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第105話 抑止と前
噴火の予兆が、埋立地の端で上がっていた。
環象社のランクはC。
【04(イラプション)】は高所から矢を番え、熱の核を逸らす。
一矢。
二矢。
牙が折れる。
『……深入りしない』
三傑の土俵は、今も測れない。
測れないと知ったまま、自分の射程で抑止する。
白の核を斬った一閃を見たあとも、立ち位置は変えない。
変えないことが、彼女の安定だ。
別の街区では、光の歪みが細い柱を立てていた。
【05(ライトピラー)】が翼を開き、大剣を構える。
斬撃が光を運び、柱を折る。
相手は黒鋼の末端ではない。
歪みそのものだ。
『……面白い相手、まだ来ねえな』
セラスもノアも、今は来ない。
来なくても、仕事はする。
敬意の相手がいない夜は、ただ収束だけが残る。
『04は生きてる。俺も生きてる。それでいい』
翼を畳み、次の光を待つ。
待たなくても、歪みは来る。
環象社の定型が、遅れて流れる。
「局部的な異常は収束に向かっています」
抑止する番号と、前に出る番号が、同じ空の下で別々に仕事を終える。
集合しない。
報告しない。
それでも、街の牙は一本ずつ折れていく。




