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悪役覇道  作者: wistereal
四章 『皇国覇道』
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軍事会議

なんだかきりのいいところまでで区切ったら、とても短くなってしまいました。


 戦争が始まった。今までのように中規模から小規模組織相手に行う小競り合いではない。正真正銘、大規模の敵「国」が相手の戦である。必要な資金も、物資も、食糧も全てが段違いに多い。まさに今までの相手とは一線を画す存在。それがアノルフィア皇国である。

 国と戦う。それだけ言えばわかりやすいが、実際には途方もないほどの力と労力が必要となる。何百万、あるいは何千万といった民草が支える軍に立ち向かわなければならないのだから。


 戦争は今までの小規模な戦いとは勝手が違う。それは俺が今回初めに思ったことであった。マキナの行動もそうだが、それ以上に動きが早いのはアノルフィア皇国軍である。

 上層部のもたつきでもあったのか戦争の判断を下すまでは長かったが、そこからの行動は非常に迅速であった。皇国側の宣戦布告からわずか数時間余りで部隊を編成し、今にも皇都を出発する勢いだそうである。さすが職業軍人、というべきだろうか。統率されたその動きは、個人の集合体である傭兵集団には決してなすことのできないものだ。


 そんな相手に、俺が何をできようか。いや、何もできない。人が戯れに学んでいたと言う兵法も大軍を相手取るためのものではないらしく、この規模の敵相手には何か有効な柵を張り巡らせる自信がないらしい。彼が無理となればアリアや「子供達」もしかり。

 たった二組織しかない「箱庭」のうちの一組織は使い物にならないと言うわけである。「情報屋」はこの戦いにおいて少なくとも戦略面では大きな戦力にはなれそうにもなかった。そこで戦いの指揮官に名乗りを挙げたのが……


「僕がやろう。皆、一応聞くが異論はないね?」


 マキナであった。正直、彼がやらずに誰がやるんだと言う話ではあるので、俺もこのこと自体には特段不満その他は抱いていない。マキナであってもこのような戦の経験はないだろうから心配だが、それ以上に彼以外の適任はいないと言う自信があるので結局彼がやった方がいいという結論に落ち着くのである。

 というか、そう言うこと以前にマキナが宣戦布告をした戦である。彼が指揮官をしないとどうするんだ、と言う話ではあった。


 と言うわけで、こちら側、便宜的に「ヘル=ドメイン連合軍」と仮称するが、とにかく連合軍の指揮官はスムーズに決定。両国ほぼ同時に戦争に対する準備を万全に終えた形となったのである。



 さて、と言うことでまずはおさらいだ。これから血と鉄の臭いがする生臭い戦争の。どのように戦争が行われるのか。我々「ヘル=ドメイン連合軍」はどのような展望で戦を行うのか。俺たちの命運を握るとさえ言っていい重要な会議が、行われようとしていた。

 そう、つまり「軍事会議」、「第一回『ヘル=ドメイン大連邦』連合軍総会議」の開催が決定したのである。 


 そしてその会議は、今、俺の眼前で始まろうとしていた。


「ようこそお集まりいただいた。各々方。私が今回、連合軍総大将兼司令官を務めるマキナ・ヴァルキリアだ。私から言えることはただ一つ。今夜は無礼講。全ての発言を解禁する。我々の命を守るために、心してかかれ」

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