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ASMR系VTuberの私、ぼっちのはずがなぜかクラスの美少女に溺愛されてます!  作者: 海野アロイ
第二章 ASMR系Vtuberの私、陰キャのはずがMV作るとか無理すぎます!?
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45.みんなと楽しいお昼ご飯! その時、Spring Worldは動いた

「ゆうなちゃん、一緒にご飯食べよー」


「あ、はい! 食べましょう」


 午前中の授業が終わると、待ちに待ったお昼ご飯である。

 最近では透子さん、エリカさん、そして、ふみさんと私の4人でご飯を食べることが多い。

 入学してから1カ月、一人でご飯を食べていたころが夢みたいに思える。


「って、エリカ、あんた、食べ過ぎじゃない?」


「お肉は太らないからへーきへーき」


 エリカさんはフランスパンをまるのまま一本、机の上に置く。

 しかも、お肉がぎっしりと挟まっている。

 それに加えて、ラザニアの入ったタッパーも開く。

 肉料理なのかな……?


「透子のお弁当はいかにも透子って感じなのじゃなー」


「あー、わかるそれー。ボディビルダーだよねー」


「普通でしょ? 私はPFCバランスをしっかり考えているだけ」


 透子さんのお弁当箱にはサラダチキンと白米とブロッコリーががつんと詰め込まれていた。

 なんていうか、健康志向が極まったみたいな献立だ。


「ふみだって変でしょ? なんでお昼にエナジードリンク飲んでるのよ?」


「ノンカロリー・ノンカフェインだし、別にええじゃろ」


「あー、雰囲気だけでもサブカルに寄せたいんだー」


 ふみさんのお昼は菓子パン数個にどくろのマークの入ったエナジードリンクだ。

 お節介かもしれないけど、もう少し食べた方がいいのかなって思う。


「私のは子どもっぽくて、恥ずかしいです……」


 とはいえ、私だって他人の物を批評できる立場にはなかった。

 朝、少しだけ早起きをしてお弁当を作っているのだが、基本的には冷凍食品だ。

 卵焼きは自分で焼いたけど。


「ゆうなちゃんの美味しそー! 一口食べたいなぁ」


「はぁ? 何言ってるのよ、エリカ、立場をわきまえなさい」


「いや、それもありなのじゃ! わしのクリームパンを一個やるのじゃよ」


「わ、私のですか!?」


 もしかして、これはお弁当交換のシチュエーションなのではないだろうか。

 お友だち同士でおかずを分け合うなんて、アニメや漫画でしか見たことがない。

 絶対にやってみたいトモダチシチュエーションだ……!


「あ、あ、あのぉ、私のおかずでよければ、ぜひ……!」


 勇気を出して、一歩踏み出してみる。


「やったー! じゃあ、ラザニアあげるねー! とーこー、ごめんねー」


「うちはクリームパン、あげるのじゃ。透子は残念なのじゃなー」


「はぁ!? あんたたち、何言ってるのよ!? そ、そんなの、そんなの……」


「透子さん?」


 エリカさんとふみさんが大喜びする一方、透子さんはうつむいて震え始める。

 もしかして、逆鱗に触れたとかだろうか。

 

「そんなの、ずるいっ! 私だって、交換したいもんっ!」


「嘘だよー、泣かなくていいじゃーんー」


「冗談なのじゃよ」


 どうやら、透子さんもおかずの交換会に参加したかった様子。

 一度、断った手前、仲間に入れてもらうのが恥ずかしくなったのかもしれない。

 いつでもはきはきと自分の意見を言う透子さんにしては珍しい。

 

「いいですよ、透子さんにも一緒にやりましょう」


「ゆうなさんは神様です! うぅうう」


「泣くほどですか!?」


 透子さんは私の手をとって、再びふるふると震えるのだった。

 いやはや、そこまで感謝されると困っちゃう。


「……ちょっと待つのじゃ、三人ともゆうなさんと交換できるわけじゃないのじゃあるまいか?」


「あーそうだねー、ゆうなちゃんのおかずがなくなるもん。……ってことはー、勝負する? じゃんけん?」


「負けないわよ、私は。いくらあんたたちが相手でも、立ちふさがるなら、この拳で叩き潰す!」


 刹那、席を立って殺気を飛ばし合う三人。

 ピリピリとした空気が教室に広がっていく。


「あいつら、何やってるんだ?」


「また、喧嘩か?」


「加賀見のやつ、死ぬんじゃないか?」


 クラスメイトたちも三人の剣幕に驚いている。

 うぅう、透子さんもエリカさんも目立つんだから、ちょっと困るなぁ。

 どうにかこの場を収められないだろうか。


「あ、あのぉ、私のおかずのミートボール、三つあるので大丈夫ですよ! ほら、えと、その、あーん」


 私はとっさにお弁当箱のミートボールをつまみ上げる。

 「あーん」なんて言ったのは、わざと子供っぽくして空気を和やかにするためだ。

 他意はない。


 だが、これがてきめんに効いた。


「あにゃああ、ゆうなちゃあん、大好きぃ!」


「ミートボール、もらうのじゃっ!」


「どきなさいっ、成績順で私がそのミートボール、もらうわっ!」


 三人はすぐに争いをやめて、私のミートボールの前に殺到するのだった。

 血に飢えた獣みたいに目がぎらついていて、ちょっと怖い。


 その後、私は三人に「あーん」をしてあげる。

 実を言うと、かなり恥ずかしかった。

 だけど、争いが起こるよりいいよね。


 ちなみに三人から「あーん」をされたのはもっと恥ずかしかった。

 顔から火が出るぐらいに。

 

◇ 


「ふぁあ、眠い……ん?」


 昼食後はちょっとだけ眠気を感じる私なのである。

 それでもスマホのチェックを済ませると、メッセージが入っていることに気づいた。

 

『悠木ゆめめ様 初めまして、ボカロPをやっているSpring Worldと申します。いつも配信を見させていただいております。実はご提案がありまして、メッセージさせていただきました……』


 それは先日、私が発見した、あのSpring Worldさんからのメッセージだった。

 

『この度、ゆめめ様のためにオリジナル楽曲によるミュージックビデオを作らせていただけないかと考えております。私はまだ駆け出しのボカロPであり、その実績作りのため、無償にて行わさせていただきます……』


 しかも、無償、つまり、お金はかからないという話だ。

 どうしよう、信じていいのかな。

 教室の喧騒がフェードアウトしていく。


 念のため、メッセージ元を確認すると、あのYoutubeのチャンネルと連動していることが分かる。


「本物だ……」


 スマホを持つ手が震える。

 MVの提案なんて初めてだ。

 嬉しい、どうしよう、でも、私に務まるんだろうか。


 でも、歌が、自分だけの歌が作れるかもしれない。

 今の私は、昔の私とは違う気がする。

 一歩、踏み出してみても……いいのかな?


 心の奥底からワクワクした気持ちがやってきて、飛び跳ねたい気分。

 自然と口角があがってしまう。

 

「ゆうなちゃん、どうしたのー? なんか嬉しそうだけどー?」


「なにかいいことあったのじゃ?」


 表情に出ていたのか、エリカさんとふみさんに見つかって、からかわれてしまう。

 うぅう、嬉しいよぉ。

 だけど、どうしよ、どう返事したらいいんだろう!?


 その日の午後の授業は全然、頭の中に入らない私なのであった。



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