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鎧召喚令嬢~元皇太子妃、追放されながらも少年と共に魔族を討つ~  作者: XX
第2章 出現する魔族たち

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第6話 とりあえず兵士になりましょう!

「これからどうするの?」


 馬車に揺られながら会話を継続する。

 ディーヴァくんは


「とりあえずこのまま、辺境防衛隊に入隊しましょう」


 私の言葉にそう返す。

 私はそれが意外だった。


「えっ、このまま旅に出るんじゃ無いの?」


 何故って。

 私たち2人は神の鎧の継承者である以上、最優先は魔族を倒すこと。


 辺境防衛隊に入って、蛮族相手の小競り合いをすることではないはずだ。


 だけどディーヴァくんは首を左右に振り


「まだ魔族が出現したという報は出てません」


 そう言った。

 曰く、軍に居れば魔族の侵攻が始まったとき真っ先に知ることが出来るからと。


 ……それはそうだろう。

 軍は何のためにいるのか?


 外敵から国を守るためだ。


 だとすれば、軍に所属していれば一番にその情報を得ることが出来るはず。

 一番知らないといけない国の機関ではないか。


 だけどさ……


「いざ魔族が出たらどうするの?」


 当然の疑問だ。

 軍に居れば軍に従わないといけない。

 自由に動けなくなる。


 それに関してディーヴァくんは


「情報を取るだけ取って脱走します」


 そんなとんでもないことを言い出した。


「脱走って……」


 軍の脱走は重罪だ。

 下手すると死罪を命じられかねない。


 だけど彼は


「やむをえません。魔族の侵攻を永遠になくすためです」


 まるで問題視していなかった。


 ……それは確かにそうだ。


 言ってることは分かる。

 魔族の侵攻を永久になくすという目的のために、個人の人生を投げ捨てるというのは別に選択としては変ではない。

 だけど


(他に方法は無いの?)


 やる側としては簡単に受け入れられる選択肢では無いだろう。

 そんな私の気持ちを察したのか


 ディーヴァくんは


「それに、末端も末端の最前線兵士の脱走を永久に追い続けるほど軍も暇じゃないはずです」


 クールな瞳で私を見つめながら、そう言った。


(……まあ、それもそうか)


 一定期間逃げ切れば、脱走兵を追う労力をいつまでも割く選択肢は取らないだろう。

 どこかで追うのをやめるはずだ。


 でも、そこに至ることが難しいハズ……


 そんな私に


「大丈夫です。任せてください」


 ディーヴァくんは私を見た。

 その目は自信に満ちていて。


 なんだか……


 任せてもいいんじゃないかな?

 そんな気持ちが胸に沸いた。


 なんだか信じて良い気がしたんだ。


 ……多分、私より10才は年下の少年なのに。


 だから


「……まあ、ここから入隊拒否して旅に出ても大した違いは無いし」


 そもそも私は皇太子殿下に懲罰として辺境防衛隊への入隊を命じられた。

 それを拒否して勝手に旅に出てもどのみち同じだ。


 だったら、ディーヴァくんの提案に乗った方が効率がいい分、良いのかもしれない。


 あと


「アスカさん、ひとつ言っておきたいことが」


「……神の鎧の継承者だってことを周囲に触れ回るのは基本NGだってこと?」


 なんとなく、この話が来そうだと思ったので私はそう言ってみた。

 すると


「ああ、わかってらっしゃいましたか。その通りです」


 ディーヴァくんは私の言葉を認めた。


 ……理由は簡単だ。


 これまでの歴史で、神の鎧の継承者が誰であったのかは名前が残ってない。

 ということは、おそらく基本秘密だったんだろう。


 その理由はなんとなくわかる。


 誰が継承者か分かれば、鎧を着ていないときに暗殺を仕掛けるような手を魔族が打って来る可能性がある。

 だから基本的に秘密だったんだと思われる。


 それにさ……


 さっきディーヴァくん、言ってたんだよね。


 御者の人に


「あなたが見たものを他言するのはやめてください。人類のためを思うなら」


 そう言って、口止めをしていたから。


 だからきっと、そういうことなのだ。




 そして私たちはそのまま


 馬車に揺られ、帝国辺境の地……クレイブリッジの街に辿り着いたのだった。

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