第22話 帝国の秘密
私たちはそのままレンヒルの街を出た。
そしてマーファシア皇后陵を目指しながら
ディーヴァくんは
「……神の鎧の継承者と帝国は実は深い関係があるんです」
ポツポツと話してくれた。
私を安心させるためだろうか。
彼が言うには、帝国の世界制覇は神の鎧の継承者のためにしたことなんだそうだ。
曰く、帝国成立前に起きた魔族の侵攻で、当時の世界がバラバラだったせいで神の鎧の継承者が国家間の移動と、現地国家の対応で要らぬ苦戦を強いられたらしい。
(人類全体の敵が現れたのに、何をやってたんだろうその当時の国々は)
ディーヴァくんの話を聞き、私はそう思った。
あまりにも自分勝手すぎる。
神の鎧の戦士は人類のために戦っているのに。
そしてそのことから、その魔族侵攻を阻止した後。
帝国はこう考えた。
次の侵攻が起きたときのために、世界統一国家を作らねばならない。
国が1つであれば、次の侵攻時に神の鎧の所持者を全力で支援できると。
そして世界制覇を目指し行動を起こし、最終的にそれを成し遂げた。
なので……
「僕は神の鎧の継承者として、実は帝国の全面支援が受けられる立場にあります」
そんな、とんでもないことを告白してくれた。
だとしたら、私たちが辺境防衛隊を脱走したことも実は何も問題にはなっていなかったのか。
あとから帝国の方から「その脱走兵は見逃せ」みたいな通達が行ったとかで……
「黙っててすみませんでした。いきなり言っても混乱させると思ったので」
そう言って足を止めて、私に頭を下げてくる。
私は
「うん。それはそうだよね。あまりにも都合が良過ぎるから私も信用しなかったかもしれない」
そう言って、彼に「別にいいから」という私の意志を伝える。
ディーヴァくんは……
私がワンプの不意打ちで、攻撃を受けそうになった時。
私を引きずり倒して守ってくれた。
あのときの表情は彼の真っ直ぐな気持ち……私を大切な相棒として思ってくれている気持ちが伝わって来た。
彼は私をいい様に使おうとはしていない。
信じても問題ない人間だ。
そう……
本当に信頼があるのなら、何があっても信じるのが当たり前。
私は皇太子殿下との間に……
そんな本当の信頼を築くことができなかった。
だから私はディーヴァくんを信じる。
信じるんだ……!
そして歩き続け。
私たちはマーファシア皇后陵に辿り着く。
マーファシア皇后陵は大きかった。
大きさは100メートルや200メートルは利かない。
確実にもっとある。
昔に見学しに来たとき「あまりにも大きい」と思ったけど。
その記憶は別に思い出補正ではなかったみたいだ。
「えっと、どこから入るの?」
そう私はディーヴァくんに訊ねる。
すると彼は
「こっちです」
そう言って進み出て。
私を連れて歩き出す。
そして彼についていくと。
やがて地下に続く階段のようなものがある場所に辿り着いた。
「……この下にマーファシア皇后陵内部に入り込むための、封印された出入り口が存在します」
彼は固い声でそう言いつつ。
道具袋から青い宝石で飾られたペンダントを取り出して。
自分の首に掛けた。
そしてその地下への階段を降りていくと……
ポウ、とその周囲の壁が光り出し。
本来は闇に閉ざされているはずの地下通路が、普通に通行できる明るさになる。
(置いて行かれては大変だ)
そう思い私は彼の背中を追い
そして……
その階段を降り切った先に。
巨大な石の扉が存在したのだけど。
ディーヴァくんがその扉に触れると……
地響きのような音を立てながら、その扉は左右に開いていった……!




