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『菊理姫様!お導きを!』〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜  作者: ぽんぬ


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第十三話 バケモノと呪われた姫

『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜

主人公櫻子とヒロの出会い編スタート!


毎日18時更新!


時系列

〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜

〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意

〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜

スーパーに買い出しに来ている。


二人で日用品の買い出しなどを一緒に行かないと買いすぎたり、買わなすぎたりする。


そして、櫻に任せるとある物を適当に買う。


安いのや特売を買えや!


俺らは、ドラックストアの後に食品を買いに来たのだ。


肉コーナーを見てる。


俺が外国産の豚肉を手に取る。


「……あ。」櫻が小さく呟く。


「……なんや。」俺が櫻の顔を見る。


「そのお肉…。硬くて食べずらいんだよね。」櫻が何でもないように言った。


「あぁ!」


俺は、櫻の顔を掴む。


ほっぺたがむにっとなり人形のような顔が歪み、唇の形も変形する。


ちょっと可愛いな。


いかんいかん!


「節約するんやろう。」俺が櫻の顔を掴んだ目的を思い出して言う。


「……はい。」櫻が素直に返事をしてきた。


俺は、顔から手を離す。


両手で頬を摩る櫻。


何や。今日は大人しいの。


「あれ!伊達先生!」


細身の爽やかなイケメンが声をかけてきた。


櫻がさっと顔を作る。


「遠藤先生。こんばんは。」櫻が挨拶をする。


学校の同僚か?


「伊達先生もお買い物ですか?」


遠藤と言われた男がにっこり笑い櫻に話す。


そして、俺をチラリと見る。


「伊達先生そちらの方は?」


櫻の笑顔が歪む。


揶揄ってやろう。


「彼氏ですぅ。」俺が話す。


驚いて俺を見上げる櫻。


しかし、笑顔を明るくすると遠藤にこう言った。


「そう!彼氏の大夢君です。」そう言って腕を組んでくる。


腕に胸が当たる。


ラッキーおっぱい!


「彼氏がいるので、この前のお土産、申し訳ありませんがお返ししますね。では。」


そう言ってその場を後にする。


櫻が腕を離す。


「俺、いつから櫻の彼氏になったんよ。」


「仕方ないだろ。しかし、本当に助かった。あの遠藤という同僚はしつこくてな。最近の悩みの種だったのだ。」櫻が苦虫を潰したように話す。


「先日もお土産だからとピアスをくれた…。返しても返却を拒否して困っていたのだ。最近は、ずっとそのことを考えていたのだ。もういっそ呪ってやろうとも思っていた。」


さらっとおっかない事を言う櫻。


「へぇ。付き合えばえぇやん。」


「私の仕事と君をなんと説明したらいいのだ。それに気持ちのない人と付き合えんだろう。」


「お堅いなぁ。バンって付き合うかセフレになればえぇのに。」


「セっ!」


櫻の耳が赤くなる。


もしかして、こいつ元婚約者としか経験ないとか?


面倒くさそうな女だな。


そんな感じで買い物を終えた。


そして、また食卓で小競り合いして、訓練して、寝た。




◇◇◇




細い山道を車が駆け抜ける。


民家が見えてきた。


大きくカーブすると海が見える。


美しい浜辺が月明かりに照らされてる。


橋を何回か渡ると件の社が見えてきた。


大きなホテルの隣に朱色の社がある。


大夢は社の目の前にある駐車場に車を停めた。


「紀州の浜辺はどこも釣り人が多いのね。」


そう言って私は認識阻害魔法を使う。


「俺も暇があるなら釣りしたいわ。」


大夢がハンドガンのスライドを引いて、初弾をこめながら話す。


「……釣りするのか?」


「あぁ、やったことあるのか?」


「多分。」私が何と答えていいかわからず、曖昧に答えた。


「?」大夢が困惑してこちらを見る。


「父との記憶だから…。わからない。でも、三条さんの話だと多分やったことある…。」


変な空気にしてしまった。


言わなければ良かった。


最近の私は、おしゃべりだ。


自分の足元を見る。


「気が向いたら教えてやるよ。」


そう言って大夢が私の頭をポンポンと撫でた。


その手を払う。


「私の方が5歳も年上だ!子供扱いするな!」


腹が立つ!嫌いだ!こんな奴!


「いまだに年齢確認される合法ロリババアが何言ってんねん!」


「また、紀州巡礼道でかくれんぼする必要がありそうだな。」


「俺は、かまわへんで!次は、秒殺してやるよ!」


「今すぐにでも紀州巡礼道に行って、その減らず口を私のハサミで切り刻みたいが…。仕事だ!行くぞ!」


そうして車から降りる。


淡嶋の社に入っていく。


中には、招き猫の置物や信楽焼の狸が沢山置いてある。


そして、沢山の大和人形が社の回廊に安置されている。


大夢は狸を見て。


「おぉ、櫻がいっぱいおるぅ〜。」と言ってきた。


誰が狸だ!


「今は、任務中だ。集中したまえ。」私が睨みをきかせながら話す。


漆喰しっくいのなまこ壁の蔵に進む。


それを解除魔法で施錠を開ける。


中には大量の人形が安置されていた。


大和人形やビスクドールや市松人形などが置いてある。


奥の方に禍々しい魔力を感知する。


私は、神器のハサミに魔力を込める。


四方八方から視線が突き刺さる。


【あなた…。鏡が嫌い?】


脳内に声が聞こえる。


どれだ!どの人形だ!


【……素敵な記憶ね。】


ーーーーー。


目の前に鏡台がある。


私は、そこに座ってる。


鏡に自分が写ってる。白い肌。大きな瞳。癖のある髪の毛。


私の顔だ。


白いレースネグリジェを着て、お母様におぐしをブラッシンしてもらってる。


「本当…。魔力が高いわねぇ。」お母様の赤い口紅が鏡ごしに動く。


「バケモノね。……きっとあなたも“なりそこない”になるわ。」真っ赤な唇が私を見て言う。


乱暴に髪の毛がブラシに絡まる。


息ができなくなる。


【バケモノ。】


ーーーーーー。


「櫻!目を覚ませ!」大夢の声が聞こえた。


私は息をする。


大夢が私を抱き寄せる。


大夢の大きな体にすっぽりと私の体がおさまる。


「何してんねん!飲まれるな!」


そう言ってハンドガンを打ち込む。


私がいた所を見る。


人形の髪の毛が渦を巻いている。


私は、神器に魔力を込め、髪の毛を切り付けた。


中から赤い着物を着た大和人形があわれる。


赤い着物を着た大和人形に神器のハサミを突き立てる。


「バケモノ…。」


人形が最後に私を見て言った。



【バケモノ。】




社の前の自動販売機。


その前にしゃがみ、お茶を飲む。


私は、タバコに火をつけた。


しくじった……。


「……さっきは、ありがとう。」


隣で同じように甘いカフェオレを飲んで、タバコを吸ってる大夢に礼をいう。


彼は、自動販売機に寄りかかりながらタバコを吸っている。


「えぇよ。」ぶっきらぼうに返事する大夢。


いつも見上げているが…。


しゃがんで見上げたらさらにさらに大きく見える。


「……大夢君……私は、どう見える?」


「は?」


「私は、バケモノか?さっき人形がそう…。」


「そうか?」


大夢がカフェオレを飲む。


そして、タバコを一服した。


「俺には、合法ロリババアにしか見えやんけどな。」


「………さっきから、その悪口ばっかりだな。」


私もタバコを一服する。


私たちのタバコの紫煙が夜の海辺に溶けていった。

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― 新着の感想 ―
ご拝見させていただきました! 二人の会話のテンポが良くて、この2人めちゃくちゃ相性いいんじゃないかなって思いました笑 八話で櫻子が「私達はバディだ」って言うシーンは是非ともみんなに見てほしいと感じま…
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