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第6話 ミナト元帥は測定する!

キャラ紹介


ミナト・ナツメ

本作の主人公兼大部分の語り手。ひょんなことから下っ端→元帥になってしまう戦士。身長160センチ。体重45キロ。黒髪ショートボブ。本人曰くザ・平均的な見た目。あらゆる適正値がずば抜けて低い。かなりのオタクで、可愛いキャラクターが大好きな変態。アニメや漫画の見過ぎで心の声がめちゃくちゃ多い。


ミズホ・ヤマダ

ミナトの同期。三等戦士。身長145センチ。体重32キロ。ピンクヘアーのツインテール。ロリ。自意識過剰のわがまま。


マコト・ハルネ

二等戦士将。性別不詳の可愛らしさ。身長140センチ。体重28キロ。水色ヘアーのワンレンボブ。恥ずかしがり屋。その可愛らしい見た目とは裏腹にとてつもない戦闘力を秘めている。


ナナミ・アキカゼ

一等戦士監。高飛車な性格の魔法少女。身長145センチ。体重30キロ。金髪で腰のあたりまでのロング。様々なオリジナル魔法を使えるが技名が全部青少年期特有のあの感じ……。


※本作品は現実世界の未来寄りの世界観かつ別世界です。ゆえに登場する事象(用語・単位等)は、現実世界のものと同じ場合が多いです。

※本作品はキャラクターの独白やキャラクターの持つ主観が多い場合がありますので、予めご了承ください。


 「ついに、この日が来てしまったか……」


 なんとか、どうにか、将軍も軍師も無事に決まり、一仕事終えたような気分でほっと一息のつく今日この頃。当然その間も他の元帥のお仕事(特に事務面)をこなし、元帥に慣れてきた今日この頃。ついに来てしまったーー戦力測定……。


 インターナショナルアーミーズには、年に一度戦力測定を行い、記録しなければならないというお決まりがある。この戦力測定の結果は部隊編成や配属にも関係してくるし、もちろん昇進にだって影響する。


私の場合、もうそこんところは関係ないのだけれど。


 え、じゃあ何が嫌かって? この際堂々と私の去年の記録を教えようではないか!そう、堂々としてれば恥ずかしくなどない!


「オールEだよっ!」


「元帥マジ?SABCDEのうちの E?」


「み、ミナトちゃん、今年は良い結果になるよ。ぼ、僕も応援するから」


 非常にやりにくい。よりにもよって、両サイドにいるのは、どちらも戦闘特化のマコト将軍とナナミ軍師。この二人の前で魔法なりなんなりを披露しなきゃならないなんてーーダメだ。意識してはダメだ。リラックスしよう。うん。


 しかも最近、この二人とは常に一緒にいるわけで、ナナミちゃんには元帥って呼ばれるようになったし、マコトくんもより接し方が自然になってきているのだ。彼らはもはや、大親友。ならば、恥ずかしさなどない! さぁ、放つぞ!私の得意属性は王道中の王道の「火」だ。


「いけぇぇぇぇぇぇぇぇファイヤーボール‼︎」


 シュッ。


 あれ?


「ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール! うわぁーん全然出ないよぉ」


「ファイヤーボールって一番最初に覚えるような魔法攻撃よね……」


 明らかに呆れられてるよ。的に当たらないならまだしも、的に届かないならまだしも、ろくに放つことも出来ないって……私、本当に元帥でいいのでしょうか。


「マコトくん、お手本見せてよ!」


「ええ⁉︎ 僕が……あんまり自信ないなぁ。」


 スタート位置に彼が立った瞬間、場の雰囲気が一変する。


「おお!」


「な、なんか、相変わらず戦闘態勢の時だけオーラすごいわね……」


 的に向かって手をかざす。小さな火花はたちまち大きな炎の塊を作り上げる。しかしーー待って、サイズ感が違いすぎる! ファイヤーボールって手のひらサイズじゃないの⁉︎ なんでもう自分の身長超えの直径⁉︎ ねぇ待って、これどこまで大きくなるの⁉︎ 新たな惑星でも作るんですか、惑星作るんですね!?


「あついっ、あついっ! 元帥退避するわよ!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」


 ドゴォォォォォォォォン!


 なにが起きたーー軽く地震になってるじゃないの。


 的どころか、測定場のほとんどの器具飲み込んで、無の空間つくり出してるじゃないのよ‼︎


「あはは……ご、ごめん、緊張しちゃった!」


 この人はやばいわ……。


 「元帥でもさすがに魔法銃なら大丈夫よね。」


 ーー魔法銃とは。魔力が元々から込められた銃になっており、個人の魔力量に関係なく、さまざまなモンスターや魔法使いにダメージを与えられる武器である。戦士達の携帯装備だ。たしかに魔法が苦手な私でも出来そう! ってなりそうなんだが……。


 バンッ! バンッ! バンッ……。


 記録、100発中、命中0。


「なんで、そうなるのよ……いくら動いてる的だからって、一つじゃないんだから、あんだけ連射すれば、目瞑ってでもあたるわよ‼︎」


「そんなこと言わないでよぉ。私ちゃんと真面目にやってるんだよ。あっ、そうだここはマコトくんにお手本を……」


「まっ、待ちなさい! あたしがやるわ。」


 彼女は私にそっと耳打ちする。


「元帥、学習しなさいよ。またなにしでかすかわかんないじゃないの‼︎」


 マコトくんは不思議そうな顔をしてこちらを見てくる。それがまた可愛いので、にやけてしまう。


 ナナミ軍師、100発中、命中98。


「おおーすごいよ、ナナミちゃん!」


 しかし彼女は不機嫌そうに、


「ちっ、2発も外したわよ!」


 その後、格闘術、魔法剣など、様々な戦闘系を撃沈……加えてスタミナ測定やバランス測定などの体力系も撃墜……。


「次は瞬発力測定ね。シンプルに攻撃をどれだけ避けられるかだけどーー元帥、そんな動き早そうじゃないわね……」


「みる前から決めつけないで!」


 そんなやりとりの間、マコトくんは違う方向を見ていた。


「なにみてるの?」


「あ、ああ、いや、隣の測定場の子、すごい動きいいなって思って。」


 その方向を見ると、あれ、この子なんか見たことある……って、 


「ミズホじゃん!」


「し、知り合い?」


「そう、私の同期で友達っ。そういえば元帥になってから会ってなかったのよね。

 向こうもこちらに気がついたようだ。


 測定場から出るとすぐに駆けてきた。


「お、お久しぶりです、ミナト元帥。わたくしのこと覚えていらっしゃいますでしょうか!」


「なんで、急にそんな喋り方なのよ。」


すると、彼女はいつも通りむっと口を尖らせる。


「だって、出世のために媚び売っときたいじゃん!」


 本当に正直な子だ。あと、元に戻るの早すぎ。


 と、口を尖らせていた子も、私の両サイドにようやく気づいたようで、


「こ、これはマコト将軍とナナミ軍師ですか!さ、さっきのは、わたくし、なにも言ってません‼︎」


 もう遅いわ。まぁ、二人とも媚を売られたからってどうこうするタイプではないと思うけれど。


「よっ、よろしくね。」


「なに、あんた、野心は強そうね。」


 あっ、ナナミちゃんと初めて会ったときの既視感はミズホか。なんか少し似てるわ。


「元帥、早く測定しに行きなさいよ。」


「元帥頑張ってください!」


「あんたはもうその口調やめろ‼︎」


 これまで、ありとあらゆる測定をしてきたけど、実はこの瞬発力測定には自信がある。去年の測定終わり以降、ミズホと一緒に重視して訓練に取り組んだのだ。私のオールEを砕く切り札となれ!


 スタート。


 来た。簡易魔法が右から2発、後ろから2発。私は思いっきり走る。


「避けた⁉︎」


「い、いいぞっ、ミナトちゃん!」


 よ、避けれたの⁉︎ 次は上と、左!


「この調子なら、元帥でも良い結果を出せるんじゃ……」




 総合結果。


 私は今日の記録一覧を片手に三人の前に立った。それぞれに目を合わせて、うんと一つ頷く。みな、緊張の面持ちで私をみつめる。私は声高々に、自信満々に、胸を張って言った。


「今年もオールEでしたっ! てへっ!」


「てへっ、じゃないのよっ! なにを自信満々に言ってんの‼︎」


 ナナミちゃん渾身のツッコミチョップが頭にめり込む。


「痛いよぉ。」


 マコトくんはなぜかパプリカ並みの真っ赤な顔で、


「か、可愛い!!」


 とだけ言って気絶した。


 瞬発力測定。結局避けられたのは最初の4発だけで、あとは全弾被弾してしまった。しかも、最初の4発も三人には被弾寸前でかがんで避けたように見えたらしいけど、実は転んだお陰でたまたま当たらなかったというだけのことだとは言わないでおく。


 ま、来年はもっと良い結果になるよね!

 ランクは変わらないけど、数値を見れば前年より少し上がっていることを見て、少しほっとした私なのでした。



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