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鎧召喚令嬢~元皇太子妃、追放されながらも少年と共に魔族を討つ~  作者: XX
第2章 出現する魔族たち

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第13話 迷い

「着装!」



 ――その神の鎧を呼び出す力の言葉を口にした瞬間。


 私の周囲に私が描いた円……召喚陣から神の世界より呼び出された黒い神の鎧が実体化し、私の身体を覆っていく。


 ディーヴァくんの説明によると、神の鎧は普段は神の世界に安置されていて、継承者が己の武器で召喚陣を描き、着装の意志を声に出して示すことで呼び出され。


 瞬時に継承者に自動装着され、戦いの装いを完成させる。


 曰く、鎧を着装すると着装者はその身体能力が跳ね上がり……


 そして……!


 私は頭の中で魔法の術式を組み上げた。


 そして霧の中でぼんやりと蠢いている巨大な影目掛けて


「焼き尽くす火炎よ!」


 力の言葉とともに解き放つ!


 その瞬間、霧が瞬時に晴れ、私の手から撃ち出された巨大な火炎がガグを直撃


「ギアアアアアアアアア!」


 響き渡る凄まじい絶叫。


 ……行使する魔法の威力が大幅に上昇する!


 霧が晴れたのはその熱量のせいだ。

 今、私の魔法の威力は鎧を着る前とは比べ物にならないほどに上昇している。


 ガグは何もできずにいた。

 私の火炎魔法で行動不能に陥ったのだ。


 そこにいるのは大きさ6メートル大の異形の松明……


 もう、ただ苦しみ悶えるだけ。

 だから


(頃合いね)


 これは畳み掛けるチャンス。

 それを私は見出し


「赤き炎よ! 我が大鎌を炎刃と化せ!」


 そして私は術式を組み、力の言葉で魔法を発動。


 私は自分の大鎌の刃に火炎付与をした。

 その燃え上がる刃を構え


 私は跳躍し、羽ばたき


 ガグの姿を見下ろす位置を取る。


 ガグにこの一撃を避ける余裕はない……


(終わらせる)


 私はガグに突進し、その大鎌を


 全力で独楽のように振り回し、巨大な炎の円刃となった。



 その狙いはガグの胴体。


 真っ二つにするつもりだったが



 我々は帝国に従わなかったからこの土地を追われたんだ!


 自分たちの王を自分たちの中で決めたいというの事の何が悪いんだ!?



 そんな、彼らの言葉が頭の中に蘇って。



 私の狙いがブレた。


 結果


「グアアアア!」


 ガグの右腕が付け根から切断され宙を舞う。


 切断された毛むくじゃらの腕は空中で人間の腕に変わり地面に落ち


「オオオオオオ……!」


 どす黒い血液を噴き出しながら


 ガグは死に際の覚悟か執念か。


 残った左腕で、必殺の一撃を

 狙いを外した私の背中に


 その爪で叩き込もうと腕を振り上げた……!



 だけど



「ガァ」



 その首が。


 ガグの背後から迫っていた白い神の鎧の着装者……ディーヴァくんの一刀で切断され宙を舞った。


 ひょっとしたら彼は、私が最後の一撃をしくじると思っていたのかもしれない。

 そうなってもガグを問題なく倒せるように、考えていてくれたのかもしれない。



 切断されたガグの首は、空中で怪物から人の首に変わり。

 ボトンと地面に落下した。


 そして残った胴体もどうと地面に倒れ伏し。


 そのまま、怪物の姿から人の姿に戻っていく。

 すると



「オサがやられた!」


「くそおおおお!」


「帝国の奴らめ!」



 ガストになっている他の蛮族たちの怒号と怨嗟の声が響いていた。


 そして



「皆! 蛮族共の親玉が倒されたようだぞ!」


「誰がやったかしらんがでかした!」


「頑張れ! 踏ん張るんだ!」



 辺境防衛隊の兵士たちの士気が上がっていく声も響き渡る。




「アスカさん」


 そこに。


 ディーヴァくんが近くに来て



「このまま、飛んで脱走します……今なら、脱走では無く戦死したと思われて、楽に脱走できるはずです」


 そう囁く。


 私は頷き、彼と共に空高く舞い上がり


 その背中を追いながら


(ディーヴァくんはとても優しい子だと思うけど……何を守らないといけないのかがハッキリしているんだな)


 それを思い知った。

 立派だとも思った。


 それに引き換え私は……


 土壇場で、敵に同情心を持ってしまった。

 仮にも国母を目指していた女なのに。


 国母なら、敵に情けなど掛けるべきではない。

 そのはずだ。


(情けない……)


 そんな自分の覚悟の甘さを思い知り


 悔しくて



 私は大きく羽ばたき、スピードを上げ。

 ディーヴァくんの隣に並んだ。


 彼に並びたいと本気で思いながら。

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