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第64話 信頼できる手
セレスティーヌは、端の番号へ「手触り」以上の駒を出した。
回収の末端ではない。
彼女がある程度信頼する実戦の部下たちだ。
計測と拘束の訓練を受け、白い思想にも通じている。
「06と07。取り込む。無理なら、動きを止めろ」
命じられた者たちは、黙って頭を下げる。
リェンのような粗暴さはない。
手順を踏む手だ。
港では、風の歪みが立っていた。
【06(ハリケーン)】が槍を回し、気流を上へ逃がす。
その外側に、整った隊列が現れる。
「対象06。退路を塞ぐ」
『……また来た』
【06(ハリケーン)】は争いを好まない。
先に風で距離を作る。
だが相手は、前回の観測班より下がらない。
同じ夜、屋根の連なりでは【07(オーロラ)】が双銃を構える。
『めんどくさいのが、ちゃんと来るタイプ』
極光の歪みを撃ちながら、拘束の輪を弾く。
軽い。
軽いが、当ててくる。
遠方の部屋で、セレスティーヌが画面を見る。
「今度は本格よ。
端から、きちんと測る」
部下たちは、信仰と実務の両方を持って現場へ入っていた。
まだ、圧倒される前だった。




