第2話 ミナト元帥の新しいお部屋
キャラ紹介
ミナト・ナツメ
本作の主人公兼大部分の語り手。ひょんなことから下っ端→元帥になってしまう戦士。身長160センチ。体重45キロ。黒髪ショートボブ。本人曰くザ・平均的な見た目。あらゆる適正値がずば抜けて低い。かなりのオタクで、可愛いキャラクターが大好きな変態。アニメや漫画の見過ぎで心の声がめちゃくちゃ多い。
シノン・ソラキ
第36代 インターナショナル・アーミーズ元帥。くじ引き元帥決めの元凶。前例がないような突拍子もない思い付きによる改革で組織を指揮した天才。身長171センチ。体重49キロ。パープルヘアーのポニーテール。細身の絞られた身体。美人。低音ボイス。戦闘能力も組織においてずば抜けているとの噂。
ミズホ・ヤマダ
ミナトの同期。三等戦士。身長145センチ。体重32キロ。ピンクヘアーのツインテール。ロり。自意識過剰のわがまま。
ジョー・モリムラ
一等戦士尉。秘書兼警備戦士隊隊長。身長201センチ。体重100キロ超。全身筋肉のようなガチガチのマッチョにサングラスをかけているコワモテ。忠誠心が高く戦士としての能力値が高い。声がデカい。
※本作品は現実世界の未来寄りの世界観かつ別世界です。ゆえに登場する事象(用語・単位等)は、現実世界のものと同じ場合が多いです。
※本作品はキャラクターの独白やキャラクターの持つ主観が多い場合がありますので、予めご了承ください。
ということで、今日から元帥としてのお仕事が始まるわけだけれど、その前にちょっと昨日のお話の続きを。
帰り際も例のやばいオーラ全開の戦士達の列をどうにか耐え抜いて本部の入り口までたどり着いた。
ようやく帰れる! よし、帰ったら一度頭の中を整理して、落ち着いて明日からの日々についてしっかり考えなきゃ! と思っていたわけだけれど、落ち着く事は当然出来ませんでした。
本部入り口にて。
「ミナト元帥お疲れ様です」
そこには、ジョーさんがまた、きらりとした笑顔をみせて立つ。その後ろには黒光りジープのような戦士車両が。
「本日より、送迎も私が担当いたします。どうぞ、お乗りください!」
「い、いえいえ、自分で帰れますよ! お気になさらず……」
すると、ジョーさんは困った顔を見せる。
「そうは参りません。元帥の身に何かございましたら、我々は戦士失格です! ささ、こちらへ。」
これは断りきれない……そう感じて、諦めて車両に乗り込んだ。しかし、
「あ、あの。」
「どうなされました?」
「私の戦士寮、反対方向なんですけど……」
明らかに、私の戦士寮とは違う方向に向かっている。わざわざ遠回りすることもないだろう。まさか道に迷った? なんてそんなことはないだろうし。となると、まさか、
「今日から、元帥には、元帥専用のお部屋に住んでいただきます。到着までもうしばらくお待ちください」
やっぱそういうことあるんかぁ……なかなか住みやすい部屋だったのに残念だ。
そこで、ふと気づく。
「あっ! でも荷物とかを取りに行かないと!」
すると、ジョーさんはまたも当然かのように、
「お荷物に関しましては、既に元帥専用部屋の方に移させていただきましたので、ご安心ください。」
仕事が早すぎる‼︎ はっ! ということは部屋の中の私の趣味達も……。
「部下に、アニメもののフィギュアが多すぎて大変だと文句を言ったやつがいたそうなので、後で説教しておきます!」
やっぱり……べ、別に隠してたわけじゃないんだけどね、私は誇りに思いますよ! 我らがニホノ地区のトップカルチャーとして経済を動かしているアニメ産業を私は正々堂々支援してると言っても過言ではないんだから‼︎
「べ、別に説教とかしてあげなくて、いいですから! 懇切丁寧に運んでくれたなら、だ、大丈夫です!」
本当はあまり触らないで欲しかったなぁ……。
元帥専用住居にて。
なんと形容すべきだろうか。一言で言うならば、お城。
とにかくでかい建物。とにかく広い部屋。とにかく広大な敷地。
うーむ、私の語彙力ではこれが限界だ。
「敷地面積と致しましては、ニホノディ○ニーランドの2個分程です。」
「え!?あの某有名遊園地ニホノディ○ニーランドの2倍あるんですか!?」
驚き圧倒されてるなか、建物の入り口付近になんだろうか、戦士達の整列のようなものがみえるような……。あれれ、デジャヴだなあ。
「ミナト元帥! お帰りなさいませ! ようこそ! 元帥専用住居へ!」
やっぱり声でかいよ‼︎ よく、シノンさんはこれに耐えてきたなぁ。もしかして、元帥を早く退任した理由って、これが原因じゃないの?
「あ、どうも、どうも、どうも……」
寝室、風呂場、リビング、キッチン、ぜーんぶ大きいです! あと、最新の家具みたいなものがいろいろとついていたので、後でちょっといじってみたいと思います。
「こちらには、えりすぐりの警備専門戦士が30人、元帥の身の回りの世話係の戦士が20人常駐しております。わたくしジョーは先程申し上げました通り、送迎と、他に秘書としての役割、そして、警備戦士隊の隊長を担っております!」
「は、はぁ……」
「なにかございましたら、すぐにどの戦士にでもお声掛けください」
「こちらは執務室です。執務室はこの住居、そして、先程の本部をはじめ、各基地に専用執務室をご用意してありますので、どこでも公務をしやすくしております」
私を何人並べたら届くんだと思うほどの高い天井や白すぎて眩しいほどの魔法石(魔法石は様々な色がある)でできた床や壁の装飾に目を奪われるなか、私が見つけたもののなかで、より鋭い視線を送ったのは大きなディスプレイケース。そのなかには私の愛しいキャラクター達がきれいにずらっと並んでいる。
ああ…….君たちをこんなに素敵な場所に住まわせてあげられるなんて、元帥になって良かったかもしれない。涙が出そうだ。
きっと、その熱い視線に気づいたのだろう。
「お気に召されましたか」
「はい! なんだかんだ、いい仕事するじゃないですか! もう、ジョーさんの部下の皆さん最高ですっ!」
もっと近くで見たい! そう思い、ケースの前に歩み寄り顔を寄せる。ーーしかし、うん? と思う……。
「う」
「う?」
「……」
「どうなされました?」
「前言撤回します……これ、運んだやつ絶対見つけて、とことん説教してくださいね、ジョーさん。」
私はニコッと意味深な笑みをジョーさんに向ける。
ジョーさんはなにがなんだか分からない様子だ。
そして、私はおそらく、人生で最も、元帥に指名されたときよりも遥かに大きく叫ぶのだった。
「腕が取れてるじゃないのおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」
続
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