↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『菊理姫様!お導きを!』〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜  作者: ぽんぬ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/45

第四十話 華族のボンボンとラビリンス

『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜

主人公櫻子とヒロの出会い編スタート!


毎日18時更新!


時系列

〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜

〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意

〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜

応援要請が来た浪華からだ。


梅手ラビリンスが溢れそうだから手伝ってくれと…。


「櫻子はん!すまんなぁ!」浪華の伝達者である豊富が櫻に近づく。


「いいんですよ。豊富さん。困った時はお互い様なので。」櫻が完璧な笑顔で豊富に応える。


その笑顔はよそゆきのものだ。


豊富が俺を見る。


黒髪にカラコン。派手な見た目の男やな。


「あんたが、櫻子はんの仕事仲間?」ぶっきらぼうに話しかけてくる。


「田中大夢だ。魔道具職人。」


「魔道具職人?えらい変わった伝達者やな。」豊富が言う。


「はぁ?アンタ。俺が申請したら真っ先に落としたやん。」


「知らん。人事の選考は側仕えに任せてるから。」


ボンボンかよ。確かこいつは公爵家だったな。


「うちの梅手ラビリンス、結構難易度高いけど大丈夫なん?」豊富がバカにしてくる。


「豊富さん!うちのヒロは元傭兵だからすごく強いですよ。」櫻が説明する。


その言葉に驚く豊富。


そして、俺をギロリと睨む。


「まぁ、行こうや。」豊富が歩きはじめた。


梅手ラビリンスの前には管理人のマキがいた。


赤と黒の地雷系ファッション。ツインテール。


マキは、力を抑えるのに必死なのだろう。


カッターナイフで自分の手首を切り刻んでいる。


ラビリンスの入り口は開きかかっていた。


「これは、急がないといけないな。」櫻が一瞬で仕事モードに変わる。


俺らは、認識阻害魔法を使いラビリンスに入る。


本来の一階層ではないフロアが広がっていた。


浪華の有名な観光地の街並み…。十階層フロアだ。


「とりあえず、ここの中ボスとフロアボスを倒したらなんとかなりそうや。」豊富が話す。


俺は、マジックバックから自分の装備を出してつけた。


プレートキャリアやベルト、コンバットナイフなどを体に素早くつける。


それを豊富が好奇心旺盛な目で見てきた。


最後に20式小銃を出した。


「わっ!ヒロ!それ、ホンマもんなん?」豊富の目が輝く。


「本物ですよ。妖を倒せやんじゃないですか。銃弾は俺の特性ですけど…。」


「えぇな!撃たせてや!」


「素人が撃ったら危ないんでやめてくださいよ。」俺は、呆れた。


「えぇやん!ヒロのケチ!」豊富がむくれる。


「それとその“ヒロ”っていうの、やめてくださいよ。」


そう言うと俺はゴーグルをつけてネズミの魔道具を放つ。


「なんで?櫻子はんは良くてなんで俺はあかんの?」


「……櫻とはバディなんで。」


そこで、豊富が口元に手を置きながら俺と櫻を交互に指差してきた。


「え!櫻子はん…と、ヒロって…。」


「豊富さん!私たちはそんな関係ではないですからね!」櫻が完璧な笑顔で否定する。


「そうですよ。仕事仲間です。」


“体の関係も持っているけどな。”そう心の中で呟く。


俺が魔道具でマッピングする。


「中ボスは、この角を曲がった所やな。櫻どうする。」


「そうだな…。私が氷嵐アイスストームを撃つから援護してくれ。」


「了解。」


俺たちは目標に近づく。


「目標まで1m。」短く報告する。


「行くぞ!」櫻が角を曲がると氷嵐アイスストームを放つ。


俺が、小銃を構えて撃つ。


牛鬼が悶える。


少し、厄介だな。


手榴弾を投げ込む。


牛鬼から咆哮が上がる。


「ヒロ!」櫻が俺を呼びながら叫ぶ。


手で踏み台を作る。


櫻はそれに足をかけてきた。


「「3・2・1!」」


俺と櫻がそう言ってカウントする。


俺が櫻の体を持ち上げる。


櫻は体を回転させながら、神器のハサミを日本刀ほどの大きさにして牛鬼の首に切り掛かる。


ゴロン。


牛鬼の頭が落ちる。


「これは、いい材料になりそうやな。」俺が呟く。


魔物用のマジックバックに牛鬼を収納する。


「俺、いらんやん。それにそんな物持って帰ってどないするの?」豊富が尋ねてくる。


「解体して魔道具にするんすよ。」豊富を見る。


「……え?」豊富の目が見開かれる。


そこで俺の素性に気がついた様子だ。


「なんなんそれ!めっちゃワイルドやん!」そこで笑う豊富。


こいつも意味がわからない奴やな…。


そして、俺に近づき肩を組んできた。


忌守いもりか?」小声で尋ねる豊富。


「それが何か?」こちらも小声で。


「伊達先輩には話したんか?」


「初めに会った時に。」


「ふぅん。」


そこで、豊富が離れる。


「櫻子はん!次は俺も戦うんでよろしゅう。」


豊富が櫻の隣にピッタリとくっついた。


そして、俺の後ろを歩く。


そう言うことか…。


やっぱり、華族って嫌や。


俺の後ろには豊富と櫻がいる。


数歩しかないのに俺たちの間には、高い壁があるようだ。


そうだ。


これが正しい距離感だ。


豊富が教えてくれた。


「ヒロ!」櫻が俺の隣にきた。


驚きで目が開く。


「どうしたん?」


「え?あかん?いつも隣やし。」櫻がキョトンとした顔をする。


後ろを見る。


豊富が驚きで立ち尽くしている。


そこで、気が付く。


「あかん!上や!」


小銃を構えて上を撃つ。


“おとろし”が豊富に長い毛を伸ばしていた。


一拍遅れて豊富が反応する。


豊富が神器の槍を突き上げて雷魔法を出す。


しかし、おとろしの髪の毛に吸い込まれる。


「櫻!おとろしは魔法攻撃がきかん!」


「わかった!」


櫻が菊理姫様の糸をつけるとハサミを飛ばして切る。


おとろしの顔が見えた。大きい目と口。牙などは櫻の胴体ほどもある。


そこに俺が小銃を当てる。


「豊富さん!顔を突いてください。」


豊富が顔を突くが弱い。


舌打ちを打つ。


魔法ばかりに頼っているからや!


俺は、足の魔道具に魔力を込めて飛行魔法を使うとコンバットナイフをおとろしの目に突き立てる。


おとろしから悲鳴が上がる。


「ヒロ!避けて!」


俺は、素早く避ける。


櫻がハサミでおとろしを真っ二つにした。


ふぅ。


また、お宝ゲットだな。


俺は、呆然としている豊富の神器の槍を見た。


「豊富さん。その神器見せてください。」


「え?あぁ。」豊富が神器を差し出す。


「磨いているけど…。他の手入れしてませんね。これやと神器の力の半分も出せてへんですよ。」


俺が、槍の穂先や柄などを見ながら言う。


「わかるんか?」


「俺を誰やと思ってるんです?」豊富を見る。


「専属の魔道具職人おらんのですか?」


「側仕えが手入れしてくれるから…。」


「それだと磨いているだけで手入れと言えんですよ。」


「なぁ、ちゃんと手入れしたらヒロみたいに動けるか?」豊富が尋ねてきた。


「それは、わからんですが、少しは動けると思いますよ。」俺は、豊富を見た。


「紹介してくれへん。魔道具職人。」


「俺の兄貴でよかったら。俺より腕落ちますけど…。」


「なんやそれ。随分自信があるんやな。」


「俺は、これで生き延びてきたんで。文字通り。」


そこで豊富が笑った。


「おもろい奴やの。飯行かへん。櫻子はんも行きましょうよ。俺、ヒロの話聞きたいですわ。」そう言って俺の肩を組んだ。


「俺、ヒロに完敗や。」小さく呟く豊富。


「なんの勝負にですか?」


豊富を見る。


目が揺れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。