騎士学園の教師
皇国戦線が終わった。物心ついた時からずっといた場所がなくなったような気がした。
本官にとっては少し悲しいが、他の者からすればやっとという思いだろう。そんな中、帝都からある知らせが届いた。
「第十席から第六席に昇格、ですか・・・・」
正直言って嬉しくはない。
「わかりました、今すぐ帝都に参ります。」
そういうと使者は嬉しそうに去っていった。
場所は変わって、帝都。
帝城で皇帝より正式に第六席に昇格することが告げられた。
黒い軍服は飾緒なども付いていて派手程ではないが豪華だ。無性にむずむずする。
「今この時より、帝国騎士団第十席セイを帝国騎士団第六席に任命する。さらなる精進に期待する。」
周りにいた貴族たちが拍手と共に歓声を上げ、記者が一心不乱にメモを取っている。
「謹んで拝命致します。」
跪きながら凛とした声でセイは言う。
周りからは色々な賛美の言葉がきこえてくる。
嬉しくない。もっと言うと不愉快だ。
あぁ、早く終わってくれないかな。
帝城にある帝国騎士団の会議室に本官は第六席に昇格した後呼びつけられていた。
部屋の中にはテーブルが一つとその周りを囲むように十個の椅子があった。
その内の一つが空いているので恐らく俺の席だろう。
他の九人は着席している。
ゆっくりと、本官は席に着く。
戦場では決して座れなかったふかふかの椅子だ。
「さて、セイ団員。第六席昇格おめでとう。」
ふかふかの椅子を楽しんでいたというのに、歴戦の猛者の容貌をした男が話しかけてきた。
不愉快だ。
「ありがとうございます。」
だが、戦場と違い形式が必要なのが面倒臭い。
本官は定型文で応答した。
残りの者も同じだ。
「さて、早速ですまないがセイ団員。次の任務だ。」
「はい。」
最初に話しかけてきた男が居住まいをただしたのを見て本官を姿勢を正す。
「君には、我が帝国が運営する騎士学園の教師として働いてくれ。」
「拝命致します。」
間を少し開けて答えた。
わざとだ。
男はまるで受けたのが不思議そうな顔をしていた。
「わかった、明日入学式がある。部屋で用意をして待っておけ。」
「わかりました。」
本官は部屋を出た。
学園という物が何かわからないがまあいいだろう。
後で調べよう。
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