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第4章 第22話 落ち込むアンと蝙蝠男の黒歴史


「はぁはぁはぁはぁ・・あ、危なかった・・後、もう少しで我輩の貞操がメイド女に奪われてしまうところだった・・」


なんとかメイド女から逃げ出すことには成功したが・・下手に飛んたりしたら見つかりそうだな


「しばらくこの湖畔の辺りになりを潜めるとするか・・んっ?」


あれは角女ではないか?あんなところで湖を眺めておったのか


「角女よ、こんなところにいたのか、シスター女が心配していたぞ」

「えっ?・・み、見つかった!?」


なんだ?角女の奴、我輩の顔を見て驚いた顔を浮かべておるぞ?


「角女、何を慌てておるのだ?」

「く、来るな!」

「はあ?」


せっかく探し回ったというのに、来るなとはいったいどういう事だ?


「わ、我はこのまま母上のところに行く!邪魔をするな!」

「母上だと?」


そういえば竜王のところで母親を見なかったな


「行くって角女の母親はどこにおるのだ?」

「・・わからない」

「分からないだと?それはどういう事だ?」

「母上は雷を求めて世界中を旅しているのだ」

「雷を求めて旅をする?あんなもの雨の日にはゴロゴロと鳴っておるではないか」


我輩飛んでいる時に雷が鳴るとめっちゃ怖いからな、新作のゲームを買いに出て雷雨にあった時は近くのファミレスで雷雨が止むまでコーヒー1杯で結構な時間ねばって待っていたからな


「何を言っている!雨ならば定期的に降ったりはするか、雷なんて我は産まれてから一度も見た事がないぞ!」

「なんだと!?」


確かに、この世界に来て雷にあった事は無かったな


「雷はこの世界では珍しいものだったのか・・しかし、珍しいからといって角女の母親はなぜ雷を求めて世界を旅しておるのだ?」

「母上は雷人の末裔で雷の精霊様に祈りを捧げるために旅をしているのだ」


雷人の末裔?


「いったいなんだ、雷人とは?」

「雷人というのは雷の精霊様と人が交わって産まれた者達の事だ、母上は旅をして自分のご先祖である雷の精霊様に祈りを捧げているのだ」


雷を探して旅をしているとはな


「・・しかし、そうなると会いに行くにも難しいのではないか?」

「難しくても我は行く!」

「なぜそんなに急に会いに行くのだ?」

「そ、それは・・」

「もう戦いの舞台も完成してしまったのだぞ、今、角女がいなくなったら皆に迷惑をかけてしまう事になるだろう」

「舞台が完成してしまったからこそ!一刻も早くここから離れなくてはいけないのだ!」

「んん?角女よ、それはいったい・・」

「も、もう話は終わりだ!我は行く!」

「あっ!バカモノ!前を見て歩け!そっちは湖だ!」

「えっ?・・ぬわぁぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!!?」


ドシャャャャンッッッッ!!!!


「あぶっ!?あぶぶぶっ!!!た、助け、お、溺れちゃう!!!」

「まったく何をしておるのだ角女よ!ほれ、我輩の羽先に掴まれ!」

「た、助けて!!」


ガジッ!!!


「えっ!?意外と力強い!?わっ!!?それ以上引っ張るな!?我輩まで落ちて・・あぶぁぁっっ!!!?」


ドボォォォォォンッッ!!!


ヤバい!?我輩まで湖に落ちてしまった!!


「かばっ!!?かばっ!!!」


早く我輩が湖から出てもう一度角女を引き上げなくては・・とにかく今は逆さになってしまっている体制を直して・・


「た、助けてっ・・蝙蝠男!我は泳げないのだ!」


カジィッ!!!


「かぼぼぼぼぼっ!!!!?」


ちょっ!?待て角女!我輩の腰を掴むな!!

水の中で逆さの体制のまま動けなくなるだろうか!!


「た、助け・・このままじゃ溺れ死んてしまう・・!」

「がぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼっっ!!!!?」


それは我輩のセリフだぁぁぁぁぁぁっ!!!!

このままではマジでやばいぞ!!なんとか角女の腕から逃れなくては・・!


「あぶっ・・こ、蝙蝠男!我を助けてくれっ!!」

「かぼっ!!?がぼっがぼっがぼっ!!!?」


さらに力強く捕まれた!?

我輩の方が助けてほしいわ!水の中で逆さで抑え込まれた状態なんだぞ!?


「がっ・・かぼ・・っ・・!」


く、苦しい!!い、息が!!?

なんだこれ!?拷問か!?


「う、あぶっ、わ、我・・ここで死んて・・」

「がぼっ!!?」


こ、ここで我輩が沈んだら・・角女も・・くっ!!


「がぼぼっ!!!がぼぼぼぼっっ!!!!」


怪人である我輩がこの程度で死ぬものか!怪人根性見せてやるぅぅっ!!!


「かぼぼぼぼぼぼぼぼぼっ!!!!!!!」


動け!限界を超えろ我輩の羽ばたき!!!


バザァァァァァァンッッッッ!!!!!!!


「えっ?・・はっ・・?・・わ、われ・・う、浮いてる・・!!」

「かばっ!!・・み、見たが!これが怪人蝙蝠男様の実力・・がぼっ!?ヤバい!沈む!?また沈む!?」


は、早く陸地に移動せねばっ!!


ドザッッッ!!


「ぜ〜は〜・・ぜ〜は〜・・ぜ〜は〜・・」

「わ、我は、助かったのか・・?」

「ふっ、ゲボっ!こぶっ!・・我輩がいっしょにいるのに・・ごほっ!ごほっ!・・死ぬわけが・・げほっ!げほっ!・・あ、あるまい・・」


し、死ぬかと思った!!本当にもうダメかと思ったっ!!!

今も酸欠で頭もボーッとしてるし!!


「ううう・・うえーーーーんっっ!!!」


命が助かった事に安堵したのか、角女は堰を切ったような大泣きを始める


「うう!・・も、もうイヤだ!なんで我がこんな目に・・!!」

「お、おい角女よ、少し、落ち着いてだな・・」

「うるさい!うるさいうるさいうるさい!!!」


ダメだ、完全に駄々をこねてしまっておる


「お、おい、あまり暴れるな角女、また湖に落ちてしまうだろうか」


我輩今でも酸欠で気絶する一歩手前なのだから、今度湖に落ちても助けられんからな!


「強い蝙蝠男に分かるか!竜国最強と勘違いをされ、過大な期待を持たれてしまう、我のこの恐怖かっ!」

「うっ!そ、それは・・!?」


確かに強いと勘違いされ、過大な評価をされてしまう恐怖など我輩・・あれ?めっちゃ共感出来てしまうぞ!?


「まあ、確かに過剰に期待されるのは困るな・・しかもそれで厄介な事に巻き込まれて、めっちゃ苦労する事になるからな・・」


我輩が角女と戦う事になったのもそのせいだからなぁ〜


「最初は皆が竜国最強ってちやほやと我に羨望の眼差しを向けてくれて心地が良かったけど・・今ではいつ我が弱いって皆にバレてしまうのではと・・怖くて・・怖くて・・うううっ」

「もしや角女よ、急に母親の元に行こうとした理由は、舞台での仕掛けが失敗して皆に弱いのかバレるのを恐れてなのか?」 

「なななななっ!?なにをいっておるにょだ!そ、そ、そんな訳な、な、な、ない!!」


なら何故、目を高速で泳がせておるのだ


「ならばいっそうの事、皆に本当の事を話したらどうだ?」


その方が気分も楽になって良いのではないか?それに我輩と角女が戦う必要もなくなるからな


「そんな事できるわけがない!」


なんだ!?ちょっと言っただけではないか、涙目で我輩を睨むな!


「竜族は力を何より尊重されるのだ!強いと偽っていた事がバレれば我も・・それに父上も許される訳がない・・」


そこまでわかっていて、なぜ嘘を?


「きっとバレたら、父上は竜王辞職に追い込まれ、我は皆から弱い嘘つき竜と蔑まれ、石を投げられる惨めな一生を送ることになるのだ!!うわーーーんっ!!!」


角女がさらに激しく泣き出してしまったぞ


「うううっ・・な、なぜ・・ひっく・・我はこんなに弱いのだ・・」

「おい角女、そう自分を弱い弱いと・・うっ!?」


ま、まずい!?体を起こそうとしたら酸欠で意識が!?・・うっ、本格的に気を失いそうに・・あっ・・気が・・遠のいて・・いく・・


「弱い我など・・なんの価値もないのだ」


・・弱いものに・・

・・価値は・・

・・ない・・

・・・・


『あなたのような弱い怪人なんの価値もありませんわね』


なんだと・・!


『蝙蝠男、それに骸骨男、あなた達のような脆弱な存在が私と同じ怪人を名乗るなんて、私への侮辱にも程がありますわね』


蜂女よ!我輩より少しばかり強いからと言って、弱い弱いと馬鹿にするのはやめてもらおうか!


「ふふふ、蝙蝠男の分際で私に意見する気かしら?今度こそ殺しますわよ」

『シャシャシャ!面白え!俺様もこんな怪人のなり損ないのクソ蝙蝠がこの蛇男様と同じ扱いは気に食わなかったんだよ!殺すなら手伝ってやるぜ蜂女!』


ふん!我輩だって貴様のようなシャーシャーとうるさい奴と同じ扱いなど虫酸が走るわ!


『てめぇ、マジでぶっ殺されてぇようだな!』

『ちょっと蝙蝠男、蜂女様達に早く謝った方が良いよ!』


馬鹿にされて、なぜ我輩が謝らねばならんのだ!


『蛇男、蝙蝠男を殺すのは私ですわよ、邪魔するならあなたも殺しますわよ』

『はあ!この俺様を殺すだと!やれるもんならやってみろよ蜂女!』

『ひょひょひょ、蜂女に蛇男よ、蝙蝠男を殺すのは止めておいた方が良いぞ』

『蜘蛛男、あなたもこの私に命令する気なら殺しますわよ』

『ひょひょひょ、これは命令ではない、忠告じゃよ、そんな飛ぶ以外なんの役にも立たない出来損ないでも頭領が作った怪人なんじゃからな、勝手に殺したりすればおまえ達が頭領に処分されるかもしれんぞ』


ふざけるな蜘蛛男!我輩は超音波も出せるからな!


『・・確かに、頭領の気分を害するのは私も本意ではありませんわね、しょうがありませんわね、今回は見逃してあげますわ』

『良かったね蝙蝠男、見逃してくれるみたいだよ』


良くなどない!骸骨男よ!お前も弱い弱いと好き勝手言われておるのだぞ!悔しくないのか!少しは言い返したらどうだ!


「言い返すなんてできるわけ無いだろ・・ぼくらが弱いのは真実なんだから」


ぼくらってなんだ!それでは我輩も弱いみたいではないか!


『フフフ、骸骨男の方が身の程をわかっているようですわね、蝙蝠男も骸骨男をみならって自分の身の程をわきまえる事ですわね』


我輩は弱くなど・・


『弱いですわよ』

『弱ぇ弱ぇ』

『弱いのお〜』

『弱いよ』


くっ・・


「た、黙れ・・」


『『『『弱い弱い弱い弱い』』』』


「違ぁぁぁぁぁぁぁうっっっっ!!!!弱くなどないっ!!!」

「なっ!?なんだ、いきなり!!?」

「弱いなどと勝手に決めつけるな!」

「えっ?」


弱い弱いと好き勝手言いおって!我輩は!


「これから強くなるだけの話だ!」

「強く・・なる?」

「そうだ!今はまだ力が眠っているだけだ!その力が目覚めればそれはとてつもなく強くなるのだからな!」


よく漫画にいる最初はパッとしないけど後半で覚醒して、もの凄く強くなるキャラ、我輩はあのタイプなのだ、うん!


「えっ?そんな力が眠っているのか?本当に・・?」

「当たり前だ!」

「そこまで我の事を信じてくれるのか蝙蝠男・・!!」

「・・えっ?」


あれ?蜂女達は・・?


「ううっ・・うぐっ・・」


あれっ?なんで角女は泣いておるのだ?


「我も信じて良いのか・・自分に眠っている真の力があるというお前の言葉を・・」


あっ、すごい真摯な瞳・・これ我輩の事だと思って言っていたなど言えんぞ・・


「・・くくく!もちろん!角女の中で眠りし真の力の存在は、この怪人蝙蝠男様にはお見通しよ!」

「おおっ!本当なのだな!・・けど、どうして蝙蝠男には分かるのだ?」

「えっ?・・そ、それは・・その・・」


ヤバイ・・根拠などないとは、さすがに言えんし・・なんて言えば・・


「そ、それは・・そうだ!何を隠そう我輩の中には古の闇の悪魔ダークサクリファイスが眠っているのだ!そのダークサクリファイスのフォースが角女の中にも大いなる闇のフォースが眠っている事を我輩に教えてくれるのだ」

「闇の悪魔ダークサクリファイス!そんな力が蝙蝠男の中にあると言うのか!?」


いや、ないけど・・ここは一気に捲し立ててごまかすしかあるまい!


「そうだ!ここで我輩達が出逢ったのも闇の宿命に導かれたデスティニーによるものに違いない!」

「デスティニー・・・・意味はわからないけど、その言葉の響きはカッコいい・・!」


ふむ、やはり角女は横文字がカッコイイと思っているようだな・・我輩と同じだな!


「我らのシンフォニーこそカタストロフィへのブレリュードになるだろう!」

「おおっ!シンフォニーにデスティニーそれにカタストロフィ・・カッコイイのかいっぱい!!我がシンフォニーのライバル蝙蝠男よ!もっとないのか!そのカッコいい言葉を我はもっと聞きたいぞ!」


角女の奴め、さっきまで泣いておったくせに今では期待に満ちたキラキラとした瞳でこっちを見おって・・


「良かろうならばその期待答えてやろう!」

「おおっ!」

「だがそのためには我輩の黒歴史(ブラックバイブル)の封印を解がなければいかん」

黒歴史(ブラックバイブル)の封印!?我がシンフォニーのライバル蝙蝠男よ!お前の中にはそのような封印もあるのか!」

「そうだ!常人ならば黒歴史(ブラックバイブル)の封印が解かれたときに身悶え、精神が崩壊する事になる」

「なっ!?それほどの危険があるのか!?」


我輩も中学や高校の同窓会に行く度に厨二病だった時の事をおちょくられ、身悶え、何度も精神が崩壊しかけた事が・・


「しっかしっ!!今の我輩は怪人蝙蝠男!!黒歴史(ブラックバイブル)の封印が解かれようとも精神が崩壊する事などない!」

「おおっ!!さすがは我がシンフォニーのライバル蝙蝠男っ!!」

「良いか!今から話す事は他言無用とこころえよ!」

「むっ!?なぜ、他の者に言ったらダメなのだ?」

「そんなのは恥ずかしいから・・ケブンケブン」

「ん?どうしたのだ?蝙蝠男よ?」

「気にするな、良いか、我輩が黒歴史(ブラックバイブル)を角女に話すという事は即ち!魂の契約を結ぶという事!」

「魂の契約・・!」

「そうだ!我輩と角女の魂の契約!決して他言する事は許されぬのだ!」

「魂の契約・・なんてカッコいい響き!・・クハハハハ!良かろう!我、アンピブテラは竜国の姫の名にかけて、今ここに蝙蝠男と魂の契約を契ろう!」

「ならば!聞くか良い!我輩が学生時代からノートに書き記していた黒歴史(ブラックバイブル)を!!」


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