第六十七話 奈落の底ーー回向
『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜
主人公櫻子とヒロの出会い編スタート!
毎日18時更新!
時系列
〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜
〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意
〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜
私が反応して、腰の神器に手を伸ばそうとするのをヒロが止めた。
私は、ヒロを睨む。
首を横に振るヒロ。
「何故だ?伝達者……しかも一部のものしか知らないはずだ……」私は眉を顰めヒロを睨みつけた。
「いい判断やわぁ。櫻子ちゃん」そう言うと店に戻り、煙管と灰皿を持ってくる。
「まぁ、タバコでも吸って落ち着きなぁよ」そんなことを話し、ふっと笑う。
砂時計の砂が落ちきる。
経子さんが魔法でグラスの中に氷を出す。
そうして、ゆっくりコーヒーを注ぐ。
冷蔵庫からサイダーを出し、同じように注いだ。
「はい。どうぞ」コースターの上に飲み物が差し出された。
私は、それを飲んでいいのか困惑する。
そんな様子を見た経子さんは、グラスを回し、私の前で一口飲んだ。
鬼喰いだ。仕草も洗練されている。先ほどから魔法を使っているから何となく気がついていたが華族か?
私は、とりあえずヒロを信じて神器から手を離した。
「あの……経子さんは華族なのですか?その……とても洗練された魔法を使うので……」私は疑問に思ったことを口に出す。
「あぁ……どうだかね?そうなんじゃないかな?」そう言って経子さんは煙管にタバコの葉を詰めはじめた。
「………苗字を伺っても?」
「苗字かぁ。しばらく使ってないけど。」そう言って煙管に火をつける。
「“サイトウ”そう名乗ることが多いかな」そうして、ふぅーと煙を吐いた。
サイトウ?そんな名前の一族はいただろうか?私は目を細める。
「難しく考えるなや。この人はこんな人なんや」隣でサイダーを飲みながらヒロがそんなことを話す。
「そうそう!私はいい加減でねぇ。今のもまぐれ当たりと思いなぁ」そう言ってまたニヤリと笑って煙管を燻らせる。
「俺も吸ってかまんですか?」ヒロが尋ねた。
「未成年やろ?」経子さんが眉を顰める。
「成人して4年経ってますわ!」ヒロがタバコを出して、火をつけた。
「もうそんなに経つかぁ?」経子さんがコーヒーを一口飲んだ。
なんかそんな様子を見て、この人を疑うのが馬鹿らしくなった。
「先ほどは、申し訳ありませんでした。私もタバコ……いいですか?」そう話しかける。
「ええで」短く許可をもらった。
「で、経子さんはどこまで知ってますの?俺らの事件?」ヒロが煙を吐きながら話す。
部屋の隅においてあった魔道具が稼働した。空気が綺麗になる。
「何も知らんよ。人魚と誘拐だけ」そう言って、カツンと音を立てて煙管の灰を落とした。
「でも、紀州ということが気になって」私がそう話す。
「う〜ん……他の地域で人魚の事件は?」経子さんの青紫の瞳が光る。
「若狭国と会津領北方と尾張国高蔵寺町の被害が若干目立ちますが、他にも琉球と蝦夷以外は全国各地に……その中でも紀州が一番酷いです。」そんな説明をする。
「徳田の坊やは動いてないのかい?」経子さんが呆れながら話す。
……徳田さんを知っているのかな?でも、坊やって…。
「オロチの隊長の徳田さんですか?動いていますが…。彼の方は力技なので……」
「上に立ったんだから頭動かさないといけやんのに困ったねぇ」そうやって顎に手を置いて考え込む経子さん。
「紀州には高橋ちゃんがおるだろう?」経子さんがそんな事を話す。
「高橋女史のことですか?」私が聞く。この人は内宮の事情をどこまで知っているのだろう?
「あぁ、あの子は地元が好きやん。それで、離れないやろ?やっこさんは、そこに目をつけたんとちゃう?」経子さんがそう話す。
「高橋女史を狙っているんですか?」私が目を見開いて話す。
「ちゃうちゃう」手をひらひらとして私の答えを否定する。
「櫻子ちゃんは……高橋ちゃんの結界。破る自信あるかい?」そんな問いが投げかけられる。
高橋女史は、1000年以上生きた魔術師だ。あの人の結界を破るなんて今、生きている人間には無理だ。
「いえ……魔力がいくらあっても足りません」私がそう答える。
「そうやんな。あと、大和の人魚と聞いて何が思い浮かぶ?西洋の人魚と違う点」また、経子さんの目が光った。
「それは、もちろん不老不死……」そこで気がついた。
「もしかして……」一つの答えが導き出される。
「賊は大和で人魚の肉と大和人を使って不老不死の研究をしている?……そう仰いたいのですか!?」私が経子さんの青紫の瞳を見返す。
経子さんがにぃと笑った。
そうして、コーヒーのグラスを傾ける。
「かもねぇ。知らんけど」そんなことを言う。
「知らんはずないじゃないですか」ヒロがタバコを消しながらつまんなそうにしてる。
「だって、ホンマに知らんもん。会った事ない賊やし」そんな事を話しながら足を組み組み替えた。
「まぁ、私から言えるのは……人の欲とは、愚かな方に転ぶ時は、本当に転がり落ちるように下に行く。それは、私たちの考えの遥か下の方、奈落の底にある考えだね。」そうして私を真っ直ぐ見る。
「その深さは地獄道の最下層にある無限地獄より深いだろう。……そんな奴の理に引っ張られないようにしいや」
どういう意味だろう?
【無限地獄】
五逆罪を犯した罪人が行く地獄……。
父を殺す。ーーーなりそこないになった父を討伐。
母を殺す。
聖職者・阿羅漢を殺す。ーーー紀州の魔術師を殲滅。
仏の体に傷をつけて血を流させる。ーーー内乱で遺体を弄び、仲間内に見せていた。
団体の和合を破壊し乱す。ーーー結果、尊術派は一掃されたが……内宮はまとまりが悪い。
私は四つも罪を犯している。
部屋が暗くなる。影が強くなった。影から手が伸びる。
その手は血に濡れて赤黒い。人影が現れた。白い狩衣…それが真っ赤な血で染まっている。
虚な目が私を捉える。顔の力が抜けて口がだらしなく開いているのに、手の動きだけは力強く私を捉えている。
その手が私を捉えようとする。
私の目の前まで数cmという距離。
【バケモノ姫様!】
【凍血の鬼姫】
ーーーーパチン!
経子さんが指を鳴らした。
意識が戻る。コーヒーとタバコの匂い。暖かな午後の日差し、隣にはヒロ。
ヒロが私の顔を覗いて訝しかる。
正面を見る。経子さんの青紫の瞳が悲しそうだ。
「人は生きている間に回向ができる。櫻子ちゃんは導かれているんだ。大丈夫や」
そんな言葉をもらった。
私の罪は、私が生きている間にその罪を上回る回向ができるのだろうか?
そんな事を考えてしまった。
◇◇◇
斎宮古書店を後にして、軽く食事をとった。
今日だけは、櫻に晩酌を少し我慢してもらう。
「後で、ホテルで宅飲みしよ!な!」と言ってこのアル中合法ロリババアの機嫌を整えつつホテルにチェックインした。
今日は、演習お疲れ様会ということで普通のホテルだ。
部屋に入り、お互い大浴場へ行って汗を流す。俺は、自衛官仕込みの手早い動作で体を洗い部屋に戻る。
そうして、ご褒美タイムの準備をする。
ベッドサイドに真新しい……を置く。ラブホのはキツイんだよな……。櫻とセフレになってから持ち歩くようにはしているが……。
俺は、なるべく平常心を装う。
コスプレとか興味なかったが、最近、恥じらいがなくなってきた櫻の面白い姿が見られるかもしれん。
ニヤける顔を抑えるためにテレビをつけて意識を逸らす。
しばらくすると、ガチャリとドアが開き櫻が風呂から帰ってきた。
髪の毛をポニーテールにまとめている。ええ感じやん。
そして、部屋にいる俺を見て一言。
「ヒロってお風呂早すぎない?洗ってるの?」そんなことを言う。
「自衛官の癖や!官舎の風呂でのんびりしていたら次の班のやつにどつかれるわ!」そう返事する。
櫻は部屋着のTシャツにゆったりとしたルームパンツを着ている。
「よし!櫻!今度は俺の言うこと聞いてもらう」俺は櫻の目の前にきて話す。
「………もう、終わったやん。私もヒロの話を聞いてお酒飲んでへんで」櫻がむくれる。
「櫻子姫様ぁ、夜はこれからですよぉ!」そう言って櫻のTシャツを脱がす。
黒いセクシーなブラをしてる。なんや。櫻も準備してるやん。
「わぁ!いきなり何!?」櫻が胸を隠す。
「じゃ、自分で脱いで、これ着て」そうして俺のカッターシャツを出す。
「はぁ?何これ?」俺の手のシャツを見て困惑する櫻。
「俺のカッターシャツ」
「それは見たらわかるわ!」そう言ってむすくれながら俺からシャツを奪うと頭から被った。
狙い通り!ブカブカな感じがいい。
「下も脱いでや」ルームパンツを指差す。
顔を赤面しながらルームパンツを脱いだ。
白いカッターシャツに微かに黒いブラとショーツが見えていい!
「もうええやろ!十分やん!」そう言って自らベッドに入る櫻。
「櫻子姫様……なんでも言う事聞くんですよねぇ?これつけてもらいますよ」そう言って俺は猫耳型の魔道具を出した。
そして……尻尾も。
それらを見て顔を赤くしながらギョッとする櫻。
こんな、表情なん久々やぁ!
出会ったばかりの頃にエロ絡みしていた時の事を思い出す。
「………いや…そんなん……恥ずかしいし………」櫻がベッドサイドまで後ずさる。
「なんでなん?ヘッドホンには猫耳ついてるやん。だから猫にしたのに……櫻が好きそうな」そう言って壁際まで追い詰めて壁に手をつき櫻を見つめる。
「っ!?」耳まで真っ赤になる櫻。
「今日は、言うこと聞いてもらうで」
そう、こんなこともうできないんだ。櫻が結婚したら……今だけやし。
だったら楽しもう。少しだけでも。
櫻の目が揺れる。そこに問答無用で猫耳の魔道具をつけた。
白猫の耳がぴこぴこと動く。
よし!成功だ!今度アダルトショップに売り込みに行こうかな?
「何これ?」櫻が猫耳を後ろに倒しながら自分の頭を触る。
「どうやぁ!俺特製の感情で動く猫耳はぁ」櫻の顎をクイッと持ち上げる。
猫耳が驚いてピンと立つ。大きな垂れた目に猫耳が似合う。帝王緑の瞳が揺れる。
「ヒ……ヒロ!恥ずかしいよ!」
「その格好で外に出ようって言わないだけありがたいと思ってほしいけどなぁ」櫻の顔ギリギリまで己の顔を近づける。
「それとも……猫耳やめてキスするか?」
櫻の猫耳がピクピクと動いた。
「そんなことしたら……私……。」そうして、後ろに倒れる猫耳。
そうですね。まぁ、いい。今は、俺の女だ。
「嫌なら猫耳やなぁ!」そう言って櫻の体を持ち上げるとベッドに押し倒した。
回向・・・自分の前項の功徳を自分や他者に振り向けること。功徳によって悪業を和らげようとする点
でも、浄土真宗なんかは慈悲(他力)なので「自分の力じゃ到底清らかにならない」だから阿弥陀仏の慈悲の心で救われるって考えですねぇ〜。
まぁ、確かにごめんなさい。改心します。みんなに優しくします。だけで罪が償えるかって言ったら傲慢に聞こえるし。
自業自得精神で自分の罪の浄化するもの一つの生きる道だし、多種多様ですわ。
何事にもほどほどですな。
そして、真面目パートの後のエロバカパートが止まんねー!!!
ぽんぬこそ大焦熱地獄に落ちますね!!




