59 12月のライブ 2
しふぉんはかなりびっくりしているようだ。私は彼女にそのわけを聞いてみた。
「いつだったか前にさ、『なっきぃが横浜に引っ越すことになる夢を見た』って何回か言ったの覚えてる? そのときに夢の中でいつもなっきぃのそばにいたのが、たぶんその男子だったんだよ」
確か結成してすぐ、しふぉんがそんなことを言っていたのを私は思い出した。あのときは単に彼女が私のことを好きなんじゃないの?みたいなことを考えていただけだったが、まさか本当に転勤が決まるとは思っていなかった。正直、私の中でも忘れていた感はある。
「あー、確かにそんなこと言ってたね、でもそんなことって本当にあるの?」
私は正直半信半疑だ。今でも完全に信じきれてはいない。私は、しふぉんに写真を見せてみた。
「写真見せればよかった、この子なんだけど」
しふぉんは、間違いない、この子だ!と叫んだ。私は正直まだ信じられていない。しふぉんは話した。
「この子あれでしょ、1月生まれで、ラストラベンダー経由でなっきぃのことを知った……」
私はいよいよ本格的に怖くなってきた。誕生日の情報は一切話していない。しふぉんに、何故分かったのか聞いてみた。
「いや、予知能力的な奴じゃなくて。私としても怖いんだけど、なっきぃの親の転勤が決まったって聞いたときに本当に鳥肌が立ってね、それ以降ちゃんと夢の内容をメモしてたんだよ。そのときに、その男子の誕生パーティ? みたいなことがあってね、なっきぃとその長谷川くん?と、後、背が一回り低い男女2人の計4人がケーキ食べてて、部屋にあったカレンダーを見たら、日付わからなかったけど1月だったの」
2人というのはたぶんコウとひかりのことだろう。私は、予知能力という物が本当にあるんじゃないかと思ってしまった。
「大丈夫、コントロールはできないから、予知能力とは遠いよ」
そういってしふぉんは笑った。そういう第六感的なものがある人は間違いなく存在する、と私は確信した。私は彼女に告げた。
「とにかく、長谷川くんをびっくりさせるために、撮影会に来た時に名前で呼んでほしいの。お願い」
しふぉんは、面白そうだね、わかった、といってくれた。まだはじまる時間まで余裕がある。これから13人はダンスの練習をするようだが、私は舞台に出るだけで披露はしないので、ゲームをして時間をつぶした。




