第五話 合法ロリババア令嬢と髭の無頼男
『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜
主人公櫻子とヒロの出会い編スタート!
毎日18時更新!
時系列
〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜
〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意
〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜
そして、リビングにダイニングテーブルを出して俺らは向き合って食事をしている。
食べ方で華族と言うことを思い出させる。
背筋の伸びた姿勢。
綺麗な箸の持ち方。
小鳥のように啄む。
口を大きく開けない。
そんな様子を観察していたら…。
「大夢君…。」
「なんや?」
「肘をつかない!そして!箸の持ち方!」静かに箸を置いたアイツが語気を強める。
「あぁ?アンタには関係ないやん。食べれたらえぇんよ。」
「よくない!それに相手を呼ぶ時に“アンタ”は相手に敬意を持っていない!私は伊達櫻子だ。どちらでも良いので名前で呼ぶべきだ!」教師みたいな事を言ってくる。
あ!こいつ教師や…。
「えぇやん。ここには俺とアンタしかおらんのだから。通じたらそれでいいんよ。」
細かい事気にして生きてますなぁ。
「ロッキーは、櫻子をちゃんと櫻子と呼びましゅ!」そこにロッキーが参戦してきた。
そっちの味方かいな。
「ほら。ロッキーの方が賢いぞ。」味方が増えて嬉しそうだ。
「じゃ、櫻って呼ぶわ。“さくらこ”って長いねん。」
「できれば、櫻“さん”までつけほしいがまぁ良いだろう…。」
そして、櫻は食事を終えて、着替えを持ってバスルームへ向かった。
「覗くなよ。」そう短く言うと脱衣所の扉を閉める。
それは、覗いてくれってフリですか。
俺は、認識阻害魔法機に魔力を込めた。
そうして、透視魔術具でシャワー室をーーー。
櫻とバチっと目があう。
扉が開くと前を簡単にタオルで隠して吹雪を出してきた。
「……大夢君。」
「……何ですか?」
「次に同じことをしたら、氷嵐をあげよう。」
「わかりました。気をつけます。櫻子さん。」
バタン!っとシャワー室の扉が閉まる。
でも、今晩のおかずはできた。
案外、良い体しているじゃないか。
櫻も頭の中まで氷嵐を繰り出してはこないだろう。
◇◇◇
次の日。
私は、大夢に紀伊の結界を教えた。
「ここは、紀三井の寺院があるから結界が頑丈だ。それに要の三社があるから、簡単な結界に関しては貼り直すだけで十分だな。」地図を見せながら説明する。
「じゃ、なんで妖や魔物が悪さしてねん?」大夢が尋ねる。
「分からない。」
「は?」
「分からないんだ。」
「なんやねんそれ。」
「私も初め、紀州に配置と聞いて、表向きの仕事だけして、のんびりできると思ったのだ…。徳田さん、中央騎士団の団長もそのように言って…。少しゆっくりするはずだった。」
「……。」大夢が神妙な顔でこちらを見てる。
「それが…。結界は頑丈なのに妖や魔物が凶暴化している…。一人では、捌ききれなくて大夢君をバディとして迎えた。」
「警ら伝達者は?」
「先日、2階級特進した。変わりはまだ配属されていない。」
「ここも戦場かいな。」そう呟く大夢。
「我々がやる事は妖が暴走したら排除。対話できるなら対話でどうにかしよう。」そう言ってその話を終わらせる。
そうして、大夢の顔を見る。
そのあごに生やしている髭を剃ってくれないかな。
まだ、24歳で若いはずなのに男臭すぎる!
私は、心の声をグッと堪える。
そこへロッキーがやって来た。
「櫻子は大夢の髭を剃って欲しいって思ってましゅ!」
「ロッキー!それは、今は関係ない!」
「はぁ?」大夢の目尻がピクピクと動く。
「ウルセー!合法ロリババア!って大夢は思ってましゅ!」
「ロッキー!」大夢がロッキーを怒鳴りつける。
ロッキーが揶揄うようにどこかに行った。
私はため息をつく。
「すまん。変な事を考えて。」私は大夢に謝る。
「えぇよ。」そう言って自分の髭を触る大夢。
気にしちゃったかな?
それよりも…。
「大夢君に教えておかないといけない場所があるんだ。」
私は、そう言って仕事部屋の押し入れを開けた。
中には、階段が下に伸びている。
私は手招きをする。
大夢が私の後に続いて階段を降りる。
「任務をするにあたり、訓練をしないといけない。」
そうして私は扉を開けた。
「ここが簡易的な訓練場だ。今日からここで訓練したいと思う。」
そう言って大夢に訓練場を紹介した。
2階級特進をわからない人の為に補足しますね。
任務中に霊世へ旅たったと言う意味です。
出世してどっかいったんとちゃいますからね。




