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第3話 ミナト元帥は面接する!その1

キャラ紹介


ミナト・ナツメ

本作の主人公兼大部分の語り手。ひょんなことから下っ端→元帥になってしまう戦士。身長160センチ。体重45キロ。黒髪ショートボブ。本人曰くザ・平均的な見た目。あらゆる適正値がずば抜けて低い。かなりのオタクで、可愛いキャラクターが大好きな変態。アニメや漫画の見過ぎで心の声がめちゃくちゃ多い。


シノン・ソラキ

第36代 インターナショナル・アーミーズ元帥。くじ引き元帥決めの元凶。前例がないような突拍子もない思い付きによる改革で組織を指揮した天才。身長171センチ。体重49キロ。パープルヘアーのポニーテール。細身の絞られた身体。美人。低音ボイス。戦闘能力も組織においてずば抜けているとの噂。


ミズホ・ヤマダ

ミナトの同期。三等戦士。身長145センチ。体重32キロ。ピンクヘアーのツインテール。ロリ。自意識過剰のわがまま。


ジョー・モリムラ

一等戦士尉。秘書兼警備戦士隊隊長。身長201センチ。体重100キロ超。全身筋肉のようなガチガチのマッチョにサングラスをかけているコワモテ。忠誠心が高く戦士としての能力値が高い。声がデカい。


マコト・ハルネ

二等戦士将。性別不詳の可愛らしさ。身長140センチ。体重28キロ。水色ヘアーのワンレンボブ。恥ずかしがり屋。その可愛らしい見た目とは裏腹にとてつもない戦闘力を秘めている。


※本作品は現実世界の未来寄りの世界観かつ別世界です。ゆえに登場する事象(用語・単位等)は、現実世界のものと同じ場合が多いです。

※本作品はキャラクターの独白やキャラクターの持つ主観が多い場合がありますので、予めご了承ください。


 ジョーさんが持つ能力に私は救われた。


 きれいさっぱり真っ二つに折れていたあのフィギュアの腕を、ジョーさんは物理干渉系魔法なるものでキレイに接着したのだった。


 後に謝りに来たジョーさんの部下に私がなんて言ったのかは、私の好印象にいささか悪影響を与えそうなので、ここでは伏せておこう。


 いいかげんにそろそろ元帥初日のお話をしよう。


 初日から、寝坊しかけた私はジョーさんに言葉の通り叩き起こされ(痛かった)急ぎ支度を済ませたのだった。


 というのも、慣れないあの豪邸、明日からの元帥としての役目ーー考えれば考えるほど、全く寝つけず、眠りに落ちたのは朝方だっただろう。




 本部到着。


「元帥、お顔色が優れませんね。私が叩き起こしたのが原因とおっしゃるなら、今ここで、私責任をとりまして……」


「きれいに眠れなかっただけです……大丈夫です……」


 ギギギと、重い門が開く。


 私は眠さのあまり忘れていた。あの恐怖を。右に長列! 左に長列! みんな息を吸って、さんはい‼︎


「元帥!おはようございます‼︎」


「ぎやあぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」


 はあ、びっくりした。おかげさまで目ぱっちりですよ。


「どうされました⁉︎」


「あ……いえ、なんでも。行きましょう」




 本部元帥執務室にて。


「おはようっ!」


 ドアを開けた瞬間聞こえてきた、本日二度目の大きな挨拶に、思わずぴくりと反応してしまう。声の主はシノン元元帥だった。


「シ、シノンさん! おはようございます!」


「うん! あれれ? なんだか、目にクマが出来てるぞ? 眠れなかったかな?」


 シノンさんは鋭いなぁ。


「はい……いろいろ意識したり、考えたりしちゃって……」


 うんうんとシノンさんは頷く。


「私も初日の前の夜は君と同じ感じだったよ」


 そして、くるりと回って指差す。


「さあて、とりあえず元帥の特等席、座ってごらん!」


 よく見ると、その机の上に置かれている名札の名が変わっていた。黒光り輝く魔法石に金色で文字が書かれている。


「元帥 ミナト・ナツメ……」


「そう! 君は今日からこの部屋の主! 戦士達の代表! 世界の人々を守る最高責任者!」


 一間溜めて、


「元、師、だよ!」


 それを聞いた瞬間になにか身が引き締まる思いがした。やはり言葉だけでも重い熟語だ。


「さぁ、座って座って!」


 ふかふかそうなイス。あれ、なにか忘れているような……まあ、いいか。


 イスに背を向ける。なんだか緊張する……いざ腰掛けた、そのとき、


「ふわっふわぁ!」


 からの、ドカン‼︎


 イスがひっくり返って、勢いよく座った私も後方宙返り三回転! 着地失敗といったところ。


 それを見て、シノンさんは大笑い。


「いてて……ちょっと、なんですか! これ!」


「まあ、怒るなって。昨日言ったではないか、壊れているから事務に新しいのを頼んでおいてくれって」


 いや、言ってたけど……。


「お詫びに新しいイスを私が取ってきてやるから、少し待っててくれ」


 イスがまだ、新しいのに変わってないことを知ったうえで、やったんだあの人! 確信犯じゃないか! 意外とイタズラ好きなのだろうか……。


「ほら、持ってきたぞ!」


「そんなすぐ取れるなら変えといてくださいよ‼︎」





 閑話休題。


 シノンさん。今度は真面目な顔をして相対している。手には、


「なんですか、この大量の紙。まさかこんなに事務仕事あるんですか!」


「まぁ、落ち着きなさい。君の一番最初の仕事ーーそれは……」


「それは……」


 溜める……まだ溜める……まだまだ溜める……。


「しょう……」


「ながぁぁぁぁぁぁぁぁい‼︎」


 と思わず同時に喋ってしまったのだった。


「あ、ごめんなさい」


「ごほん。ミナト君、あせりは禁物だよ。あさりは海産物だよ」


 いつから、シノンさんはこんなキャラに⁉︎


「あれ、もっと笑っておくれよ。まあ、とにかく、君が一番最初にすることは将軍選びと軍師選びだ」


 そんな、あっけなくすらすらと喋って、さっきの溜めはなんだったんだ一体。


「将軍と軍師……ですか」


「そう! もちろん君も分かるだろうこの二大役職の重要性!」


 ーーインターナショナルアーミーズには「将軍」「軍師」という大きな役職がある。それぞれ、元帥に次いで組織のナンバー2にあたるポジションであり、将軍は戦闘関連全般の指揮、軍師は組織の事務系統の指揮を担っている。この職務は元帥が交代すると同時に任期満了となり、新しく元帥になった者によって指名されるのである。


「君は自由に人選ができるわけだ! ただし、この役職も大きな責任があるわけだから、雑には選べない。ここには、私がピックアップした候補が載っている。全て目を通してくれ!」


 元帥をくじ引きで選んだ人がよく言うよ。


 とにかく、この中から選べば良いのか……。


「あの、シノンさん」


「どうした?」


「シノンさんを指名してはだめなんですか?」


 シノンさんは、うーんと考えるような仕草を取ったがすぐに、


「断る!」


 と急にまた、大きな声で返事をした。


「ど、どうしてですか!」


 私は食い下がる。なにがなんでも、是が非でも、この役目だけはシノンさんに担ってもらいたい!


「どうしてもなにも、私は幹部達を出来るだけ一新していきたいんだよ。一進させたいんだよ」


 前者はあっても、後者の熟語はあるだろうか……。


「まあ、要するにーーどんどん新しい形を作って、進めていきたいのに、一度引いた身がまた重役につくのはちょっとね」


 たしかにシノンさんの言いたいことは分かる。けれど、やっぱりシノンさんのような、心強いサポートが近くに欲しい。


「安心しなさい。私も一応は幹部の中にはいるんだ。いつでも会えるし、今日のように朝から待ち伏せして、君の部屋で待ってるからさ」


 待ち伏せはいいが、イタズラは絶対やめてほしい。


「とにかく、さぁ選ぶんだ! 今日中に数人まで絞って、絞り終えたら即面接して決めるぞ!」


 一日で決めるの⁉︎ 早すぎでは⁉︎


「彼らは候補者として、本人にあらかじめ通達をしている。今日呼び出されても、すぐに飛んでくるはずだ。ーー飛んでくるやつもいるだろう」


 なぜ二度も言った。





 数時間後。


「ほう、なかなかいい人選だ。気づいたとは思うが、今回、階級などは一切関係なく、私が優秀だと思った人材をピックアップしている。だか……」


「どうしました?」


「なぜ各一人ずつしか選んでないないんだ?」


「ま、まさか、資料読むのがめんどくさいからって、私が直感的に一人ずつ選んだなんて、そ、そんなことありませんよ……」 


 冷や汗が止まらない……。


 はあ、とため息をつくシノンさん。


「しかし、最初に言ったように、いい人選だ。本当に全くデータを見てないのなら凄い偶然の選び方だ」





 面接(将軍の部)


「え、え、あの、面接僕だけですか?」


 ドアから上半身だけをひょっこりと見せてきた、少年のような可愛いらしい声の小柄な若いおそらく男性。うん? まさかこの人が一人目? 否、一人しかいない面接受ける戦士?


「うーんと、部屋間違えました? トイレなら右曲がったところですよ!」


「え⁉︎い、いえ、あの、僕なんか呼ばれて……えっとあの、マコト・ハルネといいます」


「ああ、あなたがマコトさん。って、ええ⁉︎」


 ーー皆さんもう、お忘れでしょうから、説明しましょう。


 第0話食堂のシーンを思い出してください。


 そうそう、なんか次の元帥候補について色々話してる人たちがいましたね。こんな話ありませんでしたか? 「古龍を一撃で倒した幹部の中でも一番若手の戦士マコト」そう! それです!


「あなた、あのマコトさんなんですか⁉︎」


「ど、どのマコトさんかはわかりませんけど、た、多分僕です」


 遠目からみると子供っぽさも感じるこの人こそまさに、幹部の最若手にして、数々の討伐を伝説にしてきたマコト・ハルネ二等戦士将だった。


「失礼にも驚いてごめんなさい。いや、そのね、もうそれはそれはいろいろな話を聞いてきたせいで、イメージが完成してたっていうか、その写真では確かになんか、幼さあるなあ、可愛い顔してるなあって思ったけど、実物はねもう、筋肉もりもりで、高身長で、いかにも強いですオーラ満開の人を想像してたもので……あっ、いやいやでも、だからって、悪く言ってないですからね! とっても素敵な方です!」


 まずい、喋れば喋るほどボロが出てくる。


「ぼ、僕のことは、なんて言ってもらってもいいんです! ほ、ほら、やっぱりこんな感じですから」


 そこで、ようやく彼がまだ、ひょっこり状態であることに気づく。


「あ、とりあえず入って座ってください、ごめんなさい、色々喋ってしまって」


 改めて向き合ってみると、なんと言っても、可愛い‼︎ この少年とも少女ともとれる感じが個人的には好きだ。ただ彼が、本当にこれだけの経歴を生んできたのか、資料をあらためてみてみるがすぐに信じられない。


 さて、なにを聞こうか……。


「では、早速質問です」


「は、はい!」


「……」


「……」


「将軍になってくれますか?」





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