国境はいつ越える? ハヤトについて…
グリストが腰を上げハヤトを見つめながら皆に声をかけた。
「さぁハヤト…次はハヤトの番だ…話してくれ」
俺は心の中ではこう叫んでいた。
「いゃ〜無いわ!こんな皆みたいに深いエピソードは無いわ…唯一自慢出来るのは紙飛行機を折るのが上手ってくらいしか無いわ…」
どうするよ俺…ここは作り話で見栄を張るか…無理だ!そんな空気じゃない…ミリーなんか目がキラキラしてるし!
もう本当の事を…すべての事実を伝えよう。
ハヤトは素早く立ち上がり話し始めた。
「え〜俺は…うーん…実はですね、皆は信じないと思うけど…俺は多分別の世界から来たと思う…前の世界では下っ端の料理人だった!得意料理はパスタかデザートです!」
………。
皆が静まりかえり、沈黙を破ったのはやはりミリーだった。
「やっぱり!!ハヤトからはなんか嗅いだ事ない匂いがたまにしてたんだよね!」
グリスト、ハンス、ロンドが急に詰め寄って来た。
「ハヤト…いま何て言った?」
ハヤトは慌てて答える。
「いや!多分だから!気づいたら森の中にいて!だけど違う世界から来たのは分からないけど高い確率でそうだと思う」
ロンドがハヤトに詰め寄り低い声で言う。
「料理ができるのか?」
………?え?そこ?
「あぁ…出来ると思う」
グリストとハンスは見つめ合いながら固い握手を交わしている…ミリーは飛び跳ねて喜んでいる中…1人…
ただならぬ殺気を放っているエミリアに皆は気づいていないみたいだが…
声を震わせながらエミリアがハヤトに話しかける。
「へぇーハヤトさんはお料理が得意なんですか…皆さんは何を喜んでいるのか私には分からないですが…食事当番の私とお役目交代でいいでしょうか?」
エミリアが話している後ろには激しく頷く4人の姿が見えたが…
「いや〜でもね〜エミリアの料理もね!素敵な料理みたいだし…交代でやりますか!」
エミリアの鬼の形相に押されて咄嗟に返してしまった。
ハヤトは後ろで何やら小声で詠唱しているハンスをすぐに止め、ハンスに抱きつきながら小声で話す
「おい!!ハンス!!落ち着け!大体は察しがついているから!!安心しろ!!社交辞令だ!あそこでわかりました!なんて明るく返事してみろ…殺されるぞ…」
咳払いをして、グリストが皆に話す。
「まぁ…食事当番はハヤトとエミリアに任せて…やはりハヤトは異世界人だったか…これで話が合うな」
グリストは皆んなを座らせて再度話し始めた。
「ハヤト…異世界人はハヤト以外にもいるんだ…この世界では稀に異世界人がやってくる。そして異世界人は時代の流れを変えてしまうほどの知識と力を持っていてほとんど賢者や勇者とか呼ばれている。」
グリストは持参していたランタンに火をつけると話を続けた。
「おそらくだか…王宮はハヤトが異世界人だと思っていない…しかし副団長は直ぐに気づいた…ハヤトを政治的な駒にされる前に俺たちに預けて次の策を考えているはずだ」
グリストは皮のバックから地図を取り出して考えはじめた。
「一つ気になる事がある…先程の襲撃だ。これは仮説だかエルフはハヤトが異世界人だと気づいている…」
ミリーがハッとして前のめりになり話す。
「だから!!さっきはハヤトを捕まえにきたんだね!エルフは美食家が多いし料理にはうるさいからね!」
いや…多分違うと思う…と思ったのは俺だけじゃない…やれやれとした顔でグリストがミリーの顔を鷲掴みにして後ろに下げると話を続ける。
「ハヤト…ここまで来るのに身体に変化はなかったか?例えば力がみなぎったり…何か特別な事ができたり…」
ハヤトはハッとなりグリストに答える。
「そういえば、恐ろしいほどの筋肉痛があったな…」
あとは…俺のムスコもすこぶる調子がいい…
「ゴブリンと戦闘した後に腕力が上がった気がする」
ロンドが後ろから小声で冷静に話してきた。
「これは俺の経験則だか…ハヤトに渡した剣は人間では扱えないと思う…だか、俺が渡した時ハヤトは軽々と取り扱っていたから間違いないと思う。扱えない時は代わりの剣を準備していた…あまりにもしっくりきたからそのままにしておいたが…すまんハヤト」
冗談のつもりで渡したらマジで使えたから、ロンドはドン引きだったのか…それ…ある意味ヤバいやろ…
「つまりハヤトの能力は《怪力》か…」
グリストはハンスを見て意見を求める。
「異能の種は使えば使うほど花開く。そして土に還帰る」
ハンスがそう言うと続けて話す。
「つまりはハヤトさん、ハヤトさんも私と同じです…使い所は気をつけないとですね…」
俺はハンスを見て寒気が身体に走った。そこにミリーが飛びついて来た。
「ねぇ〜お腹減った〜ご飯まだ〜」
どうやら今日は俺が食事当番らしい…料理人の能力がよかった…
ここまで読んでいただきありがとうございます。
読みにくい事も多いと思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。




