87 一次試験 4
見た感じ、難しい問題はなさそうだったが、1か所ルソーの問題が出てきたときは、思わず笑ってしまった。ショウの変な語呂合わせに助けられたのは悔しいが感謝の気持ちもあった。
私は、最初の科目を特に引っかかることなく終わらせていった。すべての教科をこのペースで進めることができれば、第一志望の薬学部に合格できそうなペースだった。
「試験終了! 筆記具を置いてください。これ以降、書き直しがある場合は試験官の監視のもとそれを行うことができます。まずは、解答科目、氏名・受験番号・試験会場番号に間違いがないかを確認してください。これが、訂正を行う最後のチャンスです」
私は急に不安になり、マークシートを確認した。
「1、0、3、……」
うん、間違っていない。私はそのことを再度確かめた。
「それでは試験用紙を回収します。これ以降の訂正はできません」
私は、会場を回る試験官にマークシートを提出した。この後、試験監督は話した。
「それではこれで社会の解答時間が終わりとなります。つぎの国語は13時25分から始まります。その15分前の13時10分にはここにいるようにしてください」
私は、教室を出てショウの所へと向かっていった。
「ルソーの奴、出たね」
私はショウに話した。彼としても20秒で作った低レベルな語呂合わせ(というのも憚られるくらいのものだが)であり、本島に出るとは思っていなかったようだった。
外は恐ろしく寒いのだが、会場の中にいる限りそれを心配する必要はない。私たちは、試験の話をしながら弁当を食べた。
「手ごたえどうだった?」
ショウは私に問う。私は、思ってたより行けた、と話した。ショウは特に自信があるわけではないようだが、そこまで変なミスをしていたとかもなく無事に終わらせることができたようだった。
「そういえばさ、しふぉんが僕と同じところ行く?みたいな話してたじゃん、それどうなったの?」
私は、ショウにそれを聞かれるのは少し想定外であった。
結局、12月の段階(志望校、行きたいところが確定する段階)でしふぉんはショウと同じところに決めていたようだった。彼女は生まれつきの理系・特に国弱であり、2次試験に国語を使う大学(東京大学・京都大学・名古屋大学)は志望の対象外と言っていた。結果、大阪にあるO大学と東京にあるTK大学の2択を迫られた結果、祖父母の家に下宿できるTK大学を選択した、とのことだった。
ショウは、ありがとう、と言ってくれた。




