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川名 光弘 の物語>出会い 2

 転入後から、俺は誰にも興味を持たないよう、深くかかわることがないように日々を過ごしていた。

 だが、なぜだろう。

 真也たち3人を見た時から、彼らの存在だけが、ひどく気にかかった。


 クラスの女の子に囲まれて動けずにいると、さりげなく助けてくれる都古。

 近くを通る時、必ず俺に声をかけていく真也と勝。

 自分でも理由はわからなかったが、気づけば目が思わず3人を追ってしまっていた。


 もしもあんなことが起きていなければ・・・・・。

 俺にも、あの場所で共にふざけあったり、笑い合う日常が許されていたんだろうか。

 ふとそんなことを考え、俺は慌ててその考えを振り払った。

 「もし」なんて絶対にありえないんだ。

 そもそも、あの事件がなければ、俺がこの学校へ転校することにはならなかったんだろうから。


 姉さんを失ったあの日から、俺の周囲では不幸に合う人が相次いだ。

 親しい人や友人たち、俺を心配してくれている人たちが次々と原因不明の病気に倒れていったのだ。

 そんなことが短期間のうちに5人以上続いたことで、俺を気にかけ声をかけてくれていた大人たちも、さすがに気味悪がり噂し始めた。

 母さんが倒れたのは、まさにそんな時だった。


 最初に異変に気付いたのは、買い物から帰ってきた父さんだった。

 庭先で倒れている母さんを見つけ、父さんは母さんの名を叫び駆け寄った。


 父さんの叫び声を聞き、隣近所の人たちが驚いて集まってくる。

 おしゃべり好きの隣のおばさんが、母さんが倒れていることに気づくと、すぐに救急車の手配を始めた。


 そんな中、母さんはうっすら目を開き、俺を指さしてかすれる声で言った。


 「あんた・・・だったのね。あんたが、楓乃子(かのこ)を殺した・・・・・。許さない。・・・・・絶対に許さない・・・から。」


 苦しそうな表情でそう言ってから、母さんは意識を失った。


 運ばれた病院でいろんな検査をしたが、おかしなところはひとつも見つからない。

 それなのに、それから母さんは一度も目を覚まさないのだ。

 母さんが倒れた日を最後に、ついに俺に近寄る者は誰1人としていなくなった。

 家の外に出れば、近所の人たちの心無い噂話や視線が突き刺ささってくる。


 姉さんを失い、友人を失い、そして母さんも失い・・・・・俺は独りになった。


 仕事と母さんの見舞いでほとんど家にいられなくなった父さんも、俺にかかわることはほとんどなくなった。

 だが、父さんはこんな俺のことでも近くに置いておきたいと思ってくれているのだろうか。

 仕事場近くにあるマンションへ引っ越すと告げられ、俺は引っ越しと同時にこの学校へと転校することになったのだった。

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