55 日常4
彼は困惑したような顔で改めて聞き直す、決してイケメンというわけではないが、誠実そうな見た目をしているのは間違いない。私は、面積で考えてみてね、とだけ教えた。
「ありがとう、考えてみる」
彼はそう言って自分の席に戻り、再びプリントをにらみ始めた。
今回の期末テストは2次関数が主題になり、三角比はそこまで出ないといっている。私は、過去のプリントの2次関数の部分を復習していった。
区間が動く最大値・最小値、そして2次関数の解の存在範囲を求めるような問題が主題になるだろう。私は問題集でその辺を確認した。
問題を解いているとあっという間に授業は終わり、つぎは数学Aだ。今は整数の範囲を学習しているがそこまで難しくもないので、私は素直に解いていった。
5時間目、物理。6時間目、コミュ英。私はいつも通りの調子で授業を受けた。
アイドルをやっていたころはこの後レッスンで、帰るのは20時とかいうこともよくあった。あれはあれで楽しかったと思うし懐かしくもなるが、今は今で予定に圧迫されていないのも悪くないと感じるようになっていた。
私は、いつも通りショウと帰り道に着いていった。私はHeliAnswers企画について彼に話してみることにした。
「ショウさ、HeliAnswersって知ってる?」
彼はきょとんとして、ヘリアンサーズ?知らない、と返事をした。やっぱりそうか、と思い、私はショウにその説明をすることにした。
「名前から推測できるかもしれないけど、HeliAnswersっていうのはヘリアンサスとAnswerをかけた名前なのね。簡単に言えば、ヘリアンサスガールズが主体となってやってる謎解きイベントなの。出されたクイズに対し、スマートフォン(タブレット)を利用して正解を導く、っていうのが趣旨なのね」
かれは、真剣に私の話を聞いているようだ。
「知識というよりひらめき、検索力が問われてて、ちゃんと答えを出せるかっていう企画なんだよ。例えば、暗号機を使って解読する、ってのがあるんだけど、暗号のキー分からない状況なの。それを、歌とか仕掛けられているメッセージから解読するっていう企画」
ショウは、面白そうだね、って言ってくれた。
「せっかくだから、やってみない? 今この場で解けるようなものじゃないけど、家に帰ったらメッセージ送っとくから。変な知識はいらないから、ショウでもっていったらあれだけど、ここに住んでる人でもとけるよ」
かれは、やってみたい、と答えた。
正直、難易度は低くはない。解答を聞けば理解できるだろうが、ノーヒントで解くことができたら天才と言っていいだろう。私は、難しいけど頑張ってね、とショウに伝えた。




