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60 12月のライブ 3

 ショウが推しているしふぉんは通常の物販グッズ(タオル・サイリウム(ケミカルライト))のほかに、「ヘリアンサスの希望」というタイトルで本を販売する、と話していた。タイトルは「希望という名の約束」から借りたものであり、内容はアイドル活動を始めてから数週間の活動を、日記のようにまとめたものとなっている。


 私はしふぉんから借りたものを読ませてもらった。内容としては、そこまでエキサイティングなことがあるわけではなく、盛り上がりに欠ける感は否めないだろう。ただ、実際の活動をノンフィクションでまとめるとなると、あんな形になってしまうのは仕方がないことなのかもしれない。


 ショウは恐らくTwitterで情報を入手しているだろう。まだこのことは話していない。


 私は、練習部屋にみんないって、この部屋から誰もいなくなったことを確認して、ショウに電話を掛けた。


 「もしもし、今どこ?」


 ショウは、C南駅前の広場にいるよ、と言ってくれた。私は、13時から入れるようになるから、適当に時間をつぶしてて、と伝えた。ショウは、わかった、ラーメン屋行ってから戻ってきて図書館で時間をつぶす、と言ってくれた。


 図書館と公会堂は同じ建物の中にある。ショウは、1時間ほどにはなるだろうがそこで暇をつぶすようだ。


 昨日の夜は寝付けず、334(深夜の3時34分に、ツイッターで334と呟く競技がある。3:34:00:000に近づけることを目的としてツイートを行う競技。ランキングがあり、上位30名までが乗せられる)まで起きてしまった(目が覚めたのは7時40分)ので非常に眠い。


 私は、13時になるまで仮眠をとることにした。


 みんなと会えたことは結構大きい。アイドル時代は毎日会っていた。まだ別れてから1年もたたないのに、もうそんな日々が懐かしくなってしまっていた。


「なっきぃ、起きて!」


 私はまりりんに肩をたたかれて目を覚ます。1期生のオーディションの夢を見ていたことに気が付いた。もう3年前なのか、そう思うと時間がたつの早いと実感した。


 時計を見ると12時半。昼ご飯を食べる時間を確保するために起こしてくれたようだった。私はコンビニで買ってあったしゃけおにぎりを2つと、納豆巻きを食べた。


 あと2時間でライブが始まる。私にとっては9ヶ月以上ぶりだ。久しぶりなので感覚を忘れているところもあったが、歌うわけじゃないし緊張しなくても大丈夫だ、と自分を落ち着かせた。

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