戦士たちの集い
戦争とは何か?忌み嫌うべきもの。多くの禍根を残してそれでも消えることのない影響を後世に残す厄災の塊。多くの人間は、戦に対して忌避的な感情を抱く。戦うことは恐ろしいし、多くのものを失うことにつながるからだ。平和な社会が文明と共に形作られていくのは、平和を望むのではなく動乱を忌避するものが多いからである。
だが、ときたまそんな戦に嬉々として立ち向かう人間が存在する。彼らを、多くの人間はこう呼ぶ。「戦士」と。
「軍事特設諜報機関代表、並びに外部私営諜報組織「情報屋」代表、ジン・フェリスターク様。同機関特別顧問、東=フェリスターク・航様。同機関特別顧問補佐、アリア・フェリスターク様」
俺は、自分の名前を呼ばれたのを感じ、軽く会釈をした。隣に座っているジン、俺の後ろに控えているアリアも同様の反応をしている。
今、何が行われているのかというと、参加組織の及び代表者の周知と点呼だ。今回の戦争、マキナが色々な人物の間に入ってことを進めたと言うこともあり、実は主要人物同士がほとんど関わりを持っていなかったりするのである。
今回会議が行われると言うのもあって、それは流石に良くないだろうと言う話になり、じゃあ点呼をして周知すればいいじゃないかと言う考えのもと、このような場が持たれることになったわけである。
しかし、これがただの来場者確認かと言うとそういうわけでもなく、何かと争いたがる裏社会の人間に各々の風格や実力を誇示するための機会を与えているわけなのである。つまり、下手な挨拶とかしようもんなら非常に舐められるわけであって……
俺たち的にはそれはよろしくないので、「悪役覇気」による威圧感増し増しで初っ端からアクセル全開で威圧をする。大元は相手から嫌われるだけのスキルだと言うのに、なんとも有能である。こういうところでしか使えないので恩恵を得られるのは極々一瞬なのだが、そう言うことは考えないようにする。
「出席者は、以上になります」
俺がぐだぐだ御託を述べている間に来場者確認は終了する。何かと役職が長いもんでなかなか終わらなかったが、俺の無駄な考えもたまには役に立つようだ。だがまあ、全く把握していないというもどうかと思うので、とりあえずは脳内で復習である。
まず、大前提として、この場に存在する人間は、例外なく「ヘル=ドメイン連合軍」に関わりのある人物。もっと言えば、軍の幹部と、そこから派生する各組織のトップが招集されている。
ちなみに、俺たちは今回はマキナの指揮する連合軍の下に入るわけではなく、「軍事特設諜報機関」と言う組織を連合軍と同格の組織として発足させ、そこのリーダーをすると言う形で収まった。流石に「箱庭」の組織同士だと言うのに片方がもう一歩の参加に入るというのはよろしくないというマキナの主張から決まったことだ。
どう考えたって「傭兵組合」の方が強力なことは間違いないが、そういうところに謎にこだわるのがマキナという人間である。俺はそう言ったこだわり、嫌いじゃないがな。
とにかく、今回会議に参加している面々は次の通りだ。
まず、軍の中核を担う者たち。もちろんだが、「傭兵組合」の純メンバーによって固められている。戦略、武力ともに兼ね揃えた絶対に的に回したくない集団である。
「ヘル=ドメイン連合軍」総大将兼司令官、マキナ・ヴァルキリア。
連合軍参謀長兼総大将補佐、マキナ・ヴァルキリア私設「秘書隊」第一秘書ファイズ・ヴァルキリア。以下「秘書隊」構成員は序列そのままに連合軍「参謀隊」の構成員を兼任する。
連合軍騎士団長、マキナ・ヴァルキリア私設「特命近衛騎士」が兼任。
文字が長くて脳内の整理には適してないが、これでも実は役職は省略しているのである。マキナとかは量が多すぎてもうピカソみたいになっていたから主要なものだけを書いているのだ。
次に、「下街」からの参加者。
連合軍補佐組織「伝令軍」長官及び「下街」臨時執政官長、オーヴィエル・アルスター
「伝令軍」主部隊「伝令官隊」隊長及び、「下街」臨時執政官兼特務監察官アイシル・オブザベート
以下三名の臨時執政高官が補佐として参加
「情報屋」とアイシルとの繋がりをマキナは知っているようで、そこからか知らないがアイシルもこの場に招集されている。彼女の能力は非常に強力なものなので俺からしても全く文句はないが。
残りはあと少しである。
「ヘル=ドメイン大連邦」にて大きな影響力を持つとされる構成員五千人以上の組織から代表として一人ずつ参加
「ヘル=ドメイン大連峰」危険域にて独立した中規模組織より代表二名選出後、斥候部隊隊長、副隊長として参加
構成員百名以下の小規模組織から一人意見番として参加
以上が、今回の会議にて出席する者たちである。そして、その誰もが皆まごうことなき戦士たちだ。
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「諸君ら、命を削る覚悟はあるか?ただ祖地を、心の拠り所を守るために人を殺す勇気があすか?私は、その問いに無論、と答えるものを招集したつもりである。そんな諸君らに私が言えることはたった一つだ。この戦、何よりも自らのために戦え」
マキナの口上とともに、会議は始まった。




