39 学園祭当日 1日目 8
「配り終わったよ!」
ちょうどコウとひかりが戻ってきた。あと10分ほど残っていて、2人も最後の準備として舞台裏で準備を行っているようだ。14時ちょうどに出てこられるように、4人は身構えていた。
顧問の岩田先生は観客席に座っているが、何か話すということはないようだ。
最初にRivageがライヴを行い、その後Degree Celciusが行う、という順番になっている。それぞれ与えられた時間は15分。1曲は長くないので、まあそんなにかからないだろう、というのが私たちの共通認識だ。
時計を見ると13時57分。私は、そろそろ行くよ!と合図を推して舞台の上に立った。
「私たちは高1の4人組からなるバンド、RIVAGEです! 2曲だけですが、楽しんでいってくれると嬉しいです。 早速ですが自己紹介を! 私の名前は前田夏樹なっちです。イメージカラーはオレンジです!」
私のイメージカラーのオレンジは、アイドル時代の色の使いまわしだ。私は、知ってる人がいたら嬉し易と思って、あえて「知らなかったらバレない」というレベルの範囲内でほのめかしているつもりだ。
私の自己紹介・バンド名紹介を終えた後、続けて3人も挨拶を行った。その後、私はバンド名の意味を伝えた。
「RIVAGEは岸という意味ですので、それだけでも覚えて帰ってください」
「それでは早速ですが、ε-カプロラクタム作詞作曲の歌、『荒野の朝』をどうぞ!」
私はいつも通りの調子でライブの声掛けを行う。私は、普段の練習通りに歌っていった。
ラスサビに入る前に、観客と一緒に歌う部分がある。私は、落ちサビとラスサビの間の5秒ほどの間にこういった。
「ここから先から最後まで、観客皆さんも一緒に歌ってください!」
そういうと、観客の人たちも歌ってくれた。バンドメンバーのほかの3人も一緒になっている。私は、ヘリアンサスガールズの公演会を思い出した。そこでも、「皆さん一緒にどうぞ!」といって合唱する部分があった。
1曲目があっという間に終わる。間を開けず、私は2曲目の紹介をした。
「それでは続けて2曲目は、私たちのオリジナル曲の『始まりの街』です! パンフレットに歌詞が載っているので、必要に応じてそれを見ながら聞いてください!」
私はそう言って、演奏へと入っていった。




