表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/112

79 家で

 二人で道を歩いていく。いつだったか話題に出したラーメン屋の前を通った。横に蕎麦屋もあるのだが、今日は定休日のようでシャッターを下げていた。


「なっちって、ラーメン好きなの?」


 ショウは尋ねた。私はラーメンとカレーが好きだが、あんまり食べていないということを伝えた。私は、今度ここ来ない?とショウに聞いてみた。


「んー、ここのラーメン屋昼しかやってないんだよね、土曜日当たり1回いってみる?」


 私は、わかった、と彼に伝えた。


 右手には車道があり、平日の20時ということもあるので車でにぎわっている。私は、大きなスーパーマーケットとドラッグストアの前を抜け、橋を渡ってK駅の駅舎までたどり着いた。初めてここに来たときは列車の本数に驚いた記憶があるが、私はもう慣れてきていた。


 駅前の塾の前を抜け、オーケーストアを左手に歩いていくと、1つの角にうどん屋がある大きな交差点がある。そこを直進すると、急に暗くなってゆく(といっても、暗すぎるというほどではない)。私たちは坂を下って、家の前まで帰っていった。


「じゃあね」


 私はショウが交差点を曲がるのを見届けて家に入った。アパートのような家だが、一人っ子ということもありそこまで狭くはない。私は階段を上り自分の部屋へと向かっていった。


 私はシャワーを浴びて髪の毛を乾かし、自分の部屋でLINEを確認した。コウから(軽音部グルで)連絡が届いていた。


「あの、歌詞送ってくれる?」


 私は聞かせた歌「遠くの紙飛行機」の歌詞を送り忘れていたことに気が付いた。私は、以下の歌詞を添付した。

------


晴れた真夏の青空の

眩しい空を仰いだら

直射日光にさらされて

暑くて木陰に逃げ


遠くに見える入道雲

どこまででも追いかけて

それでも届かないままで

子どもの頃の思い出


詰まりかけたときに できることは

逆向きから 見てみようよ


青い空 翔ける飛行機雲を

指でいて 想いを刻んだ

飛び込んで 青い海の深い底

届かない この歌 響け



雪の降る日の十字路の

白い吐息が溶けていく

あの日の僕はふと思う

かじかんだ手を開いて 


何度も同じことを聞いて

そのたびに君は笑うの

いつも悪いと思っても

僕の思いは届かず


飲み込まれるほどの 深い闇に

覆われても 何ができる?


片思い 声に出せる勇気を

持ってれば 苦しまないのに

まだ消えぬ ひとひらのその希望

風になる 日が来ると 信じて


好きだと 言えずに 詰まってる その言葉

叫べば 曇りの この空も 晴れるはず


風の中 紙飛行機を投げて

遠くまで 届きますように

どこまでも 青い空の遠い(はて)

届かない この恋よ 風に


両思い なんて夢のまた夢

わかってる でも諦めずに

まだ消えぬ 小さな白い蕾が

花になる 日が来ると 信じて

------


「なつき、ケーキ食べるよ!」


 私の父親が誕生日ケーキを(駅前のケーキ屋で)買ってきていたようだ。私は1階に向かうと、10本ほどのロウソクをのせたケーキが準備されていた。


「Happy Birthday, dear なつき~, Happy Birthday to You!!!」


私はケーキに息を吹きかけた。何とか1回で消すことができてうれしかった。


「ごめん、おなかいっぱいでケーキ食べれない!」


 そういうと親は、冷蔵庫に入れとくね、と言ってくれた。私は自分の部屋へと戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ