7 学園祭前日
ちょっとマンネリ仕掛けてますがどうぞお付き合いください。
今日はついに文化祭前日だ。合田先輩は予定通り後夜祭で告白することになったのだ。
私たちが押したんだけど、結局公開告白じゃなくて屋上で告白するらしい。
「先輩の段取りは大丈夫でしょうか?」
「武田の事か?彼なら大丈夫だろう。」
「しかし、本当に大丈夫でしょうかね。」
「武田は大丈夫だと言っただろう?」
「いや、武田先輩の話はいいです・・・。そうじゃなくてですね、ちゃんと許可取れたんですか?」
「ん?多田の許可は取ったぞ。」
「え!?そうなんですか?」
「南條君のおかげで少し自信がついたらしく、それに記念だからって。」
「キャラすら変わってるんですね。一体どんな裏技使ったんだ。」
「愛あるが故よ!大和君。乙女は無敵なの。」
「栞に愛が語れるとは・・・。成長したな。」
「――――バカッ。」
「何か言ったか?」
「いや、何も?それより武田先輩ってどなたなんですか?」
栞が何か言った気がするけどまぁいい。
「そうか南條君は会ったことなかったな。」
そう、武田先輩は今から10日程前の事だ。
――――10日前。
◇生徒会室
「会長、合田先輩の依頼は順調です。」
「ほう、じゃあ無事告白するんだな?」
「はい。覚悟を決めたみたいです。でもやはり公開告白というのはハードルが高いみたいですね。」
「何を気にしているんだろうな。合田は校内でも人気な生徒だ。そんな生徒が誰かに告白するなんて面白がって皆みたいだろうに。」
「面白がってって・・・。会長、言い過ぎですよ。」
「そうだ、武田を使おう。」
「誰です?その武田って。」
「待て、今から呼ぶから話はそれからだ。」
会長はスマホを取り出し、どこかへ連絡し出した。
「武田か?あぁ私だ。今から生徒会室へ来てくれ。あぁ、今すぐだ。」
会話が終わったと思ったら1分もしないぐらいで生徒会室の扉が勢いよく開けられた。
「髙山、頼むから俺をこき使うなよな。」
「君しかいないんだよ。」
「何がだよ。その台詞は聞き飽きたぞ。」
会長と親しげに話す武田と言う人物。
「会長?この方はどちら様ですか?」
「あぁ、こいつは私の幼なじみで、武田信二だ。私たちと同じ3年生で部活連盟で合田の側近をしている。趣味で動画配信もしてるちょっと変なやつだ。」
「変とか言うなよ。最近は動画配信だけじゃなく生放送配信も始めたぞ?登録者は5万人を超えた所だ。」
「凄いですね。私は副会長の・・・。」
「橘大和君だったね。よく聞いてるよ。こいつから。」
武田先輩は左親指で会長を指さしやれやれと言う顔をしている。
「武田!何言ってる!」
会長はやや頬を赤くして武田先輩に抗議をする。
「まぁその話はまた今度な。じゃなくてだな、髙山!結局俺をなんで呼んだんだよ。動画の編集中だったんだよ。早くしないと今日のアップに間に合わない。」
「それだよ。お前のその動画編集能力や生放送スキルを見込んで、頼みがあるんだ。」
「頼み?一体なんだ?」
「これは極秘にしてほしいんだが、学園祭の後夜祭で合田が多田に告白するらしいんだ。」
「合田!?あの合田か!?しかも多田って、多田ロボにかよ!かー!うちの大将は何考えてんだろうか。」
「先輩は真剣ですよ。」
「え?そうなのか?人の趣味に何か言うのも無粋だから何も言わないが、意外過ぎるな。」
「そこでだ。その告白現場を動画かもしくは生放送してほしいんだ。」
会長がとんでもないことを言い出した。動画はまだしも、生放送はまずいでしょ。
「――――いいなそれ。さすがに公にって訳にはいかないが、校内限定なら面白いぞ。」
「いやいやいや、それってダメでしょ。会長も武田先輩も何考えているんですか?」
「橘君、合田は意中の人が居ながらも未だに他の女子に告白されたりする。多田はなかなか他の人になじめず、未だにいじめの対象になったりもするんだ。今回の校内限定だが公になることで、多田を守るのが合田、合田の相手が多田となれば、多田をいじめるやつも居なくなって、合田に告白するやつもいなくなるだろう。これってお互いに損はないと思うんだ。もちろんお互い好意を持ってるわけだし、損得で考えるのはナンセンスかもしれないが。」
会長の言っていることは筋が通っているし、これがうまくいけば問題も解消されるかもしれない。
「じゃあ合田先輩と多田先輩を説得するんですか?」
「いや、合田はきっと話してもなかなか了承を得ないだろう。だから多田を説得するのが一番だ。」
会長が多田先輩を説得するらしい。脅したりしないだろうか。そこが心配だ。
「じゃあ多田については私に任せてくれ。」
そういって会長は生徒会室を出て行ってしまった。
「じゃあ俺も動画編集があるから戻るぞ?――後な、髙山は結構強引なことするやつだけどな、無茶だったり迷惑になったりすることはしないからな。」
「なんでそれを私に・・・?」
「凄く心配そうな顔してただろ?不安の奥に疑心が見えたぞ?たまには上級生を信用するのも下級生の仕事だ。大丈夫あいつならちょちょいのちょいで許可もらってくれるさ。」
「わかりました。」
武田先輩は全面的に会長を信頼しているみたいだ。私も副会長として会長を信頼してみるとしよう。
◇
「武田先輩ってそんなにファンがいる方なんですね。」
「ファン?」
「だって5万人も登録者がいるって凄くないですか?」
「確かに。とりあえず、屋上にセッティングするように連絡しておいたから問題ない。楽しみだな。」
私と会長は直前の文化祭実行委員会が始まる時刻になったため、生徒相談室へと向かった。
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次回更新は11月10日(土)午後8時予定です。
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