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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
終章<エピローグ>経験を得て・・・
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3 感謝の気持ち?

ここまで来れば定番のアレです。すみません。

 私が先生へお願いしてから1週間後。萩原先生から呼び出しがある。職員室へ向かうと萩原先生と教頭先生が待ち構えていた。


 「橘君、呼び出された理由はわかるね?」

 特に何も心当たりがない私は一瞬ドキッとしたが、萩原先生の表情を見て理解した。


 「卒業式の件でしょうか?」

 「あぁ。君が髙山君に伝えたいことがあると言っていたが、やはり式の最中に時間を取ることは出来なかった。そこで・・・。」

 式の最中はダメだったか・・・。


 「式の最後、卒業生が退場する前に少し時間を取ろうと思う。それでいいだろうか?」

 「え?良いんですか?もう無理だと思ってました・・・。」

 「そうだね。私も本当はやめてもらいたいんだが、生徒の意見を尊重しようと思ってね・・・。」

 教頭先生の額にじわりと出た汗が見えた。


 「教頭先生・・・ありがとうございます!」

 私は教頭先生へ頭を下げお礼を言った。そのまま職員室を出た。



◇卒業式当日


 そんなこんなで会長へお礼を言うチャンスが出来たわけだけど、自分で言うのも何だが何を言えば良いか分からないと言うのが本音だ。萩原先生相談した時は言いたい事が一杯あったが、逆にありすぎて何を言うべきかわからなくなった。


 私は会長に伝える事を考えながら通学路を歩いて行く。これが感慨深いというやつだろうか。


 「よぉ!何ぼーっと歩いてるんだ?」

 後ろからポンと肩を叩いてきたのは裕二だった。


 「裕二か・・・。」

 「お前・・・凄い顔してるぞ・・・。」

「そうか?」

「目の下に隈がはっきり見えるからな。」

隈が出来ているなんて言われないと分からない。そもそも隈なんて出来たことない。



「どうしたよ、本当によ。こんな大切な日にさ。」

「いやさ・・・、言葉が思いつかないんだ。」

「もしかして、会長へ送る最後の言葉か?」

「あぁ・・・。せっかく先生達に掛け合って手に入れたチャンスなのに。会長にお礼すら言えないなんて。」

「お礼なんだからさ。そう考え込まなくてもいいんじゃないか?お前の素直な言葉を伝えてみろよ。」

「素直な・・・か。」


ん?というかなんで裕二が私が会長へ最後にお礼を言うって知っているんだ?


「裕二、お前今の話って誰に聞いたんだよ!私しか知らないと思ってたけど。」

「萩原先生からだよ。お前の直談判でなったことも聞いたぜ?凄いなお前の行動力。」

「会長とは2年間の付き合いだったからな。お世話になったし、ちゃんと思いを伝えないといけないだろ?」

「告白ってことか。お前も青春してるな!ヒュー♪」

「いや、そういうことじゃなくて・・・。」

「はいはい。」

裕二は子供をあしらうように私の背中を押す。


私たちが歩いていると、校門前に栞が立っていた。


「どうした?なんでそんな所に突っ立ってるんだ?」

「裕二君。それに大和君も。大和君が逃げ出さないか待ってただけ。」

「それで待ち伏せか。いい性格してるな!」

「副会長が卒業式にいないってだめでしょ?」

栞は栞で色々考えてくれていたんだな。


「ありがとう、栞。じゃあ体育館に行こうか。」



◇体育館


 体育館では卒業式の準備をする先生達。

 「橘君。もう準備もほとんど終わって後は最終リハーサルだけよ。」

 「萩原先生。おはようございます。これが最後のリハになるんですね。」

 「そうよ。それと君のアレはリハとかしてないけどいいのね?ぶっつけ本番で。」

 「はい。」


 当たり前だが、実際伝えることが決まっていないのだからリハーサルなんてものはない。


 「さて・・・お前の思いは決まったか?」

 「裕二・・・。お前もいつの間にか生徒会に馴染んだよな。卒業式を手伝うまでとはな。」

 「うるさいわ!ってか本当に大丈夫か?さっきよりも顔色悪いぞ?」

 「大和君ってこう言う大事な時に弱いよね。テストだったら問題ないのに。」

 「人前で話すのが得意じゃないからな。」

 「でもよ?今日はお前のための日でもあるんだぞ?そこんところちゃんと考えな。」


 裕二と栞はそう言って、先生達の所へ行ってしまった。



 私はしばらく会長達と活動してきたBE部の事を思い出していた。自分が知らない知識、間違っていた知識なんてものばかり。でも会長はその全てを導いてくれていた。感謝してもしきれない。それに、時より見せる笑顔や仕草にドキッとしたこともあったな。もしかしてこれが恋なのか?いやいやいや。あり得ないだろう・・・。


 「おーい!大和!!早くこっち!」

 裕二の声が聞こえた。どうやら考えているうちに時間になってしまったようだ。


私は急いで舞台袖へと駆けていく。そして順調に卒業式が始まった。


卒業式は何事もなく進んでいき、私の出番も無事終わった。いや、私はここからが本番だろう。



 「それではこれで卒業式を終わります。それでは大変申し訳ありませんが、保護者の皆様には一度退室していただきまして、卒業生へのサプライズとしまして生徒会より催しがあります。」


 先生の合図で私たちは舞台中央へ移動する。



 「それでは私たち生徒会より、卒業生の皆様に感謝の気持ちを述べたいと思います。これからお名前をお呼びしますので壇上へお上がりください。」


 私たちが呼んだのは3人。


学園祭で実行委員長をしてくれた梶田先輩。そして生徒会の高橋先輩と髙山会長だ。


梶田先輩へは裕二と栞が。高橋先輩には響さんと高峰が。そして会長には私がお礼を告げる。


梶田先輩、高橋先輩へのお礼がスムーズに終わりあっという間に私の番になってしまった。

高橋先輩は私になぜかエールを送ってくれている。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

次回が最終回になります。

更新は11月29日(木)午後6時予定です。


最後はやっぱりそうなるよねって展開かもしれませんが、是非ご覧いただければと思います。

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