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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第4章 自己抑制と割引
32/38

11 告白イベント

この章のラストです!

次の日――。


◇生徒会室


 私たちは朝早く会長に集められた。絵美はなぜか起きなかったので置いてきた。

 「皆おはよう。おや?絵美君はどこに行ったんだい?」

 「おはようございます、会長。絵美は起こしたんですがまだ寝てます。多分。」

 「なるほど、まぁいい。今日はあいつら2人が祝福されるべき日だ。とはいえこの二人はお互いに私たちに相談カードで相談してきた相談者であり、結果は見えているが相談を達成させたい。」

 「そうですね。」

 「じゃあ今日は全力でサポートに回るぞ!」


 今日の会長はやけに積極的だ。こんな会長も珍しくて良い。



 無事学園祭も終わり後夜祭へと続く。

 私たちは告白の舞台になっている屋上で待機していた。


「そろそろ来る頃ですかね?」

「そうだな。時間的にはそろそろだな。」

私と会長、裕二の3人は屋上待機組。屋上手前の教室に高峰と高橋先輩、階段を挟んで隣の教室に栞と響さんが待機している。



「こちらライト。ターゲット多田紫屋上へ向かっています。」

「了解。こちらも隠れる。」

栞達から多田先輩が屋上へ向かっていると報告がある。


多田先輩が屋上へ向かってから1分ほどだろうか、もう一つの報告が私たちへやってきた。

「こちらレフト。合田君がそちらへ向かっています。」

「了解!合田が屋上へ辿り着いたら、レフト・ライト共に屋上扉で待機。」


 ガチャ・・・。


 屋上のドアが開いた。



◇屋上


 「多田さん・・・。遅くなってごめん。」

 「私も今来たところだしいいの。それで、話って言うのは?」


 呼び出した合田先輩はドキドキしているのか胸あたりを右手で押さえている。


 「――多田さんと話をしたのは1年生の頃だったよね。」

 「・・・うん。私がいじめられているところに合田君が割って入ってくれて助けてくれた。」

 「そうだね。そして図書室で偶然君を見かけて隣に座った。君は筆談だとやけにおしゃべりだった。でもお互い普通に話すようになって、いつの間にか俺は・・・君に惹かれていた。」

 「――ッ!」

 「もっと君と話したい、もっと君を知りたい。そう思っていたんだ。でも君は徐々に距離を置いて行ってしまった。」

 「・・・それは。」

 「俺はモヤモヤしたよ。何かしたんじゃないか。嫌われるような事をしたのか?なんて毎日考えているうちにおかしくなりそうで。でもやっぱりはっきりしたくて・・・。」

 「合田君・・・。」

 「だから!高校最後の学園祭で告白しようって思った。本当はもっと早くすればと思ったこともあるけど、思いが伝わらないと思った。」

 「合田君私ね、距離を置いたんじゃないの。」

 「置いたわけじゃない・・・?じゃあなぜ図書室にこなくなったの?一緒に帰らなくなったの?」

 「私図書室で筆談したり、一緒に帰りながら本の話だったり将来の話だったりしてて、合田君の横を歩くのに相応しい女かなって考えたの。」

 「そんなの!」

 「ちゃんと聞いて。それでね、私今のままじゃダメだって思った。だから私は相談カードで生徒会の方々に悩みを相談した。そして私の不安は解決したの。」

 突然多田先輩は制服を脱ぎだした。


 「先輩・・・。脱ぎ出しちゃいましたよ?良いんですかこれ?」

 「大丈夫だ。これはマトリョーシカなんだよ。」

 


 突然脱ぎだした多田先輩に勘違いをし慌てる合田先輩。


 「多田さん!何しているんだ。こんな所でそんな破廉恥な!」

 「違うわ。ちゃんと受け止めて欲しいの。」

 多田先輩はブレザー1枚を脱ぎ、スカートも一枚脱ぐ。


 「え?」

 「驚いた?この服が前に私が着ていた制服なの。今着ているのは借りている制服。」

 制服の重ね着が出来るほど多田先輩はダイエットに成功していた。


 私はてっきり肉じゅばん的なものをつけているものだと思っていたので慌てたが、あのスリムな多田先輩には既に会っている。


 「私、合田君の横を一緒に歩くのに相応しい女になれたかな?」

 「え・・・はい。むしろ俺の方から言いたい。俺付き合って一緒に横を歩いて行ってくれないか?」

 もはやプロポーズとも取れる告白を全校生徒の前でやってしまった合田先輩。


 「はい。喜んで。」

 多田先輩は泣きながら合田先輩の胸に寄りかかる。

 「紫」

 「隆史」

 二人は熱いキスを交わした。



 「二人ともおめでとう!」

 横にいたはずの会長がいない。


 「ん!?髙山!?いつから居たんだ?」

 「いつから?いや、最初からだが・・・?」

 「なんだと・・・。」

 「まぁそんなことは置いといて、多田、おめでとう。良かったじゃないか。」

 「髙山さん。ありがとう。これもしおりんのおかげだね。」

 「そうだな、南條君には感謝をするんだな。」

 

 状況が飲み込めない合田先輩。


 「髙山?紫?一体どういうことなんだ?」

 「私が説明します。」

 「橘?」

 「合田先輩、ひとまずおめでとうございます。先輩は今のこの状況がの見込めないかと思いますので簡単に説明しますね。」


 私は合田先輩に、多田先輩と合田先輩の両方からアプローチ方法は違えど同じ思いの相談が来ていたこと、そしてその両方を生徒会が引き受け解決しようと取り組んだこと、後夜祭で公に認められることでお互いに祝福されるであろう状況を作ることを説明した。



 『おい合田!おめでとう!!!部活連盟一同からおめでとうを送らせてもらうぞ!』

 『多田さん!おめでとう!お幸せに!!』


 体育館でこの中継を見ていた全校生徒からの祝福を2人は受けた。


 「よかったな。多田、合田。本当におめでとう!」

 「髙山・・・橘・・・すまない。ありがとう。」

 合田先輩の目からは大粒の涙が何度も落ちていった。


 この告白行事は後に後夜祭の伝統行事になったとかならなかったとか・・・。



 私たち生徒会の仕組んだ事ではあったが、無事学園祭および後夜祭、多田&合田ペアの告白イベントをクリアした。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回より更新頻度を毎週火曜日・木曜日の週2回更新へ変更しています。

また、更新時間を午後8時だったのを午後6時へ変更しています。


次回の更新は11月20日(火)午後6時となります。


ブクマ等々お待ちしております。


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