第三十九話 華族にもいろんな奴がおる
『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜
主人公櫻子とヒロの出会い編スタート!
毎日18時更新!
時系列
〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜
〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意
〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜
釣果はゼロ。
そして、セフレの強姦未遂事件とか俺には関係ない。
そう結論づいた。
ただ、仕事仲間が時々メンヘラになるのやめて欲しいな…。
なんか、マジで「今からメンヘラになりまーす!」って宣言してから発狂してほしいわ。
家に着く。
高級そうな革靴が揃えられてる。
えぇ、誰か来てるん?教えておいてくれや…。
あ!スマホの電源切ったの俺か。
こっそり、もう一回出かけようかな…。
「ヒロ!」櫻が顔を出してきた。
見つかったか…。
櫻の後ろからプラチナブロンドの魔眼のオッドアイの男性が出てきた。
記憶にあった櫻の父親といた人だ。
ザ・華族!って見た目してるな。
魔力量が高そうだな…。
逃げよう。
「お客さんがいるなら俺はもう少し暇潰してるな。」そう言って玄関を開けようとしたら櫻に手を握られた。
「逃げるな!ダメ狐!」
あ!お見通しですか。
「こちら、父の知り合いの三条奏公爵閣下。」櫻がさらっとすごい人を紹介する。
俺、こんなすごい人と関わり持ちたくないよ…。
「三条さん。こちらが私のバディの田中大夢君です。」
「田中君か、よろしゅう。」そう言って三条が手を差し出す。
「あぁ、俺の手いま汚れているので…。」そう言って握手を回避する。
手は釣り場のトイレで洗ってきた…。普段石鹸も持っている。
しかし、こんな位の高い人…。
そう言うと三条の方から手を握ってきた。
俺のこと説明してないのか?
「関係ないやろ。親友の娘をよろしゅう、田中君。」
それが俺と三条奏公爵閣下との初めまして。
そして、今後物凄くお世話になる櫻の保護者代わりの凄い人。
俺らは、せっかくなので三条さんに仕事の相談をした。
「ガータロと他の河童族の違いは耳や。」
俺は、先ほど櫻とまとめた妖図鑑を広げる。
ガータロの絵と特徴が描かれてるページをめくった。
そして、絵の耳を指さす。
「耳が大きくなって飛べる。それに他の河童族と違って陸にいれる時間が長いのも特徴的やな。」
「もし、人魚の里に入れるぐらい魔道具作るにしても職人よな…。出来そうな人知らん?」櫻が俺に尋ねてきた。
「出来そうな人を何人か知っとるが、やらんやろうな。」俺が言い切る。
「なぜ?」櫻が俺を見た。
「俺かてやりたないもん。明らかにガータロを大量殺人してそれで魔道具作れって。」
「倫理観が欠如したような、研究者タイプの職人ならどうや。」三条さんが尋ねた。
「どうでしょう…。俺も全員の職人を知っているわけやないんで…。」
「外国人が…。作っている可能性は?」櫻が聞いてきた。
「大和より技術が進んでおるから可能性はあるかもな。」そんな事を話したらガバッと櫻が前のめりになって俺を見た。
「やっぱり!大和の魔道具の技術は遅れているのか?」
「あぁ、そこまで大きくはないが俺のライフルや小銃なんかはステイツの技術や。あっちには魔術師以外に俺みたいな戦闘員おるし。」
「それは本当なのか!」次に三条さんが驚く。
「……はい。俺が20歳の頃に内乱が激しくなった時、内宮から『魔力の高い自衛官のリスト』を作れって伝達者をやっていた一佐の人が回って来たのですが…。内宮にも俺みたいな戦闘員おらんのですか?」
「おらん。私はヒロで初めてあんな闘い方を知った。」櫻が答えた。
「じゃ、なんの為に?」俺が三条さんと櫻を見た。
「多分、魔力補充部隊だ…。」三条さんが苦々しく言う。
「はぁ?」
「みながみな、私や櫻子君のように魔力が高いとは限らない…。魔力が尽きた魔術騎士に魔力を補填する。ついでに荷物や身の回りの世話。その制度を作って…。なんとか安宮派の内乱に勝った。その制度を作ったのが今の防衛大臣だ…。」三条さんが顔を歪ませながら話す。
胸糞悪い。
華族以外家畜かよ。
三条さんが顔を上げた。
「今度の演習!楽しみにしている!是非、君の戦い方を見せてくれ!それまでに田中君の軍服を用意しよう!」三条さんが俺の手を握って話す。
俺ら忌守もいろんな奴いるけど
華族にもいろんな奴いるんだな…。
この人になら色々相談してもいいかもしれん。
そうやって少しずつ俺の中で何かが変わりつつあった。




