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63/112

62 12月のライブ 5

 舞台の広さの関係なのかわからないが、この曲はダンスはしないようだ。


 メロディー自体はよく聞いていたため懐かしいという感情はわかなかったが、舞台ということもあり、みんなで一緒に歌っていることが懐かしいと感じてしまった。


 次の曲はタイムマシンで、一期生の4人が歌っている。この曲がきっかけで、ショウに元アイドルということがバレてしまったのだが、私としては仕方ないと思っているし、ショウに起こっているつもりもない(むしろ、ここまで仲良くなれてよかったと思っている)。正直、バレることは想定外だったが、それはそれで楽しかった。


 「タイムマシン 映す未来 一つ どこに進もうか?

 道標 目指す先は 地図に載ってない明日へ」


 エンディングテーマが決まったとき、このように聞いた。ヘリアンサスガールズがラストラベンダーのエンディングテーマを務めることになったのは、「しふぉん(紫保)」の紫の字、「かわみん(芽衣)」の芽の字、「そかか(爽花)」の花の字、「なっち(夏樹)」の夏の字、「なーなん(七海)」の七の字が、主人公のユニット名「セッティエーム・ラヴァンド(septième lavande;7番目のラベンダーという意味)」のイメージにぴったり合致しているという事に由来する、と。 


 公式に発表されたことは一度もないが、これは確かに言われた記憶がある。


 予定通り1期生のあいさつが行われる。今1期生は4人だが、今日は私がサプライズで登場して、昔のように5人で自己紹介が行われる。


 私はいつも通りの調子であいさつをした。舞台を見てみると、拓也さんが後ろの方に座っていることに気が付いた。



 「向日葵が仰ぐ太陽の色はオレンジ、なっきぃです!」


 軽音部、Rivageでのふだんのあいさつは、この「なっきぃ」が「なっち」に変わっただけだ。


「実は私、今は横浜に住んでいるんです。本来なら私は休業しているんですけど、今日はここ横浜でライブをやるということで、結構近場なので、久しぶりに舞台に立たせてもらっています」


 後ろにいる1人の男性が、おー、と叫んでいる。


 彼女のあいさつはそこまで尺をとらなかった。次いで、しふぉん、かわみん、そかか、なーなんが順に挨拶した。


「『紫を保つ』とかく『紫保』の色はもちろん紫、しふぉんです!」

「みんなの記憶に残ってくれ! 希望という名の約束、かわみんです。」

「爽やかな花で冬を涼しくする、そかかです!」

「7つ目の海はすぐ前にある、なーなんです!」


 笠山は時期によって挨拶の季節を変えているらしい。「冬を涼しくする」というのは、「寒い」のを「涼しい」にするという意味だ、と彼女はTwitterで話していた。



 4人のあいさつが終わると、続いて「タビソラ」「続く」「Departure」が披露された。その後2・3期生のあいさつも、そのあとの曲も無事に終わり、残すところはセットリストで「???」となっていたところだけになった。


 何が始まるのだろうとわくわくしていると、しふぉんが出てきて、観客席に向かってこう言った。

 

 「それでは10曲目はナツアオソラです。全員で合唱しましょう! わからない人も多いかもしれませんが、前に歌詞の字幕を出すので、知らなくても恥ずかしがらずに歌ってください!」


 会場がざわめく。階乗からは声は小さいが歌い声が聞こえる。ショウも歌っているようだった。


 歌い終わった後、観客がアンコールを13人に投げる。彼女たちはそれに答えてこういった。


 「アンコールしていただきありがとうございます。最後に歌うのは『次の世界へ』です! 楽しんでいってください!」


 彼女らはアンコールとして「次の世界へ」を歌った。テンポがまあまあ速い応援ソングということもあり、会場のみんなが盛り上がっているようだった。

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