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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第4章 自己抑制と割引
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5 告白作戦計画

合田との会話に戻ります。今回は妄想シリーズです。

◇レストルーム


 「先輩、まず何からしましょうか?」

 「まず後夜祭でのシチュエーションを考えませんか?」

 「逆にどんなシチュエーションがいいんだろうか。女性の意見が聞きたいんだ。」

 

 今回は私の出番はありそうにないな。私は二人の女性の選択に任せることにした。


 「そうね、私だったら・・・。」


『高橋裕美の場合』


 文化祭も終わり、時間的に後夜祭が始まった頃、俺は彼女を校舎裏へ呼び出した。彼女は緊張しているのかキョロキョロと回りを見渡している。


 「あ、合田君。久しぶりだね。こんな風に喋るってちょっと照れるね。」

 「そうだね。俺も面と向かって喋るのはあんまり慣れてなくて緊張するよ。」

 「文化祭はどうだった?」

 「文化祭?楽しかったよ。本当は君と一緒に回れればよりよかったんだけどね。俺にそこまでの勇気がなかったみたいだ。」

 「え、でも私なんかが横歩いていたら周りの人になんて思われるか・・・・・・。」

 「君じゃなきゃダメなんだ・・・。」

 「え?」

 俺は思わず彼女の両肩を鷲づかみした。


 「君が良いんだ。君じゃなきゃダメなんだ。俺じゃ・・・ダメか?」

 「え?・・・私で良いの?こんな私でもいいの?」

 「あぁ。もちろんだよ。君が良いんだよ。俺と付き合ってくれるか?」

 「――――はい。私の方こそよろしくね。」

 俺は感動の余り勢いで彼女に抱きついた。


 「合田君!痛いよ。」

 俺は抱きついたは良いが力加減を間違えていた。痛がる彼女の声で我に返り抱擁を解く。

 「すまない。多田さん。」

 「そうだ!もう付き合うことになったんだし名前で呼んでも、いい?」

 「俺も名前で呼んでもいいかい?」

 「えぇ♪じゃあこれからも末永くよろしくね、隆史君。」

 「うん。よろしく、紫さん。」


 その後、俺たちは後夜祭を楽しんだ。



 「きゃあああ///」

 響さんが顔を真っ赤にして照れている。

 「先輩って君じゃなきゃダメだ的なのが理想なんですね。」

 「理想よ?でもそんな男滅多にいないし、理想と現実は違うのよ。」

 「参考になったよ。ありがとう、高橋。」

 深々と頭を下げお礼をいう合田さん。なんて言うか男の私から見ても格好いいんだけど。ここまで一途に思われてる多田さんって幸せ者じゃない?


 「じゃあ次はひーちゃんの番よ?ちゃんと照れないで話してね?」

 高橋先輩の目がガチだ。自分は言ったのだからあなたももちろん言うわよね?って言っては居ないけど聞こえた気がした。

 「わかってる!わ、私の場合は・・・。」



 『髙山響の場合』


 俺は告白する段取りを文化祭実行委員やクラスメイトに協力してもらい進めていた。

 そう、俺は後夜祭が始まるオープニングで彼女に公開告白することにした。


 「おい、合田。最終チェックだが、後夜祭開始のオープニングで音楽流したらステージ上に上がってくれ。後は打ち合わせした通りだな。」

 「あぁ、迷惑かけるね。」

 「いや、お前の口から告白したい子がいるって聞けただけで十分さ。・・・頑張れよ!お前の熱い思い伝えてこい!」

 「ああ!期待してくれ。」


 俺は実行委員長の梶田の肩をポンと叩き右親指を立てた。



◇後夜祭


 「おいお前らああ!!学園祭は楽しんだかああ!?!?まだまだこれからが本番だぞ!!!」

 全校生徒が興奮と歓喜の声を上げている。体育館がまるでライブハウスみたいだ。


 「じゃあこれから後夜祭スタートだ!!!!」

 スタートのかけ声で音楽が鳴り響く。そして実行委員長の梶田は予定通り進行を始めた。



 「じゃあ後夜祭一発目から特別イベントだ!」

 梶田の合図が俺に聞こえた。


 「じゃあこの日にかけた馬鹿野郎の登場だ!!」

 俺は梶田の話に合わせてステージへ上った。


 ガヤガヤからざわざわに騒音が変わった。


 「はい!じゃあ自己紹介してください!」

 「3年生の合田隆史です。」

 「今日はなんでこのステージに上ってきたんですか?」

 「――――俺は、今日ここでとある人に告白したいと思ってこのステージへ上がりました。」

 「告白キタ――――――!!」

 実行委員長の梶田は煽るのが大の得意だ。さっきまでのざわつきが一瞬で歓声へ変わる。


 「じゃあ早速ですが、告白する人を呼んでください!」

 「・・・同じ3年生の多田紫さんです。」

 「おお!!多田さん!多田さんはいますか!?ステージへ上がってください!!」


 しばらくすると観客の中から一人の女子生徒がステージへ上がってきた。


 「多田さんですね!それではここからは合田君と多田さんにマイクをお渡しします!それではどうぞ!!」

 マイクを渡された俺は最初に謝罪をした。


 「多田さん。こういうのが苦手なの知っているのにこんな形で告白することを許してほしい。でも、俺はここで皆が見ている中で君に告白することで皆に認めてもらえるんじゃないかって思ったんだ。」

 「合田君・・・。」

 「君と初めて会ったのは1年生の時だったよね。その時君はいじめられていた。それを俺が助けたんだっけか。その頃からもしかすると君に惹かれていたのかもしれない。その後、図書室で君を見かけて、徐々に話すようになったよね。君と話をしている中で、君と一緒に居る時間を大切にしたいって思う気持ちが大きくなったんだ。でも、君は俺と歩いていても申し訳なさそうにしている時があった。そこでこの計画を思いついたんだ。公開告白することで、君が感じている申し訳なさみたいなのがなくなればって思ってね。」

 多田さんは、静かに俺の言葉を聞いている。


 「長くなったけど、俺は君が好きだ。俺と付き合ってほしい。」

 「――――私は合田君の横に相応しくないと思ってた。合田君はモテるし、運動神経も頭も良い。そんな合田君のそばに居るのはもっと可愛い子だったり、綺麗な子だと思ってた。でも合田君の気持ちを聞いて私も決めた。」


 俺は彼女からの返事を待つ時間をこれほど長いとは思わなかった。


 「こんな私でよかったらお願いします。よろしくね♪」


 おおおおと体育館中に響く歓声に俺は告白が成功したことを認識した。


 「おめでとうございます!!!!合田!おめでとう!!!!!ここに新カップルの誕生だ!!!!!この二人には改めて後半に色々聞いちゃいます!!!お楽しみに!!!」


 

 「響さんってそういうのが好きなんですね。」

 私は響さんの意外な一面を見た気がする。


 「ひーちゃんって意外と目立ちたがり屋さん?血は争えないか・・・。」

 「もう!茶化さないでよ!!」

 「髙山響さん。ありがとう。参考になるよ。」



 どうやら参考になったらしい。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回更新は11月8日(木)午後8時予定です。


ブクマ、感想などなどお待ちしています♪


次回は多田との会話に戻ります!!

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