エンツォ隊
ミリーを振り解き、必ず行く約束をして何とかしのいだ…ミリーはふてくされながら部屋に戻って行った。
俺はハンスから隊の仕組みを教えてもらった。
まずはフロスティア正規軍があり騎士団は軍の中では精鋭部隊だそう。エンツォ隊は精鋭中の精鋭部隊。王の直轄でもある為、他の指揮系統とは異なるそう。
騎士団長は騎士団をまとめる為直属部隊はいないが、その代わり厄介事をエンツォ副団長が全て引き受けている。事実かなりの手腕で団長よりもすごいとかなんとか…
あと、魔術師について聞いてみた。
魔術については極秘らしい。一つの国に数人しかいない為、魔法の存在はあまり周知されていないようだ。何だかんだと聞いていたらすっかり夜になっていた。
俺はミリーとエミリアの3人で飯を食うことに。
夜の街に出掛けるのは初めてだが、昼とは全然印象が違う。
ところどころで客引きの大きな声が聞こえ、町中からいい匂いがする…そんなのを気にせずミリーはある店に入っていく。
『今日はここにしよう!! たくさん食べて明日からもっとたくさん食べよう!!』
コイツは本当に食い意地が恐ろしい…店はどうやら焼肉屋みたいな感じだ…
『とりあえずはフロスボアの肉を5人前に〜グリーンベアのレバーを5人前と〜フローラビットの唐揚げを3人前に〜』
コイツ…ヤバイ…
『あの〜ミリーさん?これは流石に皆で食べきれないのでは…』
ミリーはキョトンとした顔で俺を見る。
『これは私の分だよ!!ハヤト達は好きなの食べてね〜あとね〜何にしようかな〜』
俺は呆気にとられているとエミリアが店員さんを呼ぶ。
『すみません…エールを1樽…お願いします』
はぁいぃ?この2人は頭がおかしい!!1人は暴食人1人は酒豪…
食事という悪魔の宴が始まり、しばらくするとエミリアさんが話しかけてきた…
『ハヤト〜貴様、酒が足りんのではないか?私が飲ませてやろう〜』
無理矢理、呑まされあっという間に時間がすぎる…
ミリーが食べながら話す。
『ハヤトはさぁ?好きな食べもの何?』
またその質問かと思うとミリーは続ける。
『ハヤトからは匂いがないんだよね〜何者なの?』
ミリーは食べながらこちらを見ている…コイツ…
俺はどう答えていいかわからないまま、オロオロしているとエミリアがグッドタイミングで絡んでくる。
『ハヤトの匂い?そんな事はどうでもいいんだよ! 何なら酒の匂いに染めてやろうか!おら呑め!』
このキャラ変にも慣れてきたか、キレイにあしらいつつエールを呑む。ミリーはあきめたのか食事を続けた。
気がついたら寝ていたようで、ミリーとエミリアの姿がない。もう店じまいの時間なのか店主が睨んでくる…
『お客さん!あんたコレ!払えるんだろうな!』
伝票を見ると会計は金貨20枚……店主は涙目になりながら話してくる。
『あの客はもう出禁だ!店の食い物と酒を全部持って行きやがった…しばらく休業だよ…』
俺は店主の肩を叩きながら金貨20枚とさらに10枚追加して払った…
『あんちゃん…あんた男だよ。』
俺は誓った。2度とやつらとは食事をしないと…
朝日が眩しく感じるなか、殺意も芽生え始めた。
俺はフラフラの足で宿舎に帰るのだった。




