表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨てられた荷物持ちの俺、死にかけて覚醒する  作者: beck2026


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
47/53

第47話 ギルドの依頼板

市場での騒動が落ち着いた数日後、俺たちは久しぶりに、村のギルド出張所に立ち寄った。貴族連合の動きが気になりつつも、いつまでも警戒一色でいるわけにはいかない。日々の依頼をこなすことも、冒険者としては大切な仕事だ。


「依頼板、見てみましょうか」


ミラが、掲示板に貼られた紙を、一枚一枚確認していく。


「『山道に出る魔獣の討伐』『薬草採取の手伝い』『迷子の子犬探し』……色々ありますね」


「子犬探し、というのも、あるんですね」凪が、興味深そうに、その依頼書を見つめた。


「我も、それ、興味がある」


淡が、依頼書を覗き込みながら言った。


「子犬というのは、どういう生き物だ」


「小さくて、可愛い、ですよ」ミラが、笑いながら説明した。「人に懐く、優しい動物です」


エリアスが、苦笑しながら言った。


「皆様、強敵を倒すことに慣れているはずですが、こういう依頼にも、興味を持つんですね」


「強さだけが、冒険じゃないですよ」俺は、依頼書を手に取りながら言った。「こういう、地域の人を助ける仕事も、大事だと思います」


「では、これを受けましょう」ミラが、提案した。


「子犬探し、やってみよう」凪が、嬉しそうに頷いた。


依頼主の家を訪ねると、年配の女性が、心配そうな表情で出迎えた。


「子犬が、いなくなって、もう三日になるんです。まだ、生まれて半年も経っていなくて……」


「分かりました。手分けして、探しましょう」


俺たちは、村の周辺を、それぞれ別の方向に分かれて、探索を始めた。


「淡さん、何か、感じませんか」


「……分からない。だが、試しに、空間を少し広く感じる方法を、やってみよう」


淡が、自分の力を使い、周囲の空間を、少しだけ「広げる」ように意識を集中させた。これは、これまでの戦闘用の力とは違う、探索に応用した、新しい使い方だった。


「これは……」


「何か、分かりましたか」


「あちらの方向に、小さな生き物の気配がある」


淡が指し示した方向へ、皆で向かうと、小さな水路の近くで、子犬が、足を取られて動けなくなっているのを見つけた。


「いた!」


「ロウさん、助けてあげましょう」


ミラが、優しく子犬に近づき、抱き上げた。子犬は、最初は怯えていたが、すぐに、安心したように、ミラの腕の中で、おとなしくなった。


「淡さんの力が、こんな形で役に立つとは、思いませんでした」


「我も、自分の力に、新しい使い方があると、知らなかった」淡が、少し誇らしげに言った。


凪が、子犬を、興味深そうに見つめた。


「これが、子犬か。確かに、可愛いな」


子犬を依頼主の女性に届けると、彼女は、涙を流しながら、何度も頭を下げた。


「ありがとうございます、本当に、ありがとうございます……!」


「いえ、お役に立てて、良かったです」


報酬を受け取り、ギルド出張所への帰り道、ミラが、満足そうに言った。


「こういう、ささやかな依頼も、いいですね」


「ああ」俺は、頷いた。「淡さんの力に、新しい可能性が見えたのも、収穫でした」


エリアスが、感心したように言った。


「皆様の力は、まだ、これからも、色々な形で発展していきそうですね」


夕暮れの中、五人は、穏やかな気持ちで、帰路を歩いていた。貴族連合という脅威は、まだ、その影を潜めている。だが、今は、こうした日々の積み重ねが、何よりも、大切な時間に感じられた。

お読みいただきありがとうございます!


ご感想やブックマーク、評価をいただけると非常に励みになります。次話もぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ