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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第2章 リスクと危険回避
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5 上級職業

テーマ的な話はあまりないですね。

「このゲームって1回のプレイ時間はどれぐらいなんです?」

 唐突に栞が会長に質問する。

 「たぶん人数にもよるが今8人でプレイしているからな…たぶん3時間ぐらいかな。待ち時間もそれなりにあるがな。」

 「そんなにあるんですか。」

 「まぁこういうゲームだ、対象は確か大学の生徒や研究室とかでやるみたいだぞ。」

 「またすごいエリアの狭い需要ですね。」

 「まって、このゲームイージーモードっていうのもあるみたい。」

 高橋先輩が説明書を見ながら説明してくれている。



 ~イージーモード~

このモードは時間に余裕がない方や手っ取り早く経済学などを学びたい方向けのモードです。

中央の選択肢ボタン全てを同時押しするとイージーモードへ変更するアナウンスが流れます。アナウンスに従ってイージーモードへ変更してください。

イージーモードでは全ての問いが2つの選択肢に変化します。また、問のレベルも下がり実簡単にサクサクと進める仕様となっています。

※ボーナスマスに止まった方は現在いるマスにかかわらず職の変更ができます。

職を変更することで、特別な行動を取ることができます。行動はアナウンスに従ってください。



「特別な行動…うらやましいです!先輩」

裕二が高橋先輩に熱い眼差しを送る。

「でも私神父さんだし……。」

困りながらも、ワクワクしているのか少し笑みがこぼれている。



「じゃあイージーモードにするかい?私はどちらでも構わないが。」

「待ち時間が多くなるとどうしてもマンネリしてきますから、イージーモードにしてみましょうか。」

 私がそう提案すると、皆少しホッとした顔を見せた。やはり3時間と聞くとゲームと言えモチベーションが上がらないだろう。

 「ここを押せばいいんでしたよね?」

 「そうね、全てのボタンを同時押しするとアナウンスが流れるらしいわ。」

 全てのボタンって言われても意外と難しい。何度か挑戦しやっとアナウンスが流れだした。

 「イージーモードへ変更しますか?する場合は1を押してください。」

 私は1を押した。

 「イージーモードへの変更は最低でも全てのプレイヤーが1巡した後でなければ適用されません。1巡しプレイヤー1に戻った際にもう一度変更をしてください。」

 「1巡しないとできない仕様って、そんなの説明書に書いてます?」

 「えっと…。」

 高橋先輩は説明書をペラペラとめくり注意事項が書いていないかなど確認してくれた。

 「あったわ!注意13、イージーモードを選択する際はプレイヤーが1巡した後しか適用されません。なお、最後のプレイヤーはルーレット横にある最初へ戻るボタンを押すことで最初のプレイヤーに戻さなくてなりません。だそうよ。」

 「ルーレット横にそんなボタンありますかね?」

 高峰がルーレットの横を確認すると小さな丸ボタンが存在した。

 「これが1巡を宣言するためのボタンですか。結構面倒くさいシステムですね。」

 「まぁそう言うな、これでもハイテクゲームなんだぞ?あと次はお前の番だぞ日高。」

 「そうでしたね。早く1巡させなくてはイージーモードもないですからね。」

 高峰が終わっても私を含めてまだ4人もプレイヤーが残っているわけだし、もっとテンポアップしなくては。


 

 高峰はルーレットを回し3が出た。問題は実にシンプルであっさりと答えを出してしまった。



「50円の価値があるコインの裏表を当てていくゲームをしている。現在貴方は4回連続で当てており、5回目の挑戦中である。4回連続で当てると50円のコインは4倍の200円の価値へとグレードアップしている。5回目も当てられればその価値は5倍へとアップする。ここで挑戦をやめることもできるが、やめてしまうと現時点の価値の半分、つまり100円のコインがもらえる。間違えた場合は0円になってしまう。貴方はどちらを選びますか?」



この問題はコインの裏表を当てられる確率に注目するが条件は50%でイーブン。しかし間違えると0円なのでリスクを回避するのであれば少しでももらえる100円を選ぶのがベストな選択になる。

高峰の選んだ答えはⅠの『挑戦をやめて100円をもらう。』だった。



正解した結果、高峰は今いるマスから先ほど出した目の倍、つまり6マス目まで移動することになった。



裕二の番になった。出したルーレットの目は1。

何とも裕二らしい。

そしてマスの効果も地味だった。


職業の効果を次回発動できる。(上級職のみ)



「え!?俺まだ下級職じゃん!なんでこんなのが1マス目にあるんだよおお!!」

「たぶんどこかでスタートに戻るっていうマスがあるってことだろうな。グッジョブ裕二。」

 私は裕二に親指を立てエールを送った。

 「くそっ!しかも問すらないって…。」



 さてついに私の番になった。

 私は1以外ならなんでもいいと思い、思いきりルーレットを回した。



 なんと出た目は5!まだ出てない目だ。

 「5ですね。何か特殊マスだと面白いんですが…。」

 「流石橘君。ここで5を引くとは持ってるね。」

 会長が謎に褒めてくれた。


 

 5マス目までコマを進めるとアナウンスが流れた。

 「強制危険エリアに止まったプレイヤー6の方。おめでとうございます。貴方は職業を上級職へ変更する事が可能になりました。しかし2巡目以降2回に1回しか行動できなくなります。どの上級職へ転職しますか?」

 「え!?2回に1回しか行動できなくなるって…そんなのありなんですか!?!?」

 「はっはっは。このゲームで一番止まってはいけないマスだよ。橘君。」

 「会長?なんでそんな事知っているんですか?」

 「それは事前にプレイず…おっと。まぁいいではないか。上級職へ転職するのかい?」

 「今プレイ済みって言いましたよね?それって問題とかも全部知っているって事ですか?」

 「問題はランダムよ。だからかげちゃんも全部は分からないわ。」

 「裕美!」

 「あ、…ゴメン。」

 なるほど、高橋先輩もなんですね。つまり先輩たち2人にはアドバンテージがあると。

 

 「まぁいいじゃねぇかよ。上級職になれるんだからさ。」

 「裕二、お前は2回に1回しか行動できないって事の意味が分かっているのか?」

 「わかってるさ、お前が1番不利って事もな。でもな?俺みたいなマスもあるんだ。贅沢言わないで欲しいぜ。」

 確かに、裕二のマスは酷かった。最初からあんなマスを用意しているこのゲーム自体が鬼畜仕様なのかもしれないな。


 「じゃあ、上級職になりますかね。それしか選択肢がないみたいですから。」

 「素直だな。だがその選択は間違っていないぞ。」

 

 「プレイヤー6の方は商人から勇者の連れへ転職しました。勇者の連れのスキルが強制で発動します。次回よりルーレットが2度回せます。」

 「え?なんで!?」

 「お兄ちゃんだけずるい!!」

 「ほら言っただろう?その選択は間違っていないのさ。勇者の連れは勇者がもう一度ルーレットを振ってくれるから2回行動なのさ。」


 なんていうかかなりチートな職業だったみたい。


イージーモード突入なのでテンポアップします。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の最新話更新は午後10時を予定しています。

よければブックマーク、感想等お待ちしています。

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