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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第4章 自己抑制と割引
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4 多田紫

今回は多田紫についてです。この2人の恋の行方はどうなるでしょうか!?

◇生徒会室


 「さて、裕美達が合田を探しに行っている間に私たちはこの相談カードを解決しに行こうか。」

  先輩はいきなり何を言い出すんだろう。今私たち4人しか居ないのに。


 「えっと先輩?今大和君達が出て行ったばかりですけど、私たちだけで相談を解決するってことでいいんでしょうか?」

 「そういったと思うが?」

 「会長、4人で出来ないとは言わないですけど、人数多い方がいいんじゃないですか?」

 「珍しく喋ったと思ったら情けないな。もっと俺が解決してやる!ってなってもらわないとな。」

 「俺は別にいいっすよ?」

 「さすが原田君。なら行こうか?」

 「え?どこへ?」


 先輩は生徒会室を退出した。私たちも先輩を追いかけて生徒会室を出た。


 「先輩、一体どこへ向かうんですか?」

 「これを見たまえ。」

 先輩はそう言って私たちに相談カードを見せた。



相談者:多田紫


私には楽しく話せる男子生徒がいます。彼は成績もよく、誰にでも頼られるリーダー的存在です。私はそんな彼が好きです。でも、最近彼のそばに居ていて良いか不安になります。理由はこの体型。昔から豚とかデブとかいろいろあだ名をつけられました。だから彼の横に相応しい女になって、彼に告白したいんです。

そのためにダイエットを試みました。でもダメだったんです。助けてください。



 「ダイエット・・・。女子はみんな考えますよね。わかります。」

 「でも、男はちょっとぽっちゃりした方が好きって言わないか?どれぐらいかわかんないが、必要ないなら無理にすることじゃないと思うが?」

 「裕二君はわかってないわね。恋する乙女は無敵なのよ。」

 「ひとまずこの多田さんに会いに行くんですよね?会長。」

 「あぁ。そうだ。彼女は3年生で良く図書室にいるんだ。だからこれから図書室に行くぞ。」

 私たちは図書館に向かった。


 図書館には2人しかおらず、相談カードを読んでいる限り多田先輩を特定するのは用意だった。


 「多田先輩ですか?」

 「はい?えっとどちら様ですか?」

 「多田。君からの相談カードを読んでここへやってきたんだ。」

 「高山さん、じゃああれは生徒会がやってたのね。」

 「じゃあ悪いが、生徒会室まで来てくれないか?」

 私たちは多田先輩と生徒会室へ戻ることにした。


 

◇生徒会室


 私たちはいつもの場所へ座る。多田先輩には大和君の椅子に座ってもらうことにした。


 「多田先輩、どうぞこちらへ。」

 「えっと、ありがとう・・・・・・。」

 先輩は私を見て、誰?と言わんばかりの顔をしている。


 「すみません。自己紹介がまだでしたね。私は生徒会役員書記の1年生、南條栞です。」

 「南條さんですね。えっと・・・。じゃあここにおられる方は全員生徒会のメンバーということですか?」

 「俺は生徒会じゃないっすよ。俺2年の原田って言います。」

 「僕は同じく2年生の高峰日高です。私は副会長補佐をしています。」

 「さて、自己紹介も終わった事だ。多田の相談について私たちはどう手伝いをすればいいのかな?」


 多田先輩はもじもじしている。何か照れているようだ。


 「私の相談カード読んだって事はもう事情はわかってるって事よね。」

 「あぁ・・・、しかし手伝えと言ってもどういったダイエットを手伝えばいいんだ?それに手伝っても続くのか?」

 「そうよね。手伝うって言うかどうすればいいか教えてほしいの。」

 「と言うと?」

 「続かないのよ・・・。」

 

 ダイエットが続かない、これはあるあるの悩みで誰もがぶつかる壁だと私は感じた。


 「多田は、昔ダイエットに成功したことはあるかい?」

 「私?小学生の時10キロ痩せる事に成功したことはあるわ。でもそれがどうしたの?」

 「人は一度経験したことを簡単には忘れないものだ。だから同じようにダイエットする時に自己抑制が効かないんだ。」

 「先輩?自己抑制がきかないってどういうことです?」

 「南條君は勉強や試験で自分が過去に解けた問題を見たときどう思う?」

 「そうですね。前に出来ているのであれば、同じように解けると思いますね。」

 「そう。つまり自分にとってプラスになることは忘れない。だから解けると思うわけだ。じゃあこれをダイエットに置き換えてみよう。」

 「過去にダイエットに成功した経験をした後、再度ダイエットに挑戦すると過去の経験が活きてもう一度ダイエットに成功する、ですか?」

 「そうだな。普通であればそう考えるのさ。でも今回のケースはダイエットに成功していない。つまり考えられるのは1つだ。それが自己抑制が効かないと言うことなのだ。」

 「すみません。先輩、わからないです。」


 先輩はホワイトボードに説明の図を書き始めた。


Ⅰ今回のケースは過去にダイエットに成功している。

Ⅱ今ダイエットに挑戦している。

Ⅲダイエットに成功していない。

Ⅳ人間は欲に弱い。


 「ここから考えられるのは、過去の経験に縛られ、本気を出せば成功すると勘違いをし欲に負ける。これしかない。」

多田先輩はこの会長の話を聞いているとき、下を向いたままだった。


 「でもじゃあどうすればいいんですか?」

 「そうだな。ダイエットに成功することで得られる何かがあればいいが。」

 「じゃあこうするのはどうっすか?ダイエットが成功したら、俺らが多田先輩の告白を手伝うって事で。」

 「なるほど。それは良い考えかもしれない。結果的に2人が結ばれるのであれば我々としても手伝った意味が出るわけだ。多田はどうだ?」

 「―――わかりました。頑張ります。」


 裕二君の発案により私たち4人で多田先輩のダイエットおよび告白を手伝う事になった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


次回更新は11月7日(水)午後8時予定です。(現在毎日更新目指しています。)

ブクマ、感想等々お待ちしています。


この章もようやく舞台が整いつつありますね。

最後はどうなるのでしょうか!?

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