フロスティア騎士団②
結局あれこれ入団手続きがあり、ヘトヘトになった俺はハワード氏の屋敷に戻った。
『疲れた…』
嘘を重ねて何とか乗り切ったが…流石に異世界から来た男です!!とは言えないからな…
頭おかしい奴と思われたらヤバいし…まぁ何とかなったから大丈夫か…
とりあえず今日は寝よう…
気づけば朝になっていた…朝食を済ませてハワード氏に挨拶をしなければ…ハワード氏の書斎に向かう。
『失礼します。ハヤトです。』
ハワード氏が慌てて出てくる。
『ハヤトさん! 昨日は大丈夫でしたか? 心配してたんですよ! 結果はどうでしたか?』
俺は一から説明し今日から騎士団に入団する事になったと伝えた。
『という訳で今日から駐屯地にお世話になります。今までありがとうございました。何から何までありがとう…』
ハワード氏は嬉しそうに、そして少し寂しそうな顔で話してきた。
『ハヤトさんには色々助けられました。これは社交辞令ではなく、貴方ならいつでも歓迎いたします。何か困った事があれば何なりとお申し付け下さい。ご武運を…』
そう言って別れを済ませて駐屯地に向かった。
駐屯地に着くと、見知らぬ男が正門で待っていた。
騎士団とは程遠く、武闘派ではない痩せた男だ。
『あっあの〜 本日から入団されるハヤトさんですか? 私はフロスティア騎士団第3独立部隊エンツォ隊のハンスと申します。今日は私が色々ご案内させていただきます。まずは、皆さんお待ちなので我が隊の宿舎にご案内します』
ヘロヘロな感じで頼りないが大丈夫だろうか…少し不安ながら宿舎に向かう。中々大きな宿舎だ。いやこれは宿舎と言うより屋敷に近い。
『まずはハヤトさんの部屋に案内しますね。』
1人1人に個室があるの!!ちょっと待遇良すぎやないか?更に不安になってきた……
部屋に荷物を置くと食堂に案内された。
そこには男が2人。女が2人。それぞれ賑やかに話をしてくつろいでいた。ハンスさんが皆に声を掛ける
『みなさん、今日から……』
ヒョロ男ハンスさんを押し退けて女が飛びかかってきた。何やら匂いを嗅いでいる…下から顔にめがけて……
『あなたがハヤト!? いゃ〜会いたかったよ!!私は斥候担当のミリー!!あのクソ野郎を一撃で仕留めたんだよね!!見たかったなぁ〜あっ好きな食べ物は?私はね〜』
ミリーの首根っこを掴んで優しくどける。かなりの大男だ。
『いや〜すまない。コイツは匂いフェチで食い意地がすごい食い物には気をつけなよ。俺は前衛担当のロンドだ。ハヤトとは仲良く出来そうだ。宜しく』
やれやれとした顔でその場から動かずに腕を組みながらスマートなイケメンが挨拶してきた。
『皆、君に会いたがってたんだよ。俺は中衛担当のグリストだ。主に援護や物資調達が仕事だからなんでも相談してくれ。そして端でモジモジしてるのが…おい!エミリア!頼むから自己紹介くらいは自分でしてくれ!』
そう言うとモジモジしながら近づいてくる。
いや近づき過ぎ…ブツブツ言いながら自己紹介を始める。
『衛生兵のエミリアです。宜しくお願いします。』
最後にハンスさんが出てきて再度自己紹介する。
『改めて挨拶致します。後方支援担当の魔術師ハンスです。宜しくお願いします。』
!!魔術師!?魔法があるの?この世界すご!!
そうすると階段から手を叩きながら話かけてくる。
『我がエンツォ隊にようこそ!!僕には会ったよね騎士団副団長のエンツォだよ。僕らは軍の中でも独立部隊!!更に騎士団の中では精鋭中の精鋭。君には期待してるよハヤト君』
みんな笑顔で迎え入れてくれた。クセはすごいがいいチームなのは間違いない。そしてチームと言うより家族に近い感じだ。
『ハヤトは主に前衛のアタッカーとして活躍してもらうよ。我が隊はそれぞれのエキスパートが揃っている。何か聞きたい事があればハンスに言ってくれ。グリスト!ちょっといいかい?』
そう言うと副団長とグリストは2階に向かった。
『ねーねー。ところで好きな食べ物はなーに?ご飯食べに行こ〜エミちゃんも一緒に行こ〜』
グイグイ袖を掴まれながら外に連れ出そうとする…
ハンスとロンドは見ないフリをしている…
嫌な予感……この予感は的中する。
賑やかな隊なのは間違いない…




