表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面を被ったまま生きていた部屋  作者: 巳ノ星 壱果


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/28

24話 七色カメレオン

 第27章 七色カメレオン


 辞めようと決意し、一ヶ月ほど働いてから、私は無事に工場を退職した。


 もう、人間関係で悩むのは嫌だった。


 私の社会復帰のリハビリは、

 これで一区切りついたのだと思う。


 あの狭い世界を出たわたしはずっと働き続けている。


 会社では、自分を出さない。

 プライベートなことは話さない。


 お金はお金。

 私は、お金のために働いているだけ。


 仕事のときは、仮面を被る。


 それでも、ごく稀に信用できる人の前では仮面を外し、少しだけ心を開くことも覚えた。


 信用できなそうな人には近づかない。


 苦手な人に好かれるくらいなら、

 扱いづらい人間だと思われた方がいい。


 その方が、ずっと楽だった。


 時に人は、私のことを

「七色カメレオン」だとか、

「浮世離れしている」と言った。


 そんな言葉を、人生で何度も何度も向けられてきた。


 でも、そのすべてが私だった。


 白黒をはっきりさせるところも、

 心を開いていない人から見れば冷酷に映るところも、

 素直すぎると言われる性格も、




 全部、私だった。




 もし誰かに

「巳ノ星 壱果ってどんな人?」


 と聞いたら、

 きっと、一人ひとり違う答えが返ってくるだろう。



 でも、それでいいと思った。



 私は、それが

 人生をうまく乗り切る術だと学んだから。


 すべては、自己防衛のためだった。



 嫌われてもよかった。

 この性格を受け入れてくれる人とだけ、関わっていければ、それでいい。


 八方美人になって、陰で人の悪口を言うような人間には、なりたくなかった。


 身近な死をいくつも経験する中で、

 私は、強く思った。


「みんなの分まで、後悔しない人生を生きよう」と。


 我が道を行く。

 それが、私の選んだ道だった。


 そんなとき、

 人生の分岐点が訪れることになるとは、思いもしなかった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
会社を辞めて色々と吹っ切れたのですね。 相手によって対応を変える自分自身を受け容れたのは、大きな心の成長かと! ヾ(・ω・*)ノ ん? なにか不穏さの残る引きが……。 (・–・;)ゞ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ