91 帰り道
いまのところ盛大に間違えた科目はなさそうだ。模試に比べても比較的順調に来ている気がする。私はトイレを済ませて、教室に戻った。
ショウに会いに行こうかなとも思ったが、帰り道に色々話せばいいと思ったので教室にとどまった。
どういうわけか、休憩時間が少しばかり短い。私は、17時10分に教室に戻り、英語のリスニングの準備をした。
今までと同じ流れでマークシート・問題冊子が運ばれてくる。そして、模試と同じように、ICプレイヤーとイヤフォンが配布された。私は、指示されたとおりにICプレイヤーを操作し、音が出るかを確認した。
特に問題はなかった。周りにも、問題があった人はいないようだ。私は、模試と同じ調子でリスニングテストを受けた。
「試験終了! 筆記具を置いてください。これ以降、書き直しがある場合は試験官の監視のもとそれを行うことができます。まずは、解答科目、氏名・受験番号・試験会場番号に間違いがないかを確認してください。これが、訂正を行う最後のチャンスです」
私はまたしても急に不安になり、マークシートを確認した。
「1、0、3、……」
うん、間違っていない。私はそのことを再度確かめた。
「それでは試験用紙を回収します。これ以降の訂正はできません」
私は、会場を回る試験官にマークシートを提出した。この後、試験監督は話した。
「それではこれで英語リスニングの解答時間が終わりとなります。お疲れさまでした。忘れ物がないかを確認してお帰りください」
絶望したところはなく、無事に1日目が終わったと言っていい出来だった。私はショウのところに向かって行き、そのまま帰路に就いた。
ショウは結局、今日自己採点を行うことに決めたようだった。スマートフォンを確認すると、しふぉんからも「自己採点する?」という連絡が届いていた。私は、「やっぱり2日目にするつもり」と伝えた。
試験の結果がさして重要でない2人に比べ、私は1次試験の比重が5割以上を占めるところに行くのだ、精神的な問題からも仕方ないとわかるだろう。
ショウはそこまで不安になってはいないようだ。気軽な気持ちで自己採点をするのだろう。私は、よかったら点数教えてね、と言っておいた。
「そういえば、Alcohol出てたね!」
私はふとアクセント問題を見て思い出す。ショウは、その問題を見て思わず笑ってしまったようだった。
空は暗くて、そしてとても寒いが、街明かりのおかげで何とか駅までたどり着いた。私はエレベーターで2階まで向かっていき、電車に乗り込んだ。
周りにもたくさん受験生がいる。彼らもNCF試験のことについて話しているようだった。
今日と明日の2日間で今後の人生が決まると思うと、私は少し怖くなってきた。一方で、それを想像できていない自分もいた。ショウは、何とかなるでしょ、くらいの気持ちでいるようだ。
私は電車(F線)で降り、S線に乗り換えた。




