国境越え④不死のロンド
ロンドがゆっくりと腰を下ろして落ち着いた声で話を始めた。
「俺は皆みたいに特に秀でた才能はなかった。ただ、あの時は死にたない一心で戦ってた」
ロンドはうつむきながら話を進めた。
「エルフとの戦いはそれは酷かった…俺は矢の雨に打たれて瀕死の重傷だった。当時、国はある実験をしていてな…俺はその実験体に選ばれた。」
グリストが一瞬ロンドを見つめ、背を向けたのを俺は見ていた…
「魔物と人間のキメラ実験だ。俺は唯一の成功体だ。異常な回復能力と腕力がある。ただ…代償もある」
ロンドは顔を上げて、ブーツを脱いで脚を見せてきた。それは足先から膝下まで緑色に変色しており、肌も鱗状になっていた…
「驚いたか?魔物の血が強すぎてゆっくり浸食されていき最後は魔人になるって話だ…」
俺は何も声が出なかった…
「そんな気味の悪い、ましてや何時怪物になるか分からない奴を隣にいさせたくないだろ。副団長は違った。あの人は笑って俺を迎入れてくれた。そして、どんな戦いでも俺の隣で戦ってくれた人だ。俺は…」
続きを言いかけたが、ロンドは笑って俺を見てきた。
「暗い話になってすまない…ただ最後はちゃんとケジメはつけるから安心してくれ!」
ミリーが泣きながらロンドに抱きついていた。
「ミリーはロンドが大好きだよ!!怪獣になっても好きだからね!」
ロンドが照れながらミリーを剥がす。
「おい!ミリーが泣くのかよ!お前には話しただろ!ハヤト!見てないでミリーを剥がしてくれ!」
俺はニヤニヤしながら動かないで見ていることにした。
暗い過去があってもこのチームは家族なんだなぁと思い少し羨ましかった。イチャつく2人を剥がそとハンスが加わり乱闘みたいな騒ぎになったところにグリストが声を掛けた。
「おい!ミリー!いい加減にしろ!離れろ!」
ミリーが楽しそうにロンドに抱きついている。
すると、エミリアが俺に話しかけてきた。
「皆さん、つらくて悲しい思いをしてきました。だからお互いの気持ちがよくわかるんです。私はそんな皆さんが大好きです。ハヤトさんも、私たちを信じて本当の事を教えて下さい…」
俺はまだ悩んでいた…自分がこの世界の住人ではないと皆に言うべきか…




