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『菊理姫様!お導きを!』〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜  作者: ぽんぬ


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第十話 狸と狐の化かしあい

『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます。〜

主人公櫻子とヒロの出会い編スタート!


毎日18時更新!


時系列

〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜

〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意

〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜

私は、スマホのタイマーで1分間計れるようセットする。


「さて…。タッチして終わり…。では、つまらないな。そうだ!」


私は先日、大夢が買ってくれたマスコットを出す。


「これをお互いの首から下げよう。このマスコットを取ったら勝ちだ。大夢君は持っているか?」


私は、大夢を見た。


マジックバックをゴソゴソとする。


狐のマスコットが出てきた。


「菊理姫様の糸だと引きちぎれないな…。何かあるか?」私が、大夢に尋ねる。


「せやな…。これなんかええか。」


一本の鎖を出す。


太さもちょうどいい。


私たちはお互いそれを首にかける。


「じゃ、大夢君がこれを取ったら勝ちね。」


私が不敵に微笑みながら親指でチェーンをクイっとあげて狸のチャームを見せた。


「取られて泣いても知らんからなぁ。」大夢が挑戦的に声をかけてきた。


「じゃ、始め!」


私がタイマーのスタートボタンを押す。


大夢が目の前からいなくなった。


認識阻害魔法を使ったのだろう。


魔力探知もされないようにしているな。


腕がいいスナイパーのようだな。


タイマーを見る。


残り、30秒。


私に一発の銃弾が撃ち込まれる。


それをハサミで薙ぎ払う。


「なるほど。そういう作戦。」私が呟く。


また、銃弾が飛んできた。


ハサミで薙ぎ払う。


今度は、先ほどと別の方角だ。


タイマーを見る。


残り、20秒。


銃弾が様々な方向から撃ち込まれる。


それをハサミで叩き切る。


「10、9、8…。」私はカウントを始める。


火炎も降ってきた。


結界で弾く。


「3、2、1。かくれんぼ。スタート。」そう言うと認識阻害魔法をかける。


10メートルほど先の岩陰に魔力の揺らぎを感じた。


そこか。


私は、飛行魔法で一気にそこまで飛ぶ。


岩の裏を覗く。


魔道具があった。


ーーーー。


私の頭目掛けて弾丸が飛んできた。


そちらが本物か?


身体強化魔法で視力を良くする。


2000m先の木の上から、大夢がスナイピングしているのが見えた。


「みいつけたぁ。」


私は、大夢を見失わないようにそちらに移動する。


一瞬、大夢の顔が驚愕したように見えたが、にぃっと笑い木から降りた。


その間にまた認識阻害魔法と魔力探知を切られた。


私は、獲物がいなくなったので止まる。



◇◇◇



俺は、付与魔法を最大限につけた弾丸を櫻の頭に打ち込む。


櫻が弾く。


ゆっくりこっちを見る。


スコープ越しに、櫻と目が会った。


にぃと笑い口が動く。


「ここまで見えてるんかい。バケモンやな。でも」


俺は、認識阻害魔法と魔力探知を妨害する魔道具に魔力を流す。



そして、櫻とは別方向にある魔道具を動かす。


しかし、櫻はこちらに来る。


ほんと。真っ直ぐ来るやつ。


俺は、先ほどとは違う木に魔道具を設置する。


そして、俺の髪の毛をセットする。


俺の姿になる魔道具。


櫻とは反対方向に進み身を隠す。


スコープで櫻の位置を確認する。


櫻は自信満々なのか魔力を隠そうともしない。


それにしても雪崩みたいなおっかない魔力だな。


櫻が俺の偽物を見つける。


魔法を出そうと、ゆっくり手を上げてる。


そこに銃弾を撃ち込もうと俺が魔力を込める。


スコープ越しに、櫻と目が合う。


これはヤバイ!


気が付かれた。


俺は、すぐに逃げる。


スナイピングする時に魔力探知を妨害する魔道具を切ることまで、学習されたか…。


「なかなかやるやん。」


俺の口から乾いた笑いが出る。


間違いない。俺が殺してきた奴の中で一番強い。


体が震える。


楽しい。


「負けられへんわ。」


俺は苔むした石畳の上を飛行魔法で進む。


その間に使い捨ての魔道具を何個か仕掛ける。



そうして、俺らは夜通し紀州巡礼道でガチかくれんぼをした。



空が白む。


朝日が差し込んできた。


俺が肩で息をする。


櫻のハサミをコンバットナイフでかわす。


狸のチャームが揺れる。


今や!


櫻も俺のチャームを掴んだ。


結局最後は、お互いのチャームを相手が握っていた。


櫻の膝が崩れる。


俺も座り込む。


「もう、引き分けでえぇか?」


「あぁ。」そこで櫻がぺたんと女の子らしく座り込む。


「……大夢君。君は厄介だな。こんなに手こずったのは初めてだ。」


「そっちもおっかない女やな。2000m先から見つけられたんは、初めてや。」


「しかし、君の魔道具には騙された。」


「俺も、狙撃する時に一瞬だけ魔力が漏れるんを学習されたんは驚いたわ。」


そこで、タバコを出した。


あ!ライターがない。


櫻が指先に炎を出してくれた。


「どうも。」俺は、櫻が出した火でタバコに火をつける。


櫻もタバコを咥えると指先の炎でタバコに火をつけた。


俺らはゆっくりタバコの煙を吐く。


「ところで、大夢君。今日は、土曜日だ。」


「!?」


「私は、休みだけど大夢君はどうかね?」


「仕事や…。」俺が絞り出すように話す。


「何、私も鬼ではない。特別に回復魔法をかけてあげよう。」


櫻がタバコを持った手で俺を指す。


「しかし、残念だ。回復魔法では眠気は取れない。」


櫻が楽しそうに話す。


こいつ…。これが狙いやったんか?


「君が早く降参したらこんなことにならなかったのに。あぁ、残念だ。」


櫻が両手を上げて、とても面白そうに話す。


そして、タバコを一服する。


俺は腹が立ってきた。


小娘みたいな見た目で、揶揄ってくる目の前の女に一泡吹かせたくなった。


櫻の大きい胸が目に入った。


俺は、そんな櫻のおっぱいに手を伸ばして揉んだ。


「なっ!?」櫻が胸を押さえながら逃げた。


「揉ませろや…。」俺が小さく言う。


「は?」櫻が胸を両腕で隠しながら困惑する。


「回復魔法なんていらんから、おっぱい揉ませろやぁぁ!」


そう言って櫻のおっぱいを揉むために手を伸ばす。


「きゃ!やめたまえ!いきなりなんだ!」


櫻が立ち上がり走り出す。


それを俺は追いかけた。


そして……。


会社には有給申請を出した。

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