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第4章 第23話 蝙蝠男VSアンピプテラ


蝙蝠男とアンの戦いの日、山賊共の強制労働、もとい協力で完成した舞台の前には竜達が集まっていた


「アンピブテラ姫様の本気が見れるとは!なんと素晴らしい!」

「蝙蝠男と言う者は大変な強さを持っているようだが、アン姫様の本気の前では敵うわけがない」


竜用の席など用意できるわけもないので、竜達は皆人化してもらっている


「あ〜、アンは大丈夫かな・・心配だよ・・」


ただ、竜王だけは真ん中の席で巨大な竜の姿のままであり、不安そうに舞台を眺めている


「心配?竜王様、それはアンピブテラ姫様がですか・・?」

「えっ?いや・・ゴホンッ・・クククッ、そんな訳があるまい!我が娘が本気を出してこの竜国を滅ぼさぬが心配だと言ったのだ!」

「おおっ!それは確かに!アンピブテラ姫様のドラゴンブレスは国を滅ぼしかねませんからな」

「その通り!我は別にアンが転んで泣き出したりしないかの心配なんてしておらんからな!グハハハハハハッ!!」


笑ってごまかす竜王だけど、もし人化してたら、アンを心配しまくっているのかバレバレだったわね


「さぁ!やってまいりました!ミコの処罰をかけたプロデューサー、もとい蝙蝠男VSアンピプテラ姫様の一戦!」

「「「うおおおおおおおおおおーーーーーーーっ!!!!」」」


舞台中央に登場したエレサがプロレスで鍛えたアナウンスで試合の始まりを告げると待ちきれない様子になってきた竜達から大歓声が飛ぶ


「それでは選手の入場です!まずはじめに登場するのは・・読み難いわね、まったく・・」


ニコニコ顔の蝙蝠男とアンが用意した入場時のアナウンスの原稿を前に渋い顔をするエレサだが、一つ大きく息をはくとキリッとした顔でアナウンスを続ける


「はじめに登場するのはっ!竜国最強にしてアルティメット!サンクチュアリを汚す者にレクイエムを奏で、ジャッジメントを行うエターナルアブソリュート!暗黒のナイトメアドラクーンナイト!アンピプテラ姫様の入場です!!」


うん、横文字が多すぎて、もう意味が分からない


「「「うおおおおおおおおおおおーーーーーーーっ!!!!アンピブテラ姫様ぁぁぁぁぁっ!!!!!」


意味を理解していないだろう竜達の声援に答えるようにアンが舞台袖から現れる・・のだか


「アンピブテラ姫様っ!?」


竜達は現れたアンの姿に驚愕の声を上げる、まああんな姿で現れれば仕方ないでしょうね


「な、なぜそのような大怪我を!!?」


アンは片目に眼帯をつけ、片手にも包帯を巻いていたのだから


「まさか!戦いの前に蝙蝠男が闇討ちをしたのか!」

「なっ!それでアンピブテラ姫様はあんな大怪我を!許せん!!」


アンの怪我に騒ぐ竜達、私も怪我の内容を確認しようとしたのだが・・


「ふっ、勘違いするな、この眼帯と包帯は我が強力過ぎたフォースを封印しているものだ・・ぐっ!まだだ!まだ目覚めるには早い!鎮まれ我に封印されし古の邪竜ニーズベックよ!」


とまぁこんな感じで眼帯をした目を押さえて苦しみだす、見た感じまったく問題はなさそうなのてほっておく事にした


「古の邪竜の力!そんなものがアン姫様に眠っていたのか!」

「だから今まで本気で戦う事をしなかったのですね!」

「これから戦う蝙蝠男と言う奴はアン姫様がその封印を解かなければいけないほどの相手と言う事なのか!」


竜達も勝手に納得したようである


「次に入場するのは・・えっーと、これって本当にプロデューサーの事で良いのよね?・・ゴホン、続きまして入場するのは・・」


エレサは困惑の表情のまま蝙蝠男の入場のアナウンスに移る


「その身にダークサクリファイスを宿し、暗黒より生まれしアルバトロス!森羅万象すべてにカオスをもたらすインフェルノのファントムペイン!すべての者をジェノサイドをもたらすナイトメア!怪人蝙蝠男の入場です!!」


アルバトロスってアホウドリでファントムペインは幻肢痛って意味を蝙蝠男わかってるのかな?

わかってないんだろうな、絶対にカッコいい横文字ってだけで使ってるわよね


「くくく、角女よ、古の邪竜ニーズベックに精神を呑まれず、よくぞ我輩の前に姿を現せたな!」


舞台袖から現れた蝙蝠男に竜達の注目が集まる


「あれが蝙蝠男、アンピブテラ姫様と同等の力を持っている者・・」

「あの仮面にも何が意味があるのか?」


なんかよく分からんピエロのような仮面を被った蝙蝠男にざわめきが広がっていく


「さあ!蝙蝠男VSアンピブテラ姫!いったいどちらが勝つのか!今、試合開始です!!」


エレサのその言葉を合図にしたように舞台中央で睨み合うアンと蝙蝠男


「両者舞台上で激しく火花を散らしております!」


その様子をエレサがアナウンスで補足していると蝙蝠男がいそいそとエレサに話しかけていた


「・・シスター女よ、そこは闇のフォースと言わんか・・」

「・・はっ?闇のフォースっていったいなんなのよ?・・」

「・・お前もアイドルならば分かるだろう!その場のノリと流れに合わせんか・・」

「・・合わせろって言われても・・」

「・・そうだエレサよ、ここはカッコよい言葉でもっと皆を盛り上げねば!・・」

「アンまで・・しょうがないわね・・うっ!!こ、これは!!舞台上で両者の闇のフォースが激しく渦巻いています!!・・こんな感じ?」

「さすがはスーパーアイドルエレサ!」

「うむ、アドリブもバッチリだな!」


二人の無茶振りに答えてくれたエレサに蝙蝠男とアンが親指を立てている


「なんと!?舞台上ではそれほどの力の嵐が起きているのか!?」

「舞台への接近禁止とあったのはそのためだったのか!」


蝙蝠男達のコソコソとしたやり取りを聞こえていない竜達が仕掛けに気づかれないように設けた舞台接近禁止というルールをいい感じに誤解したようである


「クククッ!この荒れ狂う程の邪竜フォース!どうやら我輩もダークサクリファイスの封印を解かねばならんようだな!」

「ここで蝙蝠男が自らの仮面に手をかけた!あの仮面にいったいどのような秘密があるのかっ!」


また戦い始めないの?こっちは準備万端なんだけど・・


「この束縛の仮面によって我輩の内に封印されしダークサクリファイスよ!今こそその封印を解き、この世界に破滅と混乱をもたらさん!」


何、ダークサクリファイスって?蝙蝠男がその仮面つけたの試合前よね?


「うおおおおおおおおおおーーーーーーっっ!!」


仮面を脱ぎ捨てて、大きな雄叫びを上げる蝙蝠男


「この禍々しいフォース!これが封印されしダークサクリファイスの闇の力なのか!・・ぐっ!」

「アンピブテラ姫様が膝をついた!?」

「それほどの力があの蝙蝠男から放たれているのか!」


いや、蝙蝠男はただ大声を出しただけでしょ?


「クックックッ!我輩に眠るダークサクリファイスの百年の眠りを解いたからには貴様に未来はないと思え!」

「くっ!ダークサクリファイスのフォースがまさかこれほどとはな!しかし我に眠りし古の邪竜リーズ・・いや、ニーズ・・ニーズ・・我に眠りし邪竜の力なら負けないぞっ!!」


諦めた!?あの娘自分で考えた邪竜の名前忘れて、思い出すの諦めたよ、今!?


「邪竜よ!その強大なるフォースを顕現させよ!今こそ目醒めの時!」


アンが片目を塞いていた眼帯をワシ掴みにするとそのまま剥ぎ取り投げ捨てる


「くおおおおっ!!?こ、これが邪竜のフォース・・なんと強大な今にも暴走してしまいそうだ・・しかし!我ならば強大な邪竜のフォースも完全に我が物に出来る!アルティメットラグナロクアイ!!」


ラグナロクって北欧神話の世界における終末の日って事よね、アンが知ってるとは思わないからきっと蝙蝠男が吹き込んだんだろうけど、きっと意味とかは教えてないんだろうな〜


「くっ!?その赤き瞳はまさか邪竜の力を我が物にした者だけが手にする事が出来るという伝説の邪竜眼アルティメットラグナロクアイだというのか!!」


いつ、そんな伝説が出来たのよ?アンはオットアイだから左の瞳は元々赤色だったでしょうか


「グハハハ!!我が邪竜眼アルティメットラグ・・ラグマ・ラグス・・」

「これが角女の邪竜眼アルティメットラグナロクアイの力なのか!まさかこれほどアルティメットラグナロクアイがアルティメットラグナロクアイだとは!!」


またもド忘れしそうになっていたアンに対して蝙蝠男が無意味に技名を連呼しまくる


「そう!アルティメットラグナロクアイを手に入れた我にはダークサクリファイスの闇のフォースも効かないのだ!」


蝙蝠男の掩護のおかげで自分の技名を思い出したアンはドヤ顔で蝙蝠男を指差していた


「クククッ!吾輩のダークサクリファイスのフォースを無効化するほどの力を持っていたとは!褒めてやるぞ角女よ!」


蝙蝠男は胸を反らせ、仰々しい態度で両手を広げる


「しかしダークサクリファイスの封印を解いた我輩の本気はこんなものではないぞ!さぁ食らうか良い!我輩の闇のフォースをな!いてよ!!デビルサンクチュリアボックス!」

「おっ!やっと出番が来たわね、行くわよレッタ」

「はい・・ですが、ミコ様、本当にその格好で良いのですか?」

「そうよ、似合ってるでしょ」


レッタはいつも通りのメイド服だけど、私は肩紐の無いハイレグタイプのワンピースに兎耳ヘアバンド、カフス、蝶ネクタイ、網タイツ、お尻部分には兎の尻尾を模したもふもふの飾りを組み合わせた、いわゆるバニー服姿である


「レッタも着てみる?」

「いえ、私はさすがに・・」


そう言って自分の胸のところを抑えるレッタ、やっばり胸の傷跡が気になるのか・・


「まあ、気が向いた時に着れば良いんじゃない、レッタがこの衣装着たら蝙蝠男の奴、鼻の下伸ばして喜ぶわよ」

「!!」


私のその言葉にレッタの目がキラリと光る


「今度、その衣装お借りしてもよろしいでしょうか?その衣装を着て蝙蝠男様に迫ってみようと思います」

「むっ!ずるいゾ!それならピピもバニー服着て、蝙蝠と子作りするゾ!」

「み、皆さんが着るなら・・は、恥ずかしいですか・・私も・・バニー服を着て・・蝙蝠男様と・・あふあふっ・・!」


おっ、ピピもレティカも食いついてきたわね


「嬢ちゃん、ここでそんな無駄話してていいのかよ?」

「おいぃっ!なにをしておるのだ!デビルサンクチュリアボックスっ!!早く出てこい!!」


あっ、蝙蝠男の事忘れてたわ


「それじゃ行くわよ!ピピ、音楽の魔道具発動お願い!レティカは合図したら魔玉ですぐに空中に文字を浮かび上がらせて」

「分かったゾ!」

「わ、分かりました!」


チャラララララ〜〜チャラララララ〜〜


「なんだ!?この曲はいったいどこから流れているのだ!?」

「何か箱を持ってきたぞ!?あの女はうざきの亜人が?すいぶんと派手な格好をしているな・・」


ピピの魔道具で流れる音楽に合わせて、バニー姿の私とメイド服のレッタが人一人が入れる大きさの箱を舞台中央の所定の位置にセットする

舞台袖に控えているドワーフのおっちゃんに目を向け、セットする位置に問題ない事を確認しておく事も忘れない、こういうのってちょっとした位置のズレで大惨事になっちゃうからね


「ここで蝙蝠男が使い魔をな召喚したっ!・・ちなみに使い魔は蝙蝠男のサポートをするだけでアンピブテラ姫様に直接攻撃はしませんのでご安心下さい」


蝙蝠男の使い魔っていうのはイヤだけどこういっておかないと舞台上に上がれないからね


「このデビルサンクチュリアボックスは我輩の中に封印されしダークサクリファイスを封印している古の封印具!このデビルサンクチュリアボックスに囚われたものは決してこの箱から出る事は出来ない!」


ならその封印されていたダークサクリファイスはどうやって封印から出てこれたのよ?


「アルティメットラグナロクアイを手に入れた角女でもこのデビルサンクチュリアボックスの封印から逃れる事は出来ないだろう!」

「見くびるな!アルティメットラグナロクアイを手に入れた我には、いかなる魔法も攻撃も効かない!!」

「面白い!ならばこのデビルサンクチュリアボックスに入ってみろ、角女よ!!」

「・・良かろう!」

「そんな姫様!?こ、これは罠です!お止め下さい!!」


私達が用意した箱の中に無防備に入ろうとするアンを竜達が止めようと声を上げる


「心配無用だ!私には罠など効かない事を蝙蝠男に分からせてやるだけの事だ!」


高らかに宣言すると同時にさっさと箱の中に入っていく


「クククッ!確かにデビルサンクチュリアボックスだけではアルティメットラグナロクアイを手に入れた角女を封じるには足りんかもしれん・・しかし我輩には、まだ奥の手があるのだ!!食らえ!デビルズダークチェーン!」

「ああ!?アンピブテラ姫様っ!!」


私とレッタでアンの入った箱を鎖でぐるぐる巻きにしていく


「おっーと!ここでアンピブテラ姫様が閉じ込められた箱を蝙蝠男が鎖でぐるぐるに巻いてしまった!これではアンピブテラ姫様が箱から脱出するのは、さらに困難になってしまいました!」

「違うぞシスター女!このデビルズダークチェーンは我輩の中に封印されしダークサクリファイスの如何なる攻撃も効かない悪魔のフォースを鎖の形に変えたもの!なんびとだりともこの鎖を断ち切る事は出来ん!角女が脱出するのはもはや不可能!」


如何なる攻撃も効かない悪魔ならどうやって封印したのよ?


「アン姫様が箱に入ってからそんなものを出すとは卑怯だぞ!」

「貴様!正々堂々とアンピブテラ姫様と戦え!」


アンの入った箱が鎖でぐるぐる巻きにされた事に竜達からはプーイングの嵐である


「ダークサクリファイスの封印を解いた我輩に卑怯汚いは褒め言葉よ!それに我輩の攻撃はまたこんなものではないぞ!いでよダークサクリスァイスソート!」


いでよって、こっちはもう剣の用意は終わっているわよ


「なんとっ!ここで蝙蝠男が使い魔の用意した剣を手に取った!」

「このダークサクリスァイスソートは我輩に封印されしダークサクリファイスを切り裂いた伝説の剣!」


さっき如何なる攻撃も効かないって言っていたのに切り裂かれたの?


「なっ!その剣をどうするつもりだ!」

「ま、まさか!?箱に閉じ込められたままのアン姫様にっ!?」

「その通り!!!」


私から剣を受け取った蝙蝠男がアンの入った箱に剣を突き刺す!


「「「姫様ぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!?」」」


竜達から先程よりも大きな悲鳴を上がる!


「なんと言うことでしょう!!アンピブテラ姫様が閉じ込められた箱に無情にも蝙蝠男の剣が突き刺さったぁぁぁっ!!」

「まだまだ!!ダークサクリファイスソートは一本だけではないぞ!!」


私が用意した剣を次々に箱に刺していく蝙蝠男!!


「ぬおおおっ!!?アンピブテラ姫様の閉じ込められた箱が滅多刺しにぃぃぃーーーっ!!!?」

「おのれぇぇーーーっ!!!よくもアン姫様を!覚悟しろ!我ら死兵となってでも貴様を骨も残さず滅ぼしてくれるっ!!」


竜達は殺気立ち舞台上の蝙蝠男に襲いかかろうと人化を解こうとしていた


「止めよっ!!!」


竜王の怒声で全ての竜達の動きが止まる


「なっ、なぜ止めるのですか竜王様!?」

「この戦いはアンと蝙蝠男の戦い!邪魔をするモノは誰であろうと我が黒炎で焼き尽きしてくれるぞ!」


竜王のその言葉に人化を解こうとしていた竜達は目を見開いていく


「竜王様はアン姫様を信じておられるのだ!」

「俺達もアンピブテラ姫様の事を信じなければ!」

「・・しかし竜王様、先程からの妙な動きはいったいどのような意味があるのですか?」

「気にするな!」


もしもの時のためのボディーサインを竜王と決めていたのだが・・


(ねぇ大丈夫!?)

(本当に大丈夫!?)

(本当に本当に大丈夫なの!!!?)


とまぁさっきからこんな感じでボディーサインを送ってこられて・・めっちゃウザイ・・


「くっくっくっこれだけダークサクリファイスソートで滅多刺しにすればたとえアルティメットラグナロクアイを手に入れた角女でも耐えられぬとは思うが・・念には念を入れて!」


私が用意した火の魔石を蝙蝠男が観客の竜達に見えるように掲げたところでレティカに合図を送る


「アンピブテラ姫様を閉じ込めた箱を剣で滅多刺しにした蝙蝠男が今度は火の魔石を掲げています!そして舞台上には魔玉で3の文字が浮び上がっていますっ!」

「火の魔石をどうする気だっ!」

「あの3の数字には、なんの意味があるのだ?」

「あの数字に火の魔石・・いったい何を・・」


竜達が動揺している中、エレサが指を立ててカウントダウンを始める


「ツリー!!・・ツー!!・・」

「なんだ!?数字が減っていく!?」

「どういう事だ!?」

「ま、まさか!!あの数字がゼロになった時に・・!」


竜達もこのカウントダウンの意味に気づいたようだが、カウントダウンが止まることはない


「ワンッ!!・・ゼロッ!!!」

「これで終わりだ!竜王の娘よ!ダークインフェフノボム!!」


カウントがゼロになったと同時に蝙蝠男が火の魔石をアンが閉じ込められている箱目かけて投げつける!


ドッカーーーーーーーンッッッ!!!!!


「なんと言うことでしょうかっ!!アンピブテラ姫様が閉じ込めらた箱が蝙蝠男の投げつけた火の魔石によって、激しい爆発とともに跡形もなく消し飛んでしまったぁぁぁぁっ!!!

「「「「「・・・・・・」」」」」


エレサのアナウンスが流れる中、もはや言葉なく絶望的な顔した竜達・・


(ねえ!あの爆発で本当にアンは大丈夫なの!!?)


絶え間なく妙な動きをする竜王はもはや無視する


「ううっ・・アン姫様っ!」

「そ、そんな・・我らが希望であるアンピブテラ姫様が・・こんな・・」


観客席の竜達がむせび泣いていた


「くっくっくっ!見たか!これがダークサクリファイスの真の力よ!」


勝利を確信した蝙蝠男の高笑いが響く・・その時!


「クハハハハハハハハッ!!!!」


その高笑いをかき消すほどの豪快な高笑いが響き渡る


「こ、この声はアンピブテラ姫様!!」


その声に絶望していた竜達の瞳に輝きが戻る


「ダークサクリファイスの力とはその程度のようだな!!」

「なんとっ!鎖でグルグル巻きにされた箱に閉じ込められて剣で滅多刺しにされたうえに火の魔石で爆破されたはずのアンピブテラ姫様が舞台袖から現れましたっ!!」

「おおっ!!やはりアンピブテラ姫様だっ!!」


舞台袖から現れたアンの姿に安堵とともに竜達が感嘆の声をもらす


「アンピブテラ姫様はあの爆発でご無事だったのですか!」

「それに見てみろアン姫様の体を!さっき箱に閉じ込められて剣で滅多刺しにされたはずなのに傷一つないぞ!」

「・・これが姫様の力・・我々が叶う訳がない・・」


キズひとつないアンの姿に唖然とする竜達


「しかし、いったいいつアン姫様はあの閉じ込められた状態から脱出されたのだ?」

「ふっ、どうやら他の奴らには角女の飛行する姿が見えていなかったようだな!」

「その口ぶり、貴様には見えていたようだな!アルティメットラグナロクアイを手に入れた我のドラゴンソニックインフォクションの動きが!」


アン、あんたド忘れするんだからそれ以上横文字使うの止めれば良いのに


「我輩のダークサクリファイスは全てを見透す!捉えられぬものなどない!箱が爆発した時に箱の中から飛び出した角女がその身に火の粉すら触れさせずに舞台袖に移動するのをな!」


竜達にフォローする蝙蝠男なのだが、もはや何を言っているのか分からない


「アン姫様の本気の飛行!俺にはまったく見えなかったぞ!」

「俺もだ!誰の目にも止まらぬスピードで飛行するとは聞いていたけど、これほどとは・・」

「な、なんという戦いだ!我々には理解出来ない戦いだと言うことか!?」


うん、私も二人が言ってる事は何一つ理解出来てないよ


「だか我輩の攻撃はまだまだあるぞ!いでよ!サクリファイスディメンション!!」

「蝙蝠男はまだ諦めていません!使い魔に新たな武器を持ってこさせたようです!」


また訳のわからない技名を出している蝙蝠男のノリは無視してエレサのアナウンスに合わせるようにさっさと次に使う道具を用意する


「今度はアンピブテラ姫様の頭と足首から先が出る大きさの箱が中央に乗せてある台を持ってきた!蝙蝠男はこれでどうするつもりなのかっ!」

「角女よ!次はこの我輩の中に封印されしダークサクリファイスを捕らえ縛りつけていたこの台に横になってみるかいい!!」


あんたの中の悪魔はいろんなモノに封印されたり、斬り裂かれたり、縛られたりしてるわね


「良かろう!我がアルテメットラグナロクアイの前にはいかなる攻撃も効かない事を教えてやろう!!」


台の上の箱に入り、頭と足を出すアン、出した足は上下に動かしている


「ククク、油断したな!出でよ!我輩の中に封印されし悪魔ダークサクリファイスの首を切り落とした伝説の刃デビルサンクチュリアギロチン!!」


首を切り落とされたならそこで終わってるわよね?なんで封印されたり、斬り裂かれたりしたのよ?


「大きなギロチンをアンピブテラ姫様が閉じ込めらた箱の上にセットしたぁぁっ!!まさか蝙蝠男はこのままアンピブテラ姫様の体を真っ二つにする気なのかっ!!!」

「なっ、なんだと!?」

「アン姫様の体を真っ二つにする気だとっ!?」


エレサのアナウンスに竜達が再び絶望の声を上げる


「さあ!アルテメットラグナロクアイを手に入れ、ドラゴンソニックインフォクションで高速で動けたとしても体を真っ二つにされてはさすがの角女でも無事ではいられんだろう!」

「ならば試してみるか良い!我にはドラゴンソニック・・ソニック・・インフェクション!そう!我にはドラゴンソニックインフェクション以外にも隠されし力がある事を教えてやろう!」

「「おおっ!!」


危なかったけど忘れずにちゃんと言えた!思わず私と蝙蝠男から感動の声が漏れてしまった


「ならばその隠された力を見せてみろ!」


チラチラ


アンと目配せして準備が終わっている事を確認すると再びレティカに合図を送る


「舞台上に魔玉で3の文字を浮かび上がりました!再びカウントダウンが始まります!」

「さっきの火の魔石の時と同じだと!?」

「スリーッ!・・ツーッ!・・」

「あの数字がゼロになったらアンピブテラ姫様の身体にあのギロチンが落ちるというのか!?」

「ワンッ!・・ゼロッ!!」

「これで終わりだ!角女よ!デビルサンクチュリアギロチン!!」


ゼロになったと同時に蝙蝠男が力強くギロチンを押し込む


スバァァァンッ!!!


「なんと言うことでしょう!!箱に入ったままのアンピブテラ姫様の体がギロチンによって真っ二つになってしまいましたっ!!」

「そんな!?アンピブテラ姫様の身体が半分に!!?」


台の上で箱ごと身体を半分に切断されたアンの姿に竜達の顔が真っ青になる


「いや待て!先程の剣でもアン姫様の身体には傷一つ付ける事は出来なかった!きっと今度も大丈夫なはずだ!」


さっきの箱に入れられた状態で滅多刺しになっても傷一つなかったアンならと希望の目で見つめる竜達だが・・


「クククッ本当に大丈夫だと思うのか」


それを否定するように蝙蝠男がギロチンで切断されたアンの下半身のところの箱を掴むとゆっくりと横にずらしていく


「これはっ!蝙蝠男が箱を横にスライドさせるとアンピブテラ姫様の下半身がそのまま上半身から離れていく!」


アンの上半身と下半身の間に空間が出来ていく


「そ、そんなっ!?それでは本当にアンピブテラ姫様の身体は真っ二つになってしまったというのか!?」


ずらした箱にはアンの足が出たまま、上下に動いていた


「どうだ!これで角女の身体が完全真っ二つになった事が分かったかっ!」


まあ、出している足は鉄靴を履いたアンの足に似せて作った作り物でレティカの魔玉で動かしているだけなんだけどね


「そんな本当にアンピブテラ姫様の身体が真っ二つに・・!?」

「ア、アン姫様!!?」

(!!!?)


叫ぶ竜達の横でもはや最初に決めたボディーサインとはまったく関係ない奇妙な動きを高速でしている竜王には黙って見ていろとだけボディーサインを送っておく


「身体が真っ二つになってはいくらアルテメットラグナロクアイを手に入れた角女でも終わりだな!!」


高らかに勝利宣言をする蝙蝠男が上半身と下半身で離していた箱を一つに戻してギロチンを引き抜いていく


「クハハハハハハハハハッ!!身体を真っ二つにされた程度でアルテメットラグナロクアイを手に入れた我を殺せると本気で思っていたのか!」

「なっ!?なんだと!!?」

「まったくの無傷です!蝙蝠男のギロチンによって体を真っ二つにされたはずのアンピブテラ姫様がまったくの無傷で箱から出てきました!!」


エレサのアナウンスに合わせるように蝙蝠男が箱を開けるとアンが箱からパッと手を広げて立ち上がる


「我が肉体にはフェニックスドラゴンソウルがある!例え真っ二つにされようと瞬時に回復する事が出来る!」


覚えられないんだからもう横文字を増やすな


「おおおおおおっっ!!!姫様にそんな力が!!!!」

「アンピブテラ姫様!さすがは竜国最強です!!」

「いや、アン姫様こそこの世界で一番最強だっ!!」


盛り上がる竜達にニコニコ顔で手を振るアン


「まただ!今度はこのスカイデビルサンクチュリアボックスに入れて空中で爆破してくれるわ!」

「グハハハハハハ!面白い!我のアルテメットラグナロクアイの力をもっと見せてやろう!」


そんなこんなでアンと蝙蝠男のマジックショー・・いや戦いは続くのだった!


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