましてだな。今年から入ってきた帝国騎士団第六席セイだ。これから諸君の担任になる。以上だ。」
その言葉に教室がざわつく。横にいるライツも驚いているようだった。
「静かに。」
バインダーが鳴る音が聞こえ、無機質な声が響き渡る。決して大きくはないがよく通る声だ。
「いらないことはするな。プリントは配る、全員に生き渡ったら報告しろ。」
そういって、僅かに発光した光の束が最前列の者に渡される。
「あれって、魔法なのか?」
「うん、たぶん。」
あんな魔法は聞いたことがない。
少しするとプリントが回されてきた。おそらく自分が最後だろうと予想する。
「生き渡りました。」
「わかった。それでは総員本官についてこい。教材を取りに行く。」
思わず発言しようとしていた口を抑える。静かにセイの後ろをついてくる。歩幅が小さいので進みが遅い。他のクラスの様子を覗いてみると自己紹介中だった。うちのクラスはいつやるのだろうか。そんな期待が胸の中を踊る。
「一人一つ取り、教室に戻れ。」
生徒がまばらながらも返事をする。
「なぁ、ギールどう思う?」
「どう思うって?」
「第六卿だよ。まだ同い年だから教師としてはちょっとって思ってな。」
少し考える。確かに教師が同い年というのは不安になるだろう。だが自分にはそれ以外の不安があった。
「僕はそれよりもあの人の雰囲気が気になるかな。」
「雰囲気?何か感じたのか?」
「何か今まであったことのある帝国騎士団の人たちと雰囲気が違うからさ。。。」
「ふーん、ま、ギールが言うんだったらそうなんだろうな。」
「あ、今日一緒に帰ろ。パーティーもあるし。」
「わかった。」
同じく教科書をもった親友の笑みは優しかった。
クラスは少し騒がしかった。どうやら、声を荒げている男子生徒が原因のようだ。
「だから!あいつは偽物なんだって!俺たちに命令して優越感を得ているだけのやつなんだよ!」
「だとしても!教師は教師よ!殴りかかったりするのはやめなさい。」
「・・・ヒートアップしてるね。」
「うん、どっちも。」
奥の席で頬杖をつきながら会話しているとセイが入ってきた。その顔を見て争っていた生徒も席に戻る。いや、男子生徒の方は噛みつきそうだったけど少しセイに見られただけで席に戻った。らんらんと輝く瞳はなぜか無機質に見えた。
「これで今日は終わりだ。明日は四限だ。周りはまだ授業をしている決して騒がないように。」
それだけいってセイは部屋を出た。
「やっぱりこうなるよね。」
「そうだね。」
呆れたようなライツの視線の先には先ほどまで言い争っていた二人がまた言い争っていた。
「馬鹿馬鹿しい、行こう。」
「そうだね。」
そういって二人はクラスを出ていった。迎えに来ていた執事に驚かれたものだ。
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