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第76話 揃う

廃ビルの上階に、影が一人、また一人と入ってきた。

【02(ヘイル)】が最初に踏み込む。

砲を担いだまま、周囲を測る。

『……本気か、お巫女』

【03(レイン)】が続いて入る。

小柄な体が、湿った空気をまとっている。

『何、この圧。気持ち悪い』

【04(イラプション)】は弓を下げたまま壁際に立つ。

【05(ライトピラー)】は翼を畳み、腕を組む。

【06(ハリケーン)】は槍を立て、静かに頷くだけだ。

【07(オーロラ)】は欠伸を噛み殺し、端に座る。

七体が、同じ空間に揃う。

今まで、一度もなかったことだ。

【01(ライトニング)】は窓際に立ったまま、振り返らない。

布で覆われた目が、全員の気配を受け止める。

『呼ばれた、だろ』

【02(ヘイル)】が短く言う。

『何がしたいお巫女。お前が全員を揃えるなんて、普通じゃねえ』

空気が、一段落ちる。

【03(レイン)】は鎌の柄に指をかけたまま、黙って聞いている。

【04(イラプション)】の目が、細い。

測れない圧が、01から出ている。

【01(ライトニング)】が、ようやく口を開く。

『白が、残っている。

 斬っても、消えない』

『リェンの残りか?』

【05(ライトピラー)】が言う。

『あの男、とは違う。

 もっと古い。もっと太い』

部屋の温度が、さらに下がる。

【06(ハリケーン)】が小さく息を吸う。

【07(オーロラ)】の欠伸が、止まる。

『話す。

 00のことだ』

その数字が落ちた瞬間、誰も動かなくなる。

知らない数字ではない。

一覧の欠落として、どこかで見たことのある空白だ。

なのに、01の口から出ると、重さが違う。

【02(ヘイル)】が、砲のベルトを握り直す。

『……続けろ』

【01(ライトニング)】は、鞘に手を置いたまま、ゆっくりと語り始める。

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