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第59話 消えないログ

アヤの私用メモは、雷の欄だけが濃くなっていた。

それでも今夜は、同じ決意を書き足すだけでは終わらなかった。

古い災害記録の申請が、一部だけ通る。

黒塗りの多いファイルの端に、消されきっていない文字列が残っていた。

『適合個体:外見提供済』

『雷域・優先観測』

『白き終焉後_再配置』

白き終焉。

初めて、社内資料の端でその四字を見た。

表の発表では使わない言葉だ。

なのに、内部の古いログには残っている。

アヤの指が、画面の上で止まる。

続けて、別の欠損ページに短い英数字が並んでいた。

意味は取れない。

ただ、末尾だけが読めた。

…-01 / LIGHT---

途中で切れている。

なのに、雷の現場で見た目隠しの女と、頭の中で繋がってしまう。

『01』

声に出さず、私用メモへ移す。

社用端末には残さない。

姉の提供記録。

白き終焉の語。

01と光を示す欠損ログ。

単独では弱い。

三つ重なると、もう広報の違和感では済まない。

アヤは姉の写真を閉じ、夜の窓を見る。

次に雷が立てば、規制の外で終わらせない。

根拠が、一つ増えた。

増えた分だけ、足が止められなくなっていた。

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