第27話「友達とお姉さん」
マオは、いつものレストランに来ていた。もちろん、あの女性店員が接客している。
「毎度ご利用ありがとうありがとう! 三日連続のご来店感謝いたします!」
「ここのオニオンスープは旨いから」
「そう言ってくれると店長も泣いて喜ぶ。それじゃあオニオンスープは決定だ」
「お姉さん。ソーセージとかある?」
「あるよあるよ。私のオススメは、バジルの白ソーセージ。レモンをキュッと搾って!」
「じゃあそれも。今日はそれでお願い」
「かしこまり!」
いつものようにキッチンへ注文を伝える店員の姿だが、いつもとは見方が違うのだ。
「お姉さん」
「おやおやご指名? とうとう私に慣れてきたのかな」
「お姉さんって……ジャンのお姉さん?」
「…………」
いつもマオに気安く話し掛けてくる店員が黙ってしまう。頭を抱えてうずくまった。
「お姉さん――?」
「ごめーん!! まさか弟の友達だったなんて!!」
「いやいや! なんで謝罪!?」
「弟の友達だと知ってれば、もっと丁重に接したのに」
「オレも、お姉さんがジャンと姉弟だったのを昨日知ったんだよ」
「お詫びに私の奢りでいいから!」
「お詫びってなに!? お姉さん悪くないよ」
「でも失礼な接客しちゃったし。馴れ馴れしい店員で嫌だったでしょう?」
「そんなことないよ! オレ、お姉さんと話すの楽しいよ。だから気にしないで」
「本当に?」
「うん! うん!」
「そりゃーよかったよかった!」
ホッと胸を撫で下ろすと、いつもの調子をすぐに取り戻す。テキパキと接客するいつもの姿に。
マオの前に運ばれてきたオニオンスープと白ソーセージ。食欲を掻き立てる香りに耐えられず、サッと手を付けるのだった。




