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ぼくのがいこく生活

作者:玲於奈
赤毛のピーターとけんかしてから1ヶ月。
ぼくは、学校になじんだような
なじんでないような
ふくざつなところだった。

パパは、
ぼくにはやく
イギリスの暮らしに慣れてほしいのか
ハドソンさんには食事は
イギリスのいつも食べられているものを
お願いし
それがもう1ヶ月つづいた

ぼくは、
さいきんのパパはへんだと思う
日本ではあれだけママに懇願され
嬉々として
毎日せっせと
ぼくとママのために
食事をつくっていたのに
今はハドソンさんが
休みの日曜日すらも
キッチンに立とうとしない

ときどきぼんやり窓のそとを
見たりして
パパは、いそがしいのか
あたらしいかんきょうに
なれないのか
何かしずんだことがとっても多かった

そして、
そんな家族がびみょうな時に
ぼくは、となりの学年の男に
目をつけられた

隣の学年といっても
ぼくは
おまけで下の学年にはいったので
なんのことはない
同級生なんだか

そいつは
すごいオーラをもっていて
華々しいこと
このうえなく
それは目に見えるように
ひときわ輝いていた

勉強がよくでき、スポーツも万能。
このサッカー発祥の英国で
あまたのサッカーマニアを
けちらし
少年サッカークラブで大活躍ときて
これはうらまれないこと
ないだろうと思っていたら

さらにそれに
輪をかけて
美男子ときている

「じーざずくらいす」
ピーターが先生におこられた時
おおげさに言うせりふ。

彼は、おこられることを
演じているかのようだ。
でも、ぼくもやつのことは
そう思う。
もうどうしようもない
あきらめのそんなかんじ。

ママはぼくが
家を出るとき

「日本の女性はヨーロッパでは
 すごくもてるのよ
 だからママはイギリスにはいかない」

と言ってふしぎにほほえんだ

「天はにぶつを与えたもうな」

ぼくはハドソンさんが
食事前に私にお祈りさせるとき
こっそりそのことをのろった

そう、ぼくがそんなひきょうな
ことをするくらい
やつは本当にもてたし
男のぼくでさえも
アジアから来た鈍くさいぼくが
みても
やつは本当にかっこよかった

アジア系の人々はヨーロッパで
自分と似たような
同じ国の人を見ると
「なんだかなあ」とおもうって
パパがぽつりと言ってた
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